中途採用の転職では、まずは履歴書や職務経歴書などを提出し、書類選考が通れば面接に進みます。
しかし、なかなか書類選考が通らないという方もおられます。
本記事では、主に20代で転職を考えている方に向けて、書類選考が通らない理由や対処法についてお伝えしていきます。
20代の転職で書類選考の通過率はどれくらいか
まずは、20代の書類選考での通過率がどれくらいかを知っておきましょう。いくつかの転職メディアを見てみたところ、書類選考の通過率は3〜6割程度になっていることが多いと分かりました。
もちろん、企業や求人内容によって書類選考の通過率も変わりますし、書類選考が通りにくいタイミングもあるでしょう。
しかし、学歴や経歴が企業の求める人材と一致していたり、履歴書で的確にアピールすることができれば通過率も高めることができます。
次の項目では、どのようなケースで書類選考が通りにくいのかをご紹介します。
転職で書類選考が通らない20代の特徴
応募書類に記載する内容は限られており、そこから企業が読み取れる情報には次のものがあります。
- 経歴
- 退職理由・転職回数
- スキル・資格
- 学歴
- 年齢
- 書類作成の書き方・マナー
- 志望動機・自己PR など
書類選考が通らなかった20代の方は、どのような理由で書類選考で弾かれてしまうのでしょうか。
こちらでは、書類選考に通らない20代の特徴を挙げていきます。
履歴書や職務経歴書の内容が不十分
まず、根本的な部分として、履歴書や職務経歴書の内容に誤りがある場合、書類選考が通らない理由のひとつになります。
主な履歴書の記入ミスとして、次のような内容が挙げられます。
- 誤字脱字
- 空欄の項目がある
- 他社の応募書類の使い回し
- ボールペンではなく鉛筆で記入している
- 修正ペン等での修正
「ちょっとぐらいいいのに」と思ってしまう人もいるでしょうが、業務においてはちょっとのミスが会社に損失を与えてしまうこともあり得ます。
履歴書に間違いが多ければ、「確認が甘い人」という印象を与えてしまい、書類選考が通らない結果にもなってしまいます。
応募があまり来ていない会社であれば、多少は見逃してくれるでしょうが、応募が多い人気の会社であれば、ちょっとしたミスで選考が通らない理由になってしまうかもしれません。
また、明確な間違いではなくても、次のような理由で書類選考が通らないケースもあります。
- 読みにくい・志望動機等が無駄に長い
→相手に対して配慮ができない人と判断される可能性がある - 志望動機やアピール内容に根拠がない
→ロジカルに物事を考えることが苦手な人だと判断される可能性がある - 写真の印象が良くない(表情が暗い・身なりが整っていないなど)
→社内の風紀を乱すかもしれないと判断される可能性がある
その人がどのような人物かを判断する機会は面接の場面だけとは限りません。
履歴書の書き方1つでも、どういった人物かを予想することもできるため、細かい部分も気にして履歴書や職務経歴書を作成しましょう。
経歴やスキルが不足している
20代は未経験者でも人柄さえ良ければ採用されやすい傾向にあります。
しかし、専門性が高い仕事や条件が良い求人などでは、どうしても仕事をしっかり任せられる経歴や技術、知識がある人物に絞られてきます。
募集要項で資格や職歴が限定されていなかったとしても、書類選考の時点でスキル不足だと判断されてしまえば、落とされる要因のひとつになってしまうでしょう。
どうしてもその会社に入社したいのであれば、その会社が求めている職歴や資格を取得した後に再度挑戦してみた方が良いかもしれません。
経歴やスキルで弾かれやすい求人の特徴として、次のようなものが挙げられます。
- 大企業や人気の職種
- 条件が良く応募が多い求人
- 専門性が高い職種
応募先企業の求める条件に合致していない
そもそも、求人に記載されている募集要項を満たしていなければ、当然書類選考は通らないでしょう。
例えば、「○○の経験が3年以上」「○○の資格を保有している」などの明確な条件がある場合、それを満たしていなければ書類選考は通りません。
特に求人の内容をよく見ずに、手当たり次第応募している人にありがちなパターンです。
また、条件は満たしているけど、履歴書や職務経歴書に書いてある内容が不十分で、応募先の企業に伝わっていない可能性も考えられます。
求人の内容から「企業が求めている人材」をよく理解し、それに合わせたアピールをすることが大切です。
20代の転職では企業に何を求められるのか
転職活動を成功させるためには、企業がどのような人物を求めているかを知り、自分にどれほど適性があるのかを明確にアピールすることが重要です。
転職市場において、20代にはどのようなことが求められているのかをご紹介します。
20代前半
20代前半の転職は新卒とそこまで年齢差もなく、「第二新卒」と呼ばれることも多いです。
若さや素直さ、将来性などに期待をしている企業が多く、スキルや職歴はそこまで気にしていないことも多いです。
最低限のビジネスマナーが身に付いていれば採用してくれる可能性も十分にあり得るでしょう。
ただ、数年で前職を退職しているので、企業としては退職理由が非常に気になります。
退職理由がはっきりしていないと、「うちの会社もすぐに辞められるかも」と敬遠されてしまいます。
職務経歴書や履歴書の志望動機に関連させて、前職を退職した理由も伝えておくと企業の不安要素を1つ取り除けるかもしれません。
前職の悪いところを挙げるような退職理由だとネガティブな印象を与えますので、基本的には前向きな転職理由にすることを心がけてください。
例えば、スキルアップをしたかった・やりたい仕事が見つかった(志望動機と絡めながら)などです。
【関連】第二新卒の転職理由ランキング
20代後半
20代後半になってくるとスキルや経験も求められるようになってきます。
これまで具体的にどのような業務を行い、その経験を転職先でどう活かせるかまで書類に記載することで、書類選考が通りやすくなります。
また、20代後半はまだまだ若くポテンシャルに期待する企業も多いので、経歴に自信がなくても人柄や意欲をアピールすることで採用に繋がることもあります。
重要なことは、企業がどのような人材を求めているのかを把握することです。
即戦力を求めている企業に対して若さや人柄だけをアピールしてもお互いの思惑は一致しません。
求人内容や企業のサイトからどのような人材を求めているかを把握し、そこに対して的確に自分をアピールすることで書類選考も通りやすくなります。
20代の転職で書類選考の通過率を上げるには
書類選考での通過率を上げるためには、それぞれの企業に適した書類を作成することです。
こちらでは、20代が転職で書類選考の通過率を上げるために気をつけておくべきポイントをご紹介します。
書類に不備がないか見直す
何度か触れましたが、応募書類のちょっとしたミスで書類選考が通らない理由になり得るとお伝えしました。
少しでも書類選考の通過率を上げたいのであれば、最低でも1回は提出前に確認を行いましょう。
履歴書や職務経歴書によくあるミスとして次の内容が挙げられます。
- 誤字脱字
- 空欄の項目があるままの提出
- 他社の応募書類の使い回し
- ボールペンではなく鉛筆で記入している
- 修正ペン等での修正
また、次の内容に該当すれば、採用担当者に対してマイナス印象を与えてしまう可能性が出てくるため、可能な限り変更を加えることをおすすめします。
また、友人や転職エージェントなどの第三者に見てもらうことも効果的です。
- 読みにくい・志望動機等が無駄に長い
- 志望動機やアピール内容に根拠がない
- 写真の印象が良くない
会社ごとに応募書類を書き分ける
企業が求める人物像はそれぞれ違いますし、それに応じて求職者もアピールポイントを変更すべきです。
複数社への応募となると、ついつい同じ内容の応募書類を使い回しがちです。その結果、なかなか書類選考が通らず、余計に労力がかかってしまう可能性もあります。
すべての応募先で使い分けなくても良いと思いますが、特に入社したい企業などは、しっかりと企業分析をしたうえで応募書類を作成することをおすすめします。
即戦力を求めている会社であれば「実績やスキル」、やる気や人柄を重視する会社であれば「志望動機」を強めにアピールするなどの使い分けができます。
実績や自己PRの書き方を工夫する
実績や自己PRは、書き方次第で相手からの興味関心も大きく違ってきます。
採用担当者が気になる実績の書き方ができれば、少なくとも書類選考が全く通らないということは避けられるでしょう。
応募書類の書き方で工夫できる内容には次のものがあります。
より具体的に書く
アピールできる部分は、できる限り具体的に記載するようにしましょう。
修正前 | 前職でExcelを使っており、基本的な作業はできます。 |
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修正後 | 前職でExcelを使っており、VLOOKUPやピポットテーブルを使った基本的な作業は一通りできます。 |
数値化できる部分は数値化する
数値化できる部分は数値化して伝えることで、相手によりイメージしてもらえるようになります。
修正前 | 私が担当した店舗は前年より売上を上げることができました。 |
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修正後 | 私が担当した店舗は前年対比140%の売上を出すことができました。 |
雑務・庶務の説明は簡潔にする
反対にそこまでアピールに繋がらない庶務は、履歴書や職務経歴書に長々と記入する必要はありません。
メインの業務とは別で携わった経験がある業務として、箇条書き程度で記すくらいで問題ないでしょう。庶務としては、次のような内容が挙げられます。
- 書類整理
- 電話対応
- 備品の補充
- データ入力
- 清掃 など
チームでの達成や自分の貢献も記載する
自己PRといえば、自分だけの実績だと思っている方も少なくないでしょうが、チームで成し遂げた結果も十分自己PRにすることができます。
チームでの実績をアピールする場合には、チームの成果に対して自分がどのように貢献したかまで説明するようにしましょう。
第三者に書類を添削してもらう
履歴書や職務経歴書を自分で確認しても、おかしな部分に気づけないことも多いです。
第三者に書類を添削してもらうことができれば、より内容の濃い書類を作り上げることができます。
添削してもらう人物としては、気軽に相談しやすい友人が挙げられますが、その友人が転職事情に詳しいとは限りません。
一番のおすすめは転職のプロである転職エージェントからの添削です。転職エージェントの利用をおすすめする理由については、次の項目でご紹介します。
書類選考が通らない20代は転職エージェントの活用がおすすめ
繰り返しになりますが、書類選考で苦戦している方は、ぜひ転職エージェントを使ってみてください。
転職エージェントは、転職に関するアドバイスから書類・面接対策、求人の紹介などを行なってくれます。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントを利用することで、書類作成や面接のアドバイスを受けられるようになります。
書類の添削も行ってくれるので、魅力的でミスのない書類を作成できるようになります。
また、転職活動のアドバイスだけではなく、求人の紹介も行なっており、あなたに合った企業も紹介してくれます。
自分に合った企業に応募することができれば、書類選考の通過率や採用率も高めることができるでしょう。
さらに、転職エージェントは無料で利用できるので、使って損はないでしょう。
書類選考が通らない20代向けの転職エージェント
こちらでは、書類選考が通らない20代の方におすすめする転職エージェントをご紹介します。
上でも触れたように、履歴書等の添削も行なってくれますので、実際に登録してみて書類の添削や求人紹介などに役立ててください。
転職エージェント | 特徴 |
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リクルートエージェント | ・選択肢が豊富で自分にマッチした企業を選びやすい ・転職エージェント業界でトップクラスの求人数 ・未経験歓迎求人も多い |
doda | ・ITエンジニアのほか営業職に就きたい方におすすめ ・ITやWeb業界などエンジニア向けの求人が豊富 ・社会人経験の少ない20代に適した転職活動用のサービスが豊富 |
マイナビエージェント | ・書類添削や面接対策を実施したい方におすすめ ・転職未経験の方へのサポート ・転職後の年収UP率が高い |
ハタラクティブ | ・スキルや経験がない方に特化した転職支援サービス ・20代既卒やフリーターに有利な求人情報が豊富 |
キャリアスタート | ・20代既卒・第二新卒に有利な求人情報が豊富 ・1,000件ほどの未経験向け求人が閲覧できるので希望とマッチしやすい ・マーケティングサイト「JRM」の「20代がおすすめする転職支援会社2018」に選ばれた実績も |
JAIC(ジェイック) | ・豊富な研修により社会人経験の少ない方でも転職しやすい ・厳しい審査基準をクリアした企業のみを閲覧可能 ・営業職に就きたい方にもおすすめ |
まとめ
20代で書類選考がなかなか通らない方は多くいます。本人の経歴・スキル不足の場合もありますが、タイミングや企業の考え方によっては優秀な方でも書類選考に通らないこともあります。
しかし、書類選考に通らないからといって、悲観することはありません。気持ちを切り替えて次に活かしていくことが大事です。
書類選考に通りやすい書類を作成するためには、次の内容に気をつけてみてください。
書類作成で気を付けるポイント
- ミスが無いように確認をしっかり行う
- 会社に応じた自己PRや志望動機を使い分ける
- 実績や自己PRはより具体的に伝わりやすいように書く
- 第三者にも添削してもらうと良い
おすすめは転職エージェントから書類の添削をしてもらって、アドバイスを受けることです。書類選考で苦戦している方は、ぜひ転職エージェントにも登録して、具体的なアドバイスを徐々に取り入れてみてください。