婚約期間中は、両親へのご挨拶や新居の準備、結婚式の準備などやることもたくさんあり、あっという間に過ぎていくものです。しかし、あろう事か婚約中に浮気をする人もわずかながらいるのです…。
婚約中に浮気をされてしまうと、今後の夫婦生活も不安でしかなく、婚約破棄を考える方も出てくることでしょう。こちらの記事では、婚約中の浮気について次の内容を解説していきます。
- 婚約中に浮気をされた人が婚約破棄や慰謝料請求をするために知っておく知識
- 婚約期中に浮気をする人の心理
- 浮気を許して結婚する場合に気をつけておくこと
婚約中の浮気で強く裏切られた気持ちもあって、不安や怒りの感情が出てくることでしょうが、冷静に今後のことも考えながら、あなたにとって一番適している方法を取るためのヒントにしていただければと思います。
婚約中の浮気はどこから?婚約破棄できる正当な理由とは
世間的には「浮気はどこから?」というテーマの議論が起きることがありますが、浮気を理由に婚約破棄を"法的に"認めてもらうためには、婚約者以外の異性と不貞行為があったことが前提となります。
不貞行為とは、夫婦や婚約者がいる人が配偶者(婚約者)以外の異性と肉体関係を持つことです。
不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味する、民法770条に離婚事由として規定されている法律用語である。
引用元:不貞行為 - Wikipedia
他の異性と何度も会って親密にしていたり、キスやハグをされていただけでも「裏切られた」と深く傷つく方も多いでしょう。しかし、残念ながら何度も会っていたり、親密なやり取りをしていたりしただけでは、婚約破棄の正当な理由と認められないことが多いです。
婚約中に浮気をする心理
婚約中に浮気をされてしまうと、今後の夫婦関係についても非常に大きな悩みの種になります。どうして婚約中に浮気をしてしまうのでしょうか?
浮気をする人が一方的に悪いので擁護するつもりはありませんが、次のような理由から婚約中に浮気する人が多いようです。
結婚前に遊びたい
「独身最後に他の異性と遊んでおきたい」という考えを持っているケースです。上でも触れたように、婚約中でも浮気をされたのであれば、婚約破棄の理由になりますし、慰謝料請求が認められることがあります。
このような人は、結婚後に気持ちを改めることもありますが、自分本位の考えが強いと考えられますので、結婚後にも喧嘩やマンネリなどのちょっとした出来事で浮気に走る危険性もあります。
結婚前に浮気が発覚したのであれば、誓約書を作成するなどして釘を刺しておくようにしましょう。もちろん、裏切られた気持ちが強いなら、婚約破棄や慰謝料請求も考えて良いでしょう。
マリッジブルーになっている
マリッジブルーとは、結婚前に「この人とこのまま結婚していいのだろうか?」などと不安になり、精神的に不安定になる状態のことです。夫婦生活が始まれば解消されることも多いのですが、そのマリッジブルーの期間に気を紛らわすために浮気に走ってしまう人もいます。
精神的に不安定だからといって浮気が許される理由にはなりませんが、2人で歩みよって改善できるようであれば、婚姻後に良好な夫婦関係を築くことも十分可能です。
もともと浮気癖がある
交際関係のうちからももともと浮気癖がある人は、「結婚するから浮気はしない」という考えではなく、「バレなければ問題ない」と考えている人もいます。こういった考えを持つ人は、結婚後も浮気を繰り返す可能性があります。
本当に結婚すべきかどうかを真剣に考え、浮気されない夫婦関係が想像できないようであれば、婚約破棄や慰謝料請求を行い、今後関係を持たないことも1つの選択肢です。
浮気をよくする人ほど浮気がバレた時の誤魔化し方を知っているものです。こちらも、浮気や婚約していたという証拠をきちんと用意して対処するようにしましょう。
婚約中の浮気で慰謝料請求できる条件
婚約中に浮気をされたら、正当な婚約破棄の理由にできるとお伝えしましたが、婚約破棄と併せて浮気をした相手に慰謝料請求できる可能性があります。
こちらでは、婚約中の浮気で慰謝料請求ができる条件や慰謝料の相場についてご説明します。慰謝料請求を認めてもらうためには、上記で伝えたように不貞行為があり、証拠がある必要があります。
不貞行為に該当すること
繰り返しますが、慰謝料請求を認めてもらうためには、単なる浮気ではなく、不貞行為があったことが前提です。LINE等でただの親密なやり取りをしているだけでは、慰謝料を請求することは難しいです。
浮気の証拠があること
明らかに婚約者以外の異性と肉体関係があったと考えられるような状況でも、証拠が不十分だと慰謝料請求が認められない可能性があります。
婚約破棄や慰謝料請求を認めてもらうには、証拠の存在が非常に重要です。証拠は、「おそらく肉体関係があったであろう」と憶測で分かるようなものではなく、「確かに肉体関係があった。言い逃れできない」と、より具体的なものだと強力です。
不貞行為の証拠の例として次のものが挙げられます。
- 浮気相手と肉体関係があったと分かるメッセージやり取りや画像・動画
- ラブホテルに出入りする写真
- 本人が浮気を認める証言 など
婚約していると証明できること
慰謝料請求をした場合、「婚約などしていない」と言い逃れをされるケースもあります。
第三者から見ても、婚約していると分かるような情報・資料などを準備して婚約を証明できるようにしておく必要があります。具体的な証拠としては、次のようなものが挙げられます。
- 挨拶をしに行った時の両親の証言
- 結婚指輪の現物やレシート・領収書
- 結婚式の打ち合わせの資料 など
婚約者に請求できる慰謝料の相場
一般的に夫婦で浮気された場合の慰謝料の相場は50〜300万円です。婚約中の浮気は、夫婦で一緒にいた期間よりも短い、子どもがいないなどの理由から上記の金額より低くなる可能性が高いです。
金額的には50〜100万円程度になることが多いでしょう。他にも、請求相手の収入や浮気されていた期間・頻度などによっても金額が左右されますので、具体的な状況を弁護士に相談してみて、実際に請求できそうな金額を聞いてみることもおすすめです。
また、後述するように婚約でかかった費用も一緒に請求が可能です。
婚約後に発生した費用も追加で請求できる
慰謝料とは別に婚約後にかかった費用の金銭的損害も請求可能です。婚約破棄によってキャンセルしたり、不要になったりするものも出てくるでしょうが、あなたが費用負担したものがあれば一緒に請求しましょう。
請求できる可能性がある費用としては、次のものが挙げられます。
- 結婚指輪の代金
- 結婚式や新婚旅行のキャンセル料
- 妊娠していた場合の養育費
- 寿退社した場合は退職しなければ貰えていた収入分
- 結納金 など
婚約中の浮気を許す場合にすべきこと
婚約中に浮気をされても、「一度だけなら…」「結婚前の最後の慈悲」として、浮気を許す選択を取る方もいるでしょう。ご本人が納得すればその選択でも良いのですが、単に許すだけではなく、次のような最低限の対処はしておくことをおすすめします。
証拠は確保しておく
婚約破棄や慰謝料を請求しない場合でも、浮気の証拠は確保しておくようにしましょう。「こちらは証拠まで確保している」と、本気度を示すことができれば、結婚後の浮気の抑止にも繋がります。
また、状況が変化して婚約破棄や離婚をすることになった時にも、「婚約中にも浮気されていた」と、強力な証拠として提出することができます。
誓約書を書いてもらう
誓約書とは、今回の浮気の事実を認めさせ、「今後2度と浮気をしない」などの約束事を記載した書類で、口約束だけで終わらせないために作っておく必要がある書類です。
誓約書を作っておくことで、結婚後に浮気をしないための強い抑止力となります。また、誓約書に「また浮気をしたら慰謝料○○万」などの条件を記載しておくことで、浮気を繰り返した場合に有利な条件で離婚したりすることが可能です。
たとえ浮気を許しても誓約書を作っておくことはとても大事です。
浮気の原因を話し合う
婚約者がなぜ浮気をしてしまったのか、原因についてお互い話し合うことも大切です。浮気をした側が悪いのですが、もしかすると浮気された側にも原因があったかもしれません。
例えば、モラハラなどで精神的に参っていたから浮気相手に癒しを求めた、セックスレスになっていたから性欲を満たすために浮気をした、などの理由も考えられます。これらの理由は、お互いが歩み寄ることでしか解決できないことも多いです。
浮気を許す場合は、これから結婚をして夫婦として長い時間をともに過ごすことになります。浮気が繰り返されないためにも原因を特定し、お互い改善した方が良い部分はないか話し合う時間を取りましょう。
まとめ
婚約中の浮気でも慰謝料請求が可能ですし、今後の夫婦生活が無理そうであれば、こちらから婚約破棄をすることも可能です。ただし、不貞行為=婚約者以外との肉体関係があることが前提で、不貞行為を証明する証拠を用意しておかなくてはなりません。
また、「婚約までしていなかった」と言われてしまう可能性もあるので、結婚指輪や結婚式の打ち合わせ資料等の婚約していることが分かるような証拠も準備しておくと良いでしょう。
証拠集めや慰謝料請求などを1人で全部しようとすると、非常に大変で精神的にも辛いです。ぜひ弁護士や探偵などに相談し、アドバイスをもらいながら自己負担を減らしつつ解決を目指していってください。
婚約中の浮気でよくある質問
婚約中の浮気が結婚後に発覚したら?
婚約中の浮気が結婚後に発覚した場合、離婚や慰謝料請求が認められる可能性があります。
なお、結婚後に婚約中の浮気が発覚し、それが原因で離婚に至った場合、離婚の原因を作った(元)配偶者に対して請求できる慰謝料である「離婚慰謝料」を請求できる可能性があります(原則として、浮気相手に離婚慰謝料を請求することはできません)。
ただし、「不貞行為」を理由に離婚や慰謝料を請求するためには、肉体関係があったことを示す証拠が必要です。過去の浮気では、証拠を確保することが通常よりも難しいでしょう。
また、慰謝料が認められたとしても、婚約中の浮気は慰謝料の金額も小さくなるケースが多いです。
婚約者の浮気で慰謝料は請求できる?
婚約者の浮気に対して、慰謝料を請求することは可能です。
婚約中に浮気をした場合であっても、慰謝料は発生します。 なぜなら、婚約は婚姻に準じた身分関係にあるので、婚姻中の浮気と同様に精神的損害を被ることになるからです。
引用元:身近な離婚情報誌リーガレット
ただし、婚約者の浮気で慰謝料を請求するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 婚約していることを証明できる
- 不貞行為(肉体関係)があったことを証明できる
婚約者が異性と「食事に行った」「LINEでやり取りをしていた」というような関係では不貞行為とは言えず、慰謝料も認められないことが多いです。
婚約中に浮気してしまった。どうなる?
婚約中に浮気してしまった場合、婚約者から慰謝料を請求される可能性があります。また、浮気をされた婚約者からすれば、「本当にこの人と結婚して大丈夫だろうか?」と不安になります。
浮気はこれまで二人で築き上げてきた関係を破壊する行為です。これから結婚をして幸せな夫婦関係を目指しているのであれば、浮気してしまったことを反省し、ただちに浮気をやめることをおすすめします。