配偶者が誰かの家に出入りしている場合、相手が異性であれば「不貞行為があるのでは?」と疑ってしまうのは当然のことでしょう。
あなたに黙って誰かの家に出入りしているのであれば、とてもそのままにしておける状況でもありません。
不貞行為が証明できれば、浮気相手や配偶者に対して慰謝料請求をすることも可能です。しかし残念ながら、異性の家に出入りしているだけで不貞行為があったと断言できません。
こちらの記事では、配偶者が他人の家に出入りする行為について、どのようなケースで不貞行為を証明できるのか?不貞行為を証明するためにはどのような方法を取れば良いのか?などをご紹介します。
家の出入りだけだと不貞行為にはならない
配偶者が見知らぬ異性の家に出入りしていると、浮気しているのでは?と思ってしまいますよね。しかし、残念ながら家に出入りしているだけでは、不貞行為があると断定することができません。
ちょっとお茶して話をしていただけかもしれませんし、招いた人が家の中や家具などを見せているだけかもしれません。不貞行為とは、配偶者以外の人物と肉体関係があることで、単に家に出入りしているだけでは不貞行為があったと証明することはできないのです。
不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味する、民法770条に離婚事由として規定されている法律用語である。
引用:Wikipedia
配偶者が誰かの家に出入りしている際に不貞行為があると証明するには、次のようなケースでかつ、不貞行為があったと分かるような証拠を確保しておかなくてはなりません。
家の出入りが不貞行為になる可能性があるケース
繰り替えしますが、家の出入りだけでは不貞行為があると決めることができません。しかし、次のケースでは招かれた人と親密な関係にあり、不貞行為がある可能性も高いと考えられるようになります。
長時間の滞在や宿泊した場合
たまたま家の近くに来て休憩がてら相手の家に出入りすることもあるでしょう。
ただ、そのようなケースでは長くても1時間程度で、その短時間に肉体関係を持つということもあまり考えにくいです。
しかし、数時間も滞在したり、ましてや宿泊までしたりすることがあれば、不貞行為の可能性が高いと考えられます。
繰り返し家に出入りしている場合
繰り返し家に出入りしているようなケースでは、ちょっと気まぐれで家に行っただけではなく、何かしらの明確な目的を持って家に行っていることがあると分かります。
既婚者が異性の家に定期的に訪れるのはよっぽどなことですので、「その家が自宅兼事務所になっている」などの明確な理由がない場合には、浮気が目的である可能性が非常に高いと考えられるでしょう。
親密な関係性が証明できる場合
家に出入りしているという情報だけでは、その人とどんな関係で、どのような目的で行っているかが判断しにくいです。
家に出入りしているという事実以外にも、メッセージのやり取りや親密なツーショット写真など、二人が親密にしていると分かる情報も合わせて提示することができれば、家に行っている時に不貞行為がある可能性が高いと判断することができます。
家ではなくホテルの場合は不貞行為になる?
浮気・不貞行為がある場合、相手の家ではなくホテルを利用するケースも多いです。ホテルへの出入りは、どの程度で不貞行為があると判断できるのでしょうか?こちらでは、ホテルの種類やケースごとの不貞行為の可能性の高さについて解説します。
ラブホテルに出入りした場合
一般的にもラブホテルは性行為をするための場所だという認識があります。
ましてや既婚者がわざわざ異性と一緒にラブホテルに出入りしている状況など、性行為をするために訪れていると判断でき、言い逃れができない状況とも言えてしまうでしょう。
ラブホテルに誰かと出入りする写真を撮ることができれば、明確な浮気の証拠にすることができます。
ホテルで同じ部屋に泊まった場合
異性と普通のホテルに出入りしている場合、ラブホテルほど不貞行為があると断定できにくくなります。例えば、仕事の出張などで、同じビジネスホテルに泊まるケースもあるでしょう。
しかし、普通のホテルでも同じ部屋に泊まった場合は、明らかに男女の関係があると考えられます。
また、別の日にも複数回出入りしていることが証明できたり、親密な関係だとわかるような情報が一緒にあることで、不貞行為の可能性が高いと主張できるようになります。
ホテルで別々に出入りして泊まった場合
浮気がバレることに警戒している人は、時間帯をずらして別々にホテルに出入りするケースがあります。
ホテルへの出入りで不貞行為があると証明するためには、同じ部屋に泊まっている証明をする必要があるため、出入りが別々だと確かな証拠も取りにくくなってしまいます。
しかし、別々に出入りする瞬間の写真であっても、ひとつの証拠にはなります。一つひとつの証拠が弱くても、他の証拠と組み合わせることで、不貞行為があったと認められる可能性があります。
肉体関係を証明できる強い証拠は、なかなか確保するのが難しいものです。複数の証拠を根気強く集めることで、言い逃れができない状況を作っていきましょう。
家の出入りで不貞行為の証拠にするには
ここまでの内容をまとめると、家の出入りで不貞行為があると証明するためには、次のような情報を揃えていく必要があります。
- 家に出入りする場面の写真・映像
- 日時付きで何時間滞在したか分かる情報
- 複数回出入りしている証拠があると良い
- 他にもその相手と親密にしているメッセージや写真等があると良い
注意点として、浮気相手の家の前で張り込むなどの行為は、ストーカー規制法違反や住居侵入罪などの違法行為になってしまう可能性があります。また、不審に思われて警察を呼ばれてしまうこともあり得ます。
浮気相手の家の出入りの証拠を獲得するためには、探偵に依頼して証拠を取ってきてもらうことをおすすめします。
出入りの写真等を残す
家の出入りを浮気の証拠にする場合には、家に入る時と出る時の両方を写真や映像に残しておく必要性が高いです。
もし、片方の証拠しかない場合、「すぐに家を出たから肉体関係などない」などと言い逃れされてしまうことになります。
相手の家にどれくらい滞在していたことが分かるように、出入りの写真を残しておく必要があるため、何時間かその場で待機する覚悟と準備が必要です。
日時をはっきり残す
出入りの写真等を残す場合には、日時がしっかり分かるように残しておく必要があります。日時がないと、上記のように何時間滞在していたかが分からなくなってしまいます。
また、日時がしっかり残っていることで、「家に行く直前にコンビニで避妊具を買った」などと、他の情報と掛け合わせて証拠として突きつけやすくもなります。
複数回の出入りや親密だと分かる情報を集める
上記でも触れましたが、一度家に出入りしている情報だけでは不貞行為があったと言い切れず、相手から反論されたり裁判でも認められなかったりするおそれがあります。
複数回の出入りの写真を集めたり、他にも親密にしているメッセージのやりとり、家に行く日に買った避妊具などを一緒に突きつけたりすることで、さらに証拠として強力になっていきます。
浮気相手の家に泊まる配偶者に慰謝料は請求できる?
浮気相手の家に泊まる配偶者への慰謝料請求が認められるかどうかは、不貞行為の証明ができるかどうかにかかっています。
上記でご説明したような証拠を少しでも多く集めて、相手が言い逃れできない状況や裁判でも認められるような証拠が取れると慰謝料請求も成功しやすくなります。
ただし、配偶者に慰謝料請求をする場合、夫婦関係を続けたまま慰謝料請求をしても同じ家庭内でお金が移動するのであまり意味がありません。先に離婚するかどうかを検討すべきでしょう。
また、不貞行為があった場合には、浮気相手に対しても慰謝料請求ができます。相手の家が分かっているということは、浮気相手も特定しやすい状況でしょうから、浮気相手への慰謝料請求も忘れないでください。
なお、浮気の慰謝料請求の相場は50〜300万円になることが多いです。しっかりした証拠があれば、慰謝料の金額も上がりやすいので、探偵や弁護士に相談しながらしっかり準備を進めていきましょう。
まとめ
異性の家に出入りしているという情報だけでは、不貞行為があると断定できずに、浮気の慰謝料請求も難しくなります。
不貞行為の証拠にしていくためには、複数回出入りしている写真・映像や他にもその家主と親密にしている情報を集めると良いでしょう。
実際にこれほどの証拠をご自身だけでかき集めることは非常に困難です。
浮気の可能性が高く、慰謝料請求も考えている方であれば、探偵に浮気調査を依頼することも考えてください。
探偵に対する相談は無料でできますし、状況を説明するだけでもおおよそのアドバイスをもらえますので、一人で悩まずに積極的に相談されてみてください。