メリットデメリット

「転職エージェントを利用するのにデメリットはある?利用しない方がいい?」

転職エージェントについて、このような疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか?結論から申し上げると、転職エージェントを利用するデメリットは確かに存在します

しかし、それを十分上回るメリットも多くあるため、メリットとデメリットの双方を正しく理解した上で利用するかを判断することが大切です。そこでこの記事では、転職エージェントを利用するデメリットとメリットを解説します。

この記事の監修者(監修日:2022年12月2日)
キャリアコンサルタント 小松茂樹小松茂樹 所属:株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング
保有資格:中小企業診断士、キャリアコンサルタント

転職エージェントを利用する「メリット」6選

転職エージェントを利用することには、デメリットを上回るだけのメリットが多く存在します。うまく活用することができれば、メリットの大きさがデメリットを感じさせないほどになります。

転職をするのであれば、デメリットを理解した上で、それでも転職エージェントを利用した方が良いでしょう。そんな転職エージェントを利用するメリットは、以下の6つです。

  • 年収などの条件交渉をしてくれる
  • 履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる
  • 企業の内情などに詳しい
  • キャリアプランを一緒に考えてくれる
  • 非公開の求人も扱っている
  • 面接の日程調整を代わりにしてくれる

それでは、順番に解説します。

年収などの条件交渉をしてくれる

転職というと、内定を取れば転職活動が終わるといったイメージがあります。しかし、転職エージェントを利用すれば内定後のサポートも丁寧に行ってくれます。

例えば、年収や入社日について明確な取り決めがないままに内定が決まった場合や、条件交渉が内定受託後に設けられるといったケースがあります。

自力のみで転職する場合には、こうした交渉事もすべて自分で行わなければなりませんが、転職エージェントを利用している場合、エージェントの担当者が自分の代わりに企業との交渉を行なってくれます

交渉には高度な駆け引きが必要な場合があるため、こうしたやりとりに慣れているエージェントに一任した方が望む成果を得やすい上、手間や労力を省くことができます。

事前に希望する年収や入社日を伝えておけば、自分で交渉を進めるよりも、希望通りの条件で転職ができる可能性が高くなると言えるでしょう。

履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる

転職エージェントに登録すれば、履歴書や職務経歴書の添削を行ってもらえます。特に転職活動が初めてな人は、書き方がわからないといった悩みを持つ人も多いでしょう。

転職エージェントでは、転職に関する高いノウハウや豊富な経験を持ったプロのキャリアコンサルタントが、履歴書や職務経歴書の書き方を教えてくれます。

上手に書くと書類選考も通りやすくなり、転職が成功する可能性が高くなります。 

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企業の内情に詳しい

転職エージェントは、企業から求人を受けるにあたって、企業側の人事担当者と何度も打ち合わせを重ねています。そのため、求人内容に加えて、企業の風土や文化、特徴といった内情も見聞きしており、自力で転職活動をする場合に比べてより多くの情報を持っています。

その会社では、どんな人材が求められているのか、どんなスキルが必要なのかなど求人票に書かれている以上の詳細な情報を把握しているため、それらをもとに内定の受託に向けた具体的なアドバイスをもらえます。

転職エージェント側も成約を望んでいるため、転職の実現性が高い応募者に求人を提示しようとします。そのため、提示された求人は見込みが決して薄くはないと捉えることもできます。

希望する会社に合った対策ができるため、効率よく転職活動が進められます。また、企業の雰囲気や働き方なども事前に把握できるため、自分に合った会社なのか判断しやすいでしょう。

キャリアプランを一緒に考えてくれる

転職活動を自分で進める場合、自分の強みや弱み、適正などを理解して転職先を選んだつもりでも第三者から見ると必ずしも適切ではないことがあります。人は誰しも、自分自身には見えていないこと、自覚できていないことがあります。

自分だけで自己分析を進めようとすると、主観的で視野の狭い自己理解に陥ってしまう場合があります。転職エージェントを利用すれば、客観的な視点で分析してもらえるため、自分の強みや適性をより正しく理解できるでしょう。

自分の適性が理解できれば、今後のキャリアに対して様々な可能性を広げられます。自分だけでは思いつかなかった業種や職種に次の道を見出せる場合もあります。これからのキャリアについて悩みがある人は転職エージェントに相談することをおすすめします。

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非公開の求人も扱っている

転職エージェントは、非公開の求人も取り扱っています。非公開求人とは、転職サイトや求人サイトなどで公開されない求人のことです。

一般公開すると、応募が殺到してしまう人気企業や、優秀な人材しか取りたくない企業など、非公開の理由はさまざまあります。

共通して言えるのが、非公開にしている求人は優良な企業が多いことです。転職エージェントに登録しておけば、非公開求人として取り扱われている良い企業に巡り会える可能性が高まります。

今よりも良い企業に転職したいという強い思いがある人は、転職エージェントには登録しておくべきでしょう。

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面接の日程調整を代わりにしてくれる

転職エージェントでは、キャリアコンサルタントを通して求人へ応募する流れになります。つまり、自分で企業と直接やりとりする必要がありません。

面接の日程調整を自分で行うことがないため、手間と労力が省けます。会社に勤めながら転職活動を行っている人は、平日の日中に企業側と連絡を取り交わすのが困難である場合が多いです。

夜間や休日などに転職エージェントに希望条件を提示しておくことで、日中のやりとりを代行してもらえるのは嬉しいポイントです。仕事を続けながら転職活動を行いたい方には、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントを利用する「デメリット」4選

転職エージェントを利用する前に、以下4つのデメリットを把握しておくと、スムーズに転職活動ができるでしょう。

  • 希望する求人がない場合がある
  • エージェントとのやり取りが煩雑
  • 求人への応募を急かされることも
  • 担当者の態度が悪いこともある

それでは、順番に解説します。

希望する求人がない場合がある

転職エージェントに登録したからといって、自分が希望する求人がない場合も十分ありえます。特に地方の転職先を希望するのであれば、東京や大阪などの都心部と比較して求人数も少ないです。求人数が少なければ、自分が希望する求人が見当たらず、なかなか転職活動をスムーズに進められません。

ただし、求人数が多い大手総合型転職エージェントに登録すれば保有する求人数が多いため、自分に合う求人を見つけやすくなります。もし自分の希望にあう求人を見つけたい場合は、大手の転職エージェントに登録する必要があるでしょう。

ただし、業界や職種に特化したエージェントもあり、高度な仕事の求人ほどそうした専門型エージェントに集まるケースもあります。自分の特異なスキルや経験をもとにした転職を行う場合には、大手と併せて専門型エージェントにも登録しておくと良いでしょう。

エージェントとのやり取りが煩雑

転職エージェントを利用すると、キャリアコンサルタントと希望職務や条件などについて話し合う面談の場が設けられます。転職活動が長引くと、複数回にわたって面談を行うケースもあります。

特に会社に勤めながら転職活動を行う場合、仕事をしながら、合間の時間や夜間、休日に転職エージェントとのやりとりを交わすことになるため、時間的、精神的に負荷が大きくかかります。

このように、現在の仕事と転職活動を両立すると時間のやりくりに苦労するようになるため、デメリットに感じやすいでしょう。

【関連】転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないこと

求人への応募を急かされることも

転職エージェントによっては、求人への応募を急かしてくることも考えられます。そのような転職エージェントは、クライエントの事情や意向よりも、自社や自分の利益を優先して動いている可能性が高いと言えます。

転職エージェントも営利企業であり、事業の継続のためにも、一定の期間内に一定数の転職を実現しなければならない事情があります。転職エージェントは、転職希望者を企業へ入社させることで、その企業から就職者の年収額の一定割合を仲介手数料として受け取るというしくみで収益を得ています。

クライエントの人生を考えて親身になって転職活動を支援するコンサルタントが多いですが、中には、自分に与えられているノルマを達成するために、クライエントの希望や意向に沿わない求人を紹介してくるキャリアコンサルタントもいます。

もし、そのような転職エージェントに当たった場合は、他社のエージェントに切り替えるのをおすすめします。

担当者の態度が悪いこともある

転職エージェントのキャリアコンサルタントには様々な人がいるため、もしかすると質の悪い担当者に当たるかもしれません。

仮に質の悪い担当者に当たってしまうと、以下のようなことが考えられます。

  • 希望条件とは異なる求人を紹介される
  • レスポンスが遅い
  • 態度が悪くやり取りがストレスになる

このような場合、思うように転職活動を進められずに、なかなか良い求人に巡り会えなかったり、内定への道のりが遠のいたりしてしまいます。

ただし、担当者の態度が悪い場合は、担当者の変更を申し出ることができます。転職活動を成功させる上では、担当者との相性は大切なため、遠慮なく変更を申し出ましょう。

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転職エージェントを利用した方が良い人とは

転職活動を本格的に行う人は、自分が本当に転職エージェントを利用するべきか迷っている人もいるでしょう。転職エージェントを利用した方がいい人は、以下の4つに該当する人です。

  • はじめて転職活動を行う人
  • 今よりも条件の良い会社に入りたい人
  • 会社に勤めながら転職活動を進める人
  • キャリアプランが明確になっていない人

転職エージェントは悪く言われることもありますが、多くの人の転職をサポートするプロであることには間違いありません。求職者側は利用にお金も掛からないので、まずは話だけ聞いてみても良いでしょう。

また、自分で求人を探す手間と労力を省けますし、面接日程などの細かな作業も行ってくれるため、効率よくスムーズな転職活動が実現できます。

客観的な視点であなたの適正や強みなどを分析してくれるため、どんな会社や仕事が向いているのか悩んでいる方は転職エージェントの利用をおすすめします。

まとめ

本記事では、転職エージェントを利用するデメリットとメリットを解説しました。デメリットもいくつかありますが、それ以上に多くのメリットを得られるのが転職エージェントの魅力です。スムーズな転職活動を行いたい人は、転職エージェントに登録し、転職活動に励みましょう。