配偶者が浮気していると分かった時、怒りの感情や「事実をはっきりさせたい」などの思いから、浮気相手を追い詰めたいと思った方も少なくないはずです。
しかし、浮気相手を追い詰めることは、やり方によっては違法行為に該当し、あなたが犯罪に手を染めてしまう可能性もあります。
こちらの記事では、浮気相手を追い詰める際の方法とやってはいけないNG行為をご紹介します。ご自身の中でも、どこまでやっていいのかを分かった上で、効果的な方法で追い詰めるようにしましょう。
浮気相手を追い詰めるには
合法的に浮気相手を追い詰める方法は限られており、主に次の3つの方法を取ります。
- 浮気の証拠を確保する
- 浮気相手に慰謝料請求をする
- 誓約書作成や謝罪要求をする
それぞれの追い詰める方法や追い詰める意味、目的などを解説します。
浮気の証拠を確保する
浮気相手を追い詰める前には、必ず浮気の証拠を確保しておきましょう。浮気の証拠がないと、浮気相手を追い詰めても言い逃れされてしまう可能性があります。
浮気の証拠として有効なものは、次のような内容が挙げられます。
- 【前提】肉体関係があったと分かるもの
- メールやLINEのやり取り
- 性行為前後の写真や動画
- ラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者が浮気を自白した音声
浮気として追い詰める場合には、配偶者と浮気相手に肉体関係があったことが前提です(関連:既婚者の浮気はどこから?)。
肉体関係がなければ「不貞行為」にはならず、後述する慰謝料請求は認められなくなります。また、相手も「親しくしていただけ」「仕事上の付き合い」などと言い逃れられてしまいます。
ただ、実際にこれらの証拠を個人の力だけで確保することは非常に難易度が高いです。必要に応じて探偵に浮気調査を依頼して、証拠を確保してもらうことも検討しましょう。
浮気相手に慰謝料を請求する
浮気の証拠が確保できている場合には、浮気相手に慰謝料請求することも可能です。浮気相手を合法的に追い詰めるには、この方法しかないと言っても過言ではありません。
慰謝料の金額は、様々な要素によって決まりますので、一概には言えませんが「50〜300万円程度」になることが多いです。
≪慰謝料額を決める要素≫
- 浮気が原因の離婚の有無
- 婚姻期間
- 浮気される前の夫婦関係
- 子供の有無や影響
- 浮気の期間や頻度
- 請求相手の収入や資産
- 浮気相手の謝罪や反省の有無
一度状況を整理して弁護士に伝えることで、おおよその慰謝料額を教えてくれるケースがあります。弁護士の無料相談も有効活用してみてください。
また、浮気相手に慰謝料請求をするには、主に次の方法があります。
≪慰謝料請求の方法≫
- 直接相手に請求する
- 調停によって請求する(第三者を交えた話し合い)
- 裁判によって請求する
一般的に①の方法から始めて、相手が応じなければ②、③の方法を取っていく形です。慰謝料請求について詳しくは次の記事を参考にしてください。
誓約書や謝罪を要求する
追い詰めるとまでは行かなくても、今後一切配偶者に合わせたくないような場合には、誓約書を書いてもらったり、浮気を認めさせ謝罪を要求することも検討しましょう。
誓約書や謝罪文には次のような内容を記載します。
- 今回の浮気を認める内容と謝罪
- 2度と浮気をしない・合わないなどの約束
- 約束を破った場合のペナルティ(高額な慰謝料請求など)
- 署名・押印
このような書類があることで、万が一次に浮気をされた場合の証拠にすることができます。さらには誓約書の内容に基づいた金額での慰謝料請求も成功しやすくなるでしょう。
浮気相手にとっても、約束を破った場合のペナルティは脅威になるため、浮気防止効果も非常に高いです。慰謝料請求まではしなくても、誓約書という形で牽制しておく方法もあるのです。
注意点として、必ず書面で残しておくことです。口頭だけでの取り決めだと、後から言った言わないのトラブルが生じてしまいます。
そのような余計な問題を防ぐためにも、必ず書面に残しておきましょう。
浮気相手に対してしてはいけないこと
合法的に浮気相手を追い詰める方法をお伝えしましたが、どれも準備と計画が必要です。
しかし、多くの方は浮気が発覚したら感情的になってしまい、すぐに配偶者や浮気相手に怒りをぶつけたくなるでしょう。
その結果、強硬手段に出てしまいますが、場合によっては違法行為に該当するものも多く存在します。
こちらの項目では、浮気相手を追い詰める際にやってはいけないことを5つ、どのような違法行為に該当するかと併せてご紹介します。
暴言や暴力を振るう
浮気相手と直接会ったりする場面では、感情的になって暴言を吐いたり、場合によっては暴力を振るってしまう恐れもあります。
暴言や暴力は、当然犯罪行為で次のような刑事罰に問われる可能性があります。
暴行罪 | 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料 |
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傷害罪 | 15年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
暴行そのものに罪はありますが、相手が怪我をするとさらに罰則が重くなります。
脅迫罪 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
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恐喝罪 | 10年以下の懲役 |
強要罪 | 3年以下の懲役 |
侮辱罪 | 1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料 |
暴言自体には「侮辱罪」が該当する可能性が高く、脅しや強要が含まれれば上記の他の罪に問われることになります。
浮気相手の配偶者にばらす
浮気相手も既婚者の場合、浮気していた事実を浮気相手の配偶者にもばらして、家庭を破綻させてやろうなどと考える方もいるかもしれません。
しかし、相手が既婚者であれば、あなたの配偶者も既婚者と浮気をしていたことになりますので、こちらが慰謝料請求される可能性が出てきてしまいます。
余計なことをして金銭的に損をしてしまうことにも注意しましょう。
会社に不貞行為を報告する
社内不倫などで浮気相手の勤務先を知っている場合、会社に報告しようと考える人がいるかもしれません。
そもそも会社は浮気などのプライベートな問題に干渉することができません。浮気が事実であっても、公然と人の社会的評価を低下させる行為は名誉毀損罪に該当してきます。
名誉毀損罪 | 3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金 |
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脅迫罪 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
恐喝罪 | 10年以下の懲役 |
また、「会社にばらされたくなかったら〇〇しろ」などと脅したり、強要したりする行為は上記の罪に該当する可能性があります。
SNSで浮気相手を晒す
会社に報告することと同様に、SNS上で浮気相手の個人が特定できるような内容で「浮気している」などと書き込む行為も名誉毀損罪に該当します。
名誉毀損罪 | 3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金 |
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また、「晒すぞ」と脅すような場合も次の罪に問われる可能性があるでしょう。
脅迫罪 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
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恐喝罪 | 10年以下の懲役 |
浮気相手の家に押し入る
浮気現場を突き詰めてやろうと、浮気相手の家に押し入る行為も厳禁です。ご存じのとおり、人の所有地に無断で入る行為は不法侵入となり、次の罪に問われます。
住居等侵入罪 | 3年以下の懲役または10万円以下の罰金 |
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なお、庭などへの侵入も罪に該当するため、浮気の写真を取ってやろうと敷地内に侵入することも厳禁です。
実際、浮気相手への仕返しは慰謝料と謝罪の要求ぐらい
このように、浮気相手に仕返しをするための方法としては、慰謝料請求や謝罪の要求くらいしかありません。
脅したり、晒したり、暴力を振るったりすることで、あなた自身が罪に問われ、余計に問題が大きくなってしまうことが考えられます。
確かに感情的になってしまうことは理解できますが、一旦冷静になり、やっていいことといけないことのラインを判断する機会を作ってください。
合法的に追い詰めるためにも、浮気の証拠を確保して主導権を握っておくことが大事です。まだ、浮気の証拠が手元にないという方は、探偵に相談しながら証拠の確保も進めていきましょう。
浮気相手の追い詰め方まとめ
最後に、浮気相手の追い詰め方として、良い方法と悪い方法をまとめてみました。
合法的な追い詰め方 | 違法な追い詰め方 |
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・浮気の証拠を確保する ・浮気相手に慰謝料請求をする ・誓約書作成や謝罪要求をする |
・暴言や暴力を振るう ・浮気相手の配偶者にばらす ・会社に不貞行為を報告する ・SNSで浮気相手を晒す ・浮気相手の家に押し入る |
繰り返しますが、合法的な浮気相手の追い詰め方は限られています。冷静になって、浮気の証拠集めや慰謝料請求の準備など、できることから進めていってください。