退職を切り出す女性

会社を辞めたいと思っていても、なかなか退職を切り出せない方も多いと思います。著者も20代で3回転職をしましたが、退職を切り出す時はいろいろ考えますし、何度目でも慣れないものです。

退職が切り出せない大きな理由は2つあります。1つが、会社や上司が厳しかったり怖くてなかなか退職を切り出せないパターン。もう1つが、周りに気を遣って退職を切り出せないパターンです。

いずれにしても、本人の思い過ごしであるパターンも多いので、実際に切り出してみると案外スムーズに了承されて退職手続きに進んでいくことも多いです。こちらの記事では、これから退職を伝えるのを躊躇している方に、退職の切り出し方や対処法などを解説します。

退職を切り出せない理由

  • 上司が怖いから言い出せない
  • 新卒で入社したばかりで気まずい
  • 会社に迷惑を掛けたくないから
  • 退職理由が言いにくい
  • 引き止めが面倒くさい
  • 転職はダメな事だと思っている

まず、多くの方が退職を切り出せない理由をまとめました。おそらくほとんどの方が、どれかの理由に当てはまると思います。しかし、これらの理由はほとんどが本人の思い過ごし・考え過ぎのことが多く、実際に退職を切り出してみるとすんなり話が付くことも多いです。

退職を切り出せないからと、転職を先延ばしにして、気が付けば年齢や役職も上がっていて、さらに会社を辞めにくくなってしまってはもったいないこともありますし、後悔があるかもしれません。

ご自身の状況に当てはめて、そこまで重大な理由でないと分かれば、退職を切り出す勇気が出てくるかもしれません。

上司が怖いから言い出せない

退職を伝える際は直属の上司に一番に伝えることが一般的です。しかし、その上司が普段から厳しい人で、怖くてなかなか切り出せない人も多いことでしょう。

確かに怖い気持ちがあることは分かりますが、上司が退職を引き止めることはできても「辞めさせない」などと強要することはできません。もし、そのような強制的に退職を制限されるようであれば、パワハラを受けている可能性も考えられます。

労働基準監督署や弁護士などの然るべき期間に相談すべき状況でもあるでしょう。普段厳しい上司でも、流石にパワハラなど会社のコンプライアンスに反する言動は控えることもあるので、素直に退職を伝えればそこまで厳しくないことも多いです。

著者も1社目・2社目の上司は厳しくて、少し退職を伝えることに躊躇がありましたが、辞めたいと伝えたら「そうか…では辞めるにあたって…」と、退職手続きに進んでいきました。

新卒で入社したばかりで気まずい

新卒で入社から数ヶ月で退職しようとする方は、「すぐに辞めるのか」と思われることを懸念して切り出せない方もいることでしょう。ズバリ言うと、新卒の方がすぐに会社を辞めるのは珍しいことではありません。周りの人も大して気にはしていないでしょう。

ただし、学校や知り合いに紹介してもらって入社した場合には、すぐに退職することで、紹介してもらった人からの信用を失うこともあります。事前にお世話になった人に事情を説明しておけば、信用を損なうことなく関係を続けていけるでしょう。

また、入社したばかりで退職すると、今後の転職活動に支障をきたすおそれがあります。もう少し働き続けてみることで、仕事に慣れて辞める気持ちが薄れたり、人間関係も向上したりするようなことも多いです。

今の会社で改善の余地があるようでしたら、退職しないことも選択肢の1つです。もちろん、入社すぐにでもわかるような粗悪な労働環境や人間関係の悪化などがある場合には、無理せず辞めるべきです。

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会社に迷惑を掛けたくないから

これまで真面目に働いてきた方は、自分が退職することで会社に迷惑をかけるのでは?と心配してしまう方も多いはずです。確かに、あなたが辞めた直後は人員補充などでバタバタすることはありますが、考え過ぎてご自身を犠牲にする必要まではありません

後述するように、事前に計画を立てて引き継ぎを済ませて退職日を迎えれば、立つ鳥跡を濁さずで、会社に迷惑をかけずに辞めていくことができます。

退職理由が言いにくい

「上司が嫌いだから」「会社のやり方に納得できないから」などの理由は、なかなか正直には言えずに隠しておきたいですよね。この場合、嘘も方便と考えます。

本音ではなく、建前の退職理由を用意しておきましょう。 おすすめは「次の新しい業界に挑戦したいから」「家族の面倒を見るために労働時間に融通が効く仕事にします」などの、前向きな退職理由にすることです。

大抵であれば、「頑張れよ」と前向きに送り出してくれることが多いので、後腐れなく辞めることができやすいです。ただし、職場で仲良かった人などは、「新しい業界って次の何するの?」などと深く突っ込んでくる場合もあるので、そのケースに備えた回答も用意しておくと良いでしょう。

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引き止めが面倒くさい

社内で重要な仕事を任せられている方や、人手不足の会社に勤めている方は、退職を切り出すことで、引き止めに合うことを心配していることでしょう。

上でもお伝えしましたが、会社・上司が退職希望者を「もう少し会社に残ってくれないか」とお願いすることはできても、辞めさせないように強要することはできません。本当に辞める気持ちが固まっているのであれば、「転職の準備が進んでいますので」などと断固とした態度で断っていけば問題ありません。

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転職はダメな事だと思っている

昔に比べると「転職=マイナスなこと」と思っている方も減ってきているでしょうが、転職は良くないと考えていて、退職が切り出せない方もいらっしゃるかもしれません。

確かに転職を繰り返すことは、転職が不利になって将来的に給料が減るなどのマイナスな部分もありますが、それは無計画にその場しのぎで転職しているような場合に限ります

きちんと計画を立て、やりたい仕事や候補の転職先をきちんと調べて転職を進めていけば、今よりもやりがい・給与・労働時間などが大幅に改善されることも期待できます。

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退職の正しい切り出し方

ご自身の退職を切り出せない理由に思い当たる部分があった方も多いと思います。その理由は、大抵考え過ぎであることも多いです。こちらでは、退職の正しい切り出し方をご紹介します。

正しい方法で退職を切り出していけば、引き止めにあったり、会社に迷惑をかけたりすることも減りますので、ぜひ参考にしてみてください。

退職理由をまとめておく

退職理由を具体的に伝える必要性はありませんが、会話の流れで聞かれることは十分にあります。あらかじめ理由を準備していると、切り出せないと思う気持ちも薄れてくるのでおすすめです。

退職理由を決める時の注意点として、可能な限り前向きな理由に変換することです。 本音では会社の悪い部分が耐えきれずに辞めようとしていても、「違う業界で挑戦したい」などの前向きな退職理由であれば、そこまで深く突っ込まれることも少ないです。

「長時間労働が耐えられなくて」「給料が少なくて生活が厳しくて」などと、正直な退職理由を伝えてしまうと、「労働時間を少し減らすから残ってくれないか?」などと、引き止めを断りにくい状況を作ってしまうことも起こり得ます。

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退職1ヵ月前には直属の上司に伝える

退職の意向を会社に言うタイミングとしては、直属の上司に1ヶ月前には伝えるのが一般的です。これは、後任の補填や引き継ぎなどに要する期間を考えると、1ヶ月くらいが一般的な長さになるからです。

会社によっては「退職は2ヶ月前に伝える」などが社則で決められていたり、専門的な仕事をしている方であればもう少し期間が必要になったりしますので、余裕を持って伝えるようにしましょう。

余裕を持って退職意思を伝えることで、引き止めやトラブルに見舞われる可能性を減らせます。反対に、法律的には2週間前に退職の意思を伝えれば、契約の解除(退職)をすることが可能です。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

引用元:民法第627条 - Wikibooks

「言うのが遅かったから半年後まで辞められない」などの会社独自の言い分は基本的に通用しませんの。

仕事の引継ぎには配慮する

会社を辞める際は、ご自身の業務内容の引き継ぎを済ませて退職日を迎えるようにスケジュールを立てましょう。例えば、1ヶ月後に退職を希望する場合、2週間で引き継ぎを済ませるスケジュールを立て、残り2週間を未消化の有給休暇に使うような内容です。

後任の専任など、本人だけではできないことも多いですから、上司と相談しながら決めることになります。引き継ぎにかかる期間は業務内容などによって変わりますので、専門的技術が必要な仕事や、人手不足の会社で働いている方は、早めに退職を伝えた方が問題なく退職しやすくなります。

言うタイミングがなければメールでもOK

どうしても退職を切り出せない・一度行っても拒まれたような方は、メールで退職の意向を伝えても法的には問題ないことになっています。ただし、あくまでも法的に問題ないだけであって、マナーとしては良くありませんし、会社を円満退職しにくい状況にもなります。

まずは、ここまでお伝えした内容の通り、直属の上司に退職の意思を伝え、手続きに進んでいくことが理想です。どうしても退職できないような方は、退職の意思を示す最終手段としてお考えください。また、後述する退職代行に伝えてもらう方法も検討しましょう。

退職を切り出せない時の対処法

ここまで退職を切り出せない理由と正しい退職方法をお伝えしましたが、それでもなかなか退職を切り出せない方や、一度退職を伝えても断られたり引き止められたりした方は、次の方法も検討してみてください。

転職先が見つかるか不安な方はエージェントに相談する

会社に退職を伝えることの抵抗はなくても、自分の転職先が決まっていなければ、退職をなかなか切り出せないことには変わりません。退職を会社に伝える前に転職エージェントに登録してみて、現在の転職市場の状況やあなたの適正などをアドバイスしてもらいましょう。

現在の状況や求人数などに応じて、どの程度仕事が見つかるかもおおよそ伝えてくれますので、今すぐ退職を伝えるべきか、ある程度転職先が絞られてから退職を伝えるか、の参考にしてみてください。

【関連】転職エージェントは相談だけの利用もOK!どこまで本音で話す?

怖くて言い出せない方は退職代行を利用する

どうしても会社や上司に退職を伝えることが怖くて切り出せない方は、退職代行に依頼することもひとつの手です。退職代行では、本人に代わって業者の方や弁護士が退職の意向を伝え、会社を辞めるまでの話をつけてくれます。

ただし、ここでの「怖くて」は、切り出すのが怖い程度ではなく、普段からパワハラのような行為を受けている場合や「辞めるなら今までの損害賠償を請求する」などと言われているような状況だと思っておきましょう。

退職代行に依頼するだけでも3万円前後の費用がかかってしまいますので、退職を切り出すだけで3万円は正直高いです。

【関連】退職代行とは|退職代行サービスの流れやメリットデメリット

まとめ

退職を切り出せないと思っていても、「引き止められるかも」「迷惑をかけるかも」と考え過ぎだけのことも多いです。きちんと期間の余裕を持って退職を伝え、後任に問題なく業務をしてもらえるために引き継ぎを済ませて退職していけば、問題なく退職できることがほとんどです。

それでも切り出すことが難しいような、普段からパワハラや嫌がらせを受けている方・一度退職の意思を伝えても拒否されてしまった方などは、退職代行にお願いして代わりに伝えてもらえる方法もあります。

退職を切り出せずに今の会社で年齢を重ねていけば、それこそ転職することが難しい状況人も陥っていきます。人生で一番若い今のうちが転職も最も成功させやすいチャンスだと思えば、退職を切り出す勇気も出てくることでしょう。