新卒の女性

新卒で働き始めた方でも、入社後すぐに会社を辞めたいと思う方も多いはずです。

これまでの学生生活との違いにギャップを感じてしまったり、会社内での人間関係やルールなどに馴染めなかったりしている方も多いでしょう。

では、新卒の方がすぐに仕事を辞めたいと思うことは甘えなのでしょうか?こちらの記事では、新卒1年目の離職率や、新卒の離職率が高い・低い業界、新卒ですぐに辞める人の理由などをご紹介します。

本当に辞めた方が良いのか、辞めずにもう少し頑張った方が良いのか、を判断する参考にしてみてください。

新卒が就職後1年未満で辞める割合は10~20%

厚生労働省によると、新卒1年目の離職率は以下のようになっているとの公表がありました。

最終学歴 1年目離職率
中学卒 35.8%
高校卒 16.9%
短大卒 17.9%
大学卒 11.6%

参考:新規学卒就職者の離職状況を公表します|厚生労働省

最終学歴によって離職率は変わりますが、おおよそ10〜20%の新卒社員が1年目に退職していることが分かります。

新卒の離職率が高い業界3選

また、特に新卒の離職率が高い業界というものも存在します。新卒の離職率が高い業界としては、長時間労働や低賃金が多いことが特徴として挙げられます。

また、無理に働き続けても体力や精神をすり減らすだけで自身の成長に繋がらないこともあり得るでしょう。

その業界の全ての会社が悪いとは言えませんが、離職率が高いなりの理由もありますので、該当する会社にお勤めの方は、新卒でも転職することは選択肢に入れておくべきだと言えます。

宿泊業、飲食サービス業

新卒3年以内の離職率:約60〜65%

新卒3年以内の離職率が最も高かった業界が「宿泊・飲食サービス業」でした。離職率が高い理由として考えられるのが、まず労働環境が悪い会社が多いことが挙げられます。

娯楽に対するサービス業なので、基本的に他の人たちが休んでいる日に忙しくなります。結果的に労働時間は長くなり、休日も少ない会社が多くなりがちです。さらに給料も低い会社が多く「頑張ってる割に給料が合っていない」と感じる人も多いのでしょう。

また、新卒の方はこれまでお客さん側の目線で宿泊・飲食サービスを見ていました。しかし、実際に働いてみるととても大変で、お客さんからのクレームなど嫌な部分も見えるようになってきて、嫌気が差してしまう人も出てくるでしょう。

生活関連サービス業、娯楽業

新卒3年以内の離職率:約55〜60%

上記の宿泊・飲食サービス業と同じように、生活関連サービス業や娯楽業も離職率が非常に高い結果が出ていました。新卒の半分以上の方が3年以内に離職していることが分かります。

上記と同様に労働環境の悪さと利用者から見る目線と従業員の目線のギャップによって辞めたいと思う人も多いからだと考えられます。

教育、学習支援業

新卒3年以内の離職率:約50〜55%

学校の教師や塾、英会話スクール、通信教育の講師など、教育関連も非常に離職率が高い結果になっています。教育関連の離職率が高い原因として一番に挙げられることが、激務であることが多いからです。

学生時代に先生として見えていた部分は、授業をする時くらいで、後は何をしているかよく分かっていなかった方も少なくありません。しかし裏で先生たちは資料作成や保護者対応、さらには部活動など、やることは非常に多くあります。

業界全体で長時間労働を改善できずにいる状況からなかなか抜け出せず、結果的に憧れで教育業界に入った人でも、大変すぎてすぐに辞めてしまう人も多いのです。

新卒の離職率が低い業界

反対に電気・ガス・熱供給・水道業などのインフラ業界は新卒の離職率も低い傾向にあります。新卒3年以内の離職率は10%少々と、先ほどの離職率が高い業界に比べて大きな差があります。

インフラ業界の離職率が低い理由は、インフラは生活に必要不可欠になるため、景気に左右されることなく給料や仕事が安定していることが挙げられます。

会社の業績も安定しているので、社員への待遇もよく、教育・研修制度や福利厚生なども長い間しっかりしている会社が多いです。会社全体で新卒に対するサポート体制が取れているので、新卒の離職率が低いのだと考えられます。

新卒がすぐに仕事を辞めたいと思う理由

実際に辞めるまでは行かなくても、辞めたいと思う新卒の方は多いはずです。せっかく就職活動を経て採用された一社目なのに、どのような理由から辞めたいと思うようになるでしょうか?

仕事ができない

新卒の方では仕事に付いていくのが大変で、プレッシャーを感じたり自分を卑下したりして辞めたいと考える人も出てきてしまいます。

多くの会社では研修制度がしっかりしていて、現場で働くまでにある程度の準備や社内コミュニケーションが取れたりしますが、研修がなくいきなり現場作業が開始される会社もあります。

いきなり仕事を完璧にできる人はいませんし、仕事の成長速度も人それぞれですが、新卒でも容赦なく仕事ができない人に対して厳しい態度を取られてしまうこともあります。

社会経験をしている人であれば、「ここさえできれば乗り越えられる」と過去の経験を元に頑張れることもあるかもしれませんが、新卒社員がいきなり上司から厳しい言葉をかけられてしまった場合には、辞めることを決意する人も出てきてしまうでしょう。

毎日の仕事が辛い

学生時代にアルバイトはしたことはあっても、1日8時間×5日のフルタイムの仕事の経験がない方も多いでしょう。会社によっては残業があったり、休日出勤があったりしてそれ以上働くことも多いです。

学生時代の生活とギャップを感じてしまい、仕事を辞めたいと思ってしまう人も出てきてしまうでしょう。しかし、毎日働くということは、たとえ会社を変えたとしても同じことが続きます。

ここで安易に退職しても、結局次の会社でも働かなくてはならないでしょうから、仕事とプライベートを上手く切り替えられる方法を模索していってください。

上司が嫌い

上司との相性には当たり外れがあることも事実です。年齢が離れていることがあれば、仕事以外の話が合わずにうまくコミュニケーションが取れないことも出てくるでしょう。

何度か社会経験を積んでいる人であれば、ある程度対応の仕方や回避方法を知っているかもしれません。しかし、新卒であれば、対処法も分からずにストレスだけを抱えてしまいがちです。

結果的に仕事や会社まで嫌いになって、辞めたいと強く思ってしまうことも多いでしょう。解決方法としては、徐々に社内で相談できる人を増やしていくことです。

まずは同期から相談していき、次に年の近い先輩社員と仲を深めていけば、社内での味方も増えますし、嫌な上司に対するアドバイスも貰えるかもしれません。

労働環境が悪い

会社そのものの労働環境が悪い会社に入社してしまうこともあり得ます。「離職率が高い業界」でもご紹介したように、長時間労働や低賃金が多い業界も存在します。

このような会社に入ってしまった場合は、新卒だからと遠慮せずに転職を検討しても良いでしょう。次のような場合には、労働環境が悪い会社と考えられる可能性が高いです。

  • 残業代が支払われていない
  • 毎月40時間以上の残業がある
  • 月の休みが5日以下
  • 同級生に比べて著しく給料が低い
  • 離職者が多い

新卒で仕事を辞めたい人のよくある質問

最後に、新卒で仕事を辞めたいと考えており、実際に転職するかどうかまで悩んでいる方によくある質問にお答えしたいと思います。

入社後半年で辞めたら転職で不利になる?

新卒で3年以内に退職した人は「第二新卒」と呼ばれ、転職市場ではかなり需要があります。第二新卒が人気の理由としては、次のような理由があるからです。

  • 若くて将来性がある
  • 素直に会社の理念や働き方も受け入れてくれる
  • 社会経験はあるので最低限の社会人マナーはある

ただし、半年だと「社会経験が不十分」「うちの会社でもすぐに辞められるかも」とネガティブに捉えられる可能性が高いです。「労働環境が悪すぎた」などの相当な理由や、転職先に相当強い志望動機がないと転職でも少し苦労することが出てくるかもしれません。

第二新卒として価値が上がってき始めるのは、入社後1年〜3年くらいの社員ですので、可能であれば1年間は頑張ってみることも考えてみてください。

辞めたいと言えない時はどうしたらいい?

新卒で辞めたいと思っても、「新卒だから言いにくい」「辞め方がよく分からない」と考えて言い出せないこともあるでしょう。確かに引き止められる可能性は高いとしても、新卒だからと会社側が退職を阻止することはできません

まず、会社を辞める主な手順としては、直属の上司に退職の意思を伝えてから退職手続きに移っていきます。伝えるタイミングですが、一般的には退職日の1ヶ月前に伝えることが多いのですが、会社によって退職の規則が決められていますので、規則に従って退職を伝えることが無難でしょう。

どうしても退職を伝えることができないようであれば、『退職代行』というサービスを使うことも可能です。1回5万円前後の費用がかかってしまいますが、代行業者が本人の代わりに退職の旨を伝えてくれます。退職方法について詳しくは次の記事も参考にしてみてください。

向いてないと思う仕事はすぐ辞めた方がいい?

新卒で働いてみて「この仕事に向いていない」と感じていても、入社後1年だけであなたに向いているかどうか判断できないことも多いです。

1年働いても一向に慣れなかったり、同期との差を感じたりしてから辞めても遅くはないでしょう。1年も働けば、仕事は向いていなくても社会人マナーなどの最低限の経験は積めているはずです。

また、「向いていないから」とすぐに辞めるのではなく、少なくとも「向いている仕事はなんなのか?」をある程度狙いを定めた上で退職することをおすすめします。

まとめ

学生と社会人は、仕事をする時間や会社内での人間関係も一気に変わるので、慣れずに辞めたいと思う人はたくさんいる自然なことです。

ここで安易に辞めてしまうと、転職先でも同じような悩みが出てしまって、再び転職を繰り返すような転職癖が付いてしまったり、せっかく新卒で正社員になれたのにフリーターとして20代を過ごすようなことにもなったりしてしまいます。

1年〜2年と頑張って働いてみれば、乗り越えられて仕事の楽しさややりがいを発見できることも多いですから、前向きに仕事と向き合ってみてはいかがでしょうか? その一方で、どうしても転職をした方が良いような粗悪な労働環境の会社もあります。

新卒社員は、その辺りの良し悪しも判断しにくいでしょう。毎月数十時間の残業があったり、残業をしても残業代が出ないような会社、パワハラ等が横行していたりする会社などは黄色信号です。

学生時代の友人も同じような悩みを持っていることが多いです。積極的に相談しながら、いろいろな働き方の情報を仕入れつつ新社会人1年目を頑張ってみましょう。