退職願の封筒

本記事では、退職理由として多いものを男性、女性、新卒別にご紹介します。上司や同僚に退職理由を話しているのはあくまで「建前」であることが多く、本音はその人にしかわかりません。

この記事では、政府が出している統計データをもとに、退職理由ランキングを作成していますので、ぜひ参考にしてください。

厚生労働省の統計データから退職理由ランキングを作成

実際に、厚生労働省では雇用動向調査というものを毎年行っています。雇用動向調査の目的は、簡単に言うと「労働者の職業や働く場所」がどのように変化しているかを明らかにするものです。

本調査は、主要産業における入職・離職及び未充足求人の状況並びに入職者・離職者に係る個人別の属性及び入職・離職に関する事情を調査し、雇用労働力の産業、規模、職業及び地域間の移動の実態を明らかにすることを目的とする。

引用元:雇用動向調査:調査の概要|厚生労働省

雇用動向調査では、離職率が高い業界や前職を辞めた理由も掲載されています。このデータをもとに、男性女性別の退職理由で多いものを解説していきます。

女性の退職理由ランキングベスト5

本項では、女性の退職理由をランキング形式で5つご紹介します。

女性の退職理由ランキング
退職理由 割合
職場の人間関係が好ましくなかった 13.3%
労働条件、休日等の労働条件が悪かった 11.6%
給料等収入が少なかった 8.8%
会社都合 8.1%
仕事の内容に興味を持てなかった 5.2%

1位:職場の人間関係

女性の退職理由で1番多かったのが「職場の人間関係」です。 特に上司や同僚とうまく関係を築けなかった場合、仕事に対してのモチベーションが上がらず、会社に行くこと自体が億劫になります。

また、女性ならではのセクハラ被害が横行しているのも要因のひとつです。セクハラをしてくる上司がいると関わりたくないと感じますし、そのような職場では長く働く気にはなれないでしょう。

2位:労働条件が悪かった

女性の退職理由として2番目に多いのが「労働条件が悪かった」というものです。ここでいう労働条件とは、主に「労働時間」や「休日」が該当します。特に女性の場合、結婚や出産などのライフイベントが多いため、労働時間が長いと子供の面倒を見る時間も作れません。

とくに既婚者の女性では、家事などに労力が取られることも多く、ワークライフバランスが保てなくなります。労働条件が悪い職場は、働く時間に融通が効かないため、退職をする人が多くなるのです。

3位:給料が少ない

女性の退職理由として3番目に多いのが「給料が少ない」ことです。給料は、毎日生活するのに大きく関わってくる重要な項目です。給料が少なければ、生活していくのもやっとという状態に陥ります。

特に女性は、メイクや服にも気を使うことが多く、男性と比較するとお金がかかる傾向があります。最低限の生活をするのに精一杯な状態だと、メイクや服などの外見にも気を使うことができず、仕事に対してのモチベーションも上がりづらいでしょう。

4位:会社都合

女性の退職理由として4番目に多いのが「会社都合」です。これは、本人の意思とは関係のない理由ですが、会社都合で退職を余儀なくされる女性も多いです。

女性の中には、正社員以外にもパートや派遣社員として働く人も多く存在します。正社員でない場合、会社の業績や経営状況などの事情により、解雇・派遣切りの可能性が出てきます。

思わぬ形で解雇や派遣切りをされてしまうことが理由で、退職する人も多いのです。非正規社員は長く勤められる保証がないため、注意する必要があるでしょう。

5位:仕事の内容に興味が持てない

女性の退職理由として5番目に多いのが「仕事の内容」です。仕事のやりがいは、長い人生を歩んでいく中でとても重要なことです。

人生の大半は仕事をすることになるため、その仕事がつまらないとなれば、充実した日々を送れません。そんな日々に嫌気がさして、退職に踏み切る女性が多いのです。

男性の退職理由ランキングベスト5

次に、男性の退職理由をランキング形式で5つご紹介します。

男性の退職理由ランキング
退職理由 割合
給料等収入が少なかった 13.3%
職場の人間関係が好ましくなかった 8.8%
労働条件、休日等の労働条件が悪かった 8.3%
会社の将来が不安だった 8.3%
会社都合 6.9%

1位:給料が少ない

男性の退職理由で1番多かったのが「給料の少なさ」です。特に既婚者男性は家計を支える大黒柱のため、女性と比較すると高い給料を求める傾向があります。

また、現状の仕事での成果や業務内容に対して給料が少ないと、転職するだけで給料が大幅に上がることも多いため、年収を上げるために転職を選択する方も多いです。

関連:【転職したら年収が上がりすぎて怖い】転職時の年収アップの相場

2位:職場の人間関係

男性の退職理由で2番目に多かったのが「職場の人間関係」です。女性と同様、男性も職場の人間関係に悩まされて退職する方は多いです。

会社の上司や同僚は、嫌でも週に5日間は顔を合わせなければなりません。上司との相性が悪いと職場での居心地も悪く、精神的にも負荷がかかってしまいます。

また、当サイトが行った転職経験者200人を対象としたアンケートでも、人間関係は第一位になっています(関連:転職してよかった人の割合は83%!転職経験者200人に聞いたアンケート)。

人間関係は、仕事で成果を出す事などとは違い、どうすれば改善できるのか難しい部分が大きいです。「人はそう簡単には変わらない」とよく言われるとおり、他人が変わることを期待することはできず、手っ取り早く転職を選択する方は多いでしょう。

3位:労働条件が悪かった

男性の退職理由で3番目に多かったのが「労働条件」です。「残業が多い」「休日出勤する」など、労働条件が悪いと精神的な負担が重くのしかかります。一時的なものであれば耐えることができても、過度な残業や休日出勤などが常態化していると長くは働けないでしょう。

精神的な負担を抱えすぎると、うつ病や適応障害などの健康問題に発展する恐れがあります。そのような状況に陥らないためにも、労働環境が良い会社への転職をする男性が多いのです。

4位:会社の将来が不安

男性の退職理由で3番目に多かったのが「会社の将来が不安」です。今務めている会社が将来生き残っているとは限りません。とくにベンチャー企業やスタートアップでは、売上も安定していないことも多く、会社の将来が不安に感じる方もいるでしょう。

会社の業績が不安定になれば、給料アップやボーナスなども貰えなくなる可能性があります。また、業績が悪くなれば「会社都合」での退職を余儀なくされることもあります。

順調に会社が成長していれば良いですが、徐々に売上が下がっている会社や成長が期待できない業界で働いている場合は、別の業界に転職することも選択肢のひとつです。

【関連】30代の転職で未経験の職種は厳しい?手遅れになる前に考えること

5位:会社都合

男性も会社都合により退職する人は多いです。非正規社員がいるのはもちろん、正社員でも解雇される可能性はあります。また、コロナによって会社の業績が悪くなり、人員整理を行った会社も多いでしょう。東京商工リサーチが発表している企業の倒産件数では、2021年には約6,000社の企業が倒産しています。

20代などの若い年齢であれば、次の転職先がすぐに見つかることが多いですが、40代以降などになると、転職先を見つけるのも苦労することがあるため、業績も意識して今の会社で長く働けるかを考える必要があります。

【関連】40代から一生出来る仕事を男性女性別に10個紹介

新卒の退職理由ランキング

新卒で入社してきた人の中には、すぐに退職してしまう人もいます。すぐ辞める人を「根性がない」「我慢ができない」と判断する人もいるかもしれませんが、退職するのには必ず理由があることを忘れてはいけません。

株式会社ビズヒッツが調査したところ、新卒が退職する理由は主に以下のような結果となりました。

順位 退職理由
1位 人間関係が悪い
2位 長時間労働・休日への不満
3位 仕事内容が合わない
4位 求人内容と現実が違う
3位 給与が低い

引用:株式会社ビズヒッツ「新卒1年未満の転職理由ランキング」

特に「人間関係が悪い」「長時間労働」に関しては、社内に問題があると考えられます。教育制度をしっかりと設けられていなかったり、成果主義にこだわりすぎていたりする場合、社内の空気が悪くなる傾向があります。

新卒の場合、会社から成長を期待されていることも多く、入社後すぐに辞めることは気が引けることもあります。しかし、ストレスを抱えすぎて体調を崩してしまっては元も子もないので、どうしても辛い場合は、休職や部署の移動を申し出ることも検討しましょう。

【関連】新卒で「仕事を辞めたい」は甘え?1年未満で会社を辞める割合

まとめ

本記事では、退職理由を男女別にランキング形式でご紹介しました。 退職するのには必ず理由があり、「なぜやめてしまったのか?」を深く考えなければ、また同じことを繰り返すことになります。

おおむね退職理由として多いものは「給料が低い」「労働環境が悪い」「人間関係が悪い」の3つです。しかし、この3つをすべて満たせる職場というのは少ないものです。

ご自身が「何を一番重要視するのか」を考え、優先順位を付けて自分に合った会社を探しましょう。