シリコン塗料は外壁塗装をする際に、最も使わている塗料のひとつです。シリコン塗料が使われる理由としては、耐用年数と価格のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れているためです。
しかし、シリコン塗料はコストパフォーマンスが良いものの、他にも数多くの塗料の種類があり、本当にシリコン塗料で良いのか不安に感じる方もいるでしょう。
本記事では、外壁塗装で使用するシリコン塗料の費用相場やメリット・デメリットなどについて解説します。
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外壁塗装で使用するシリコン塗料とは
シリコン塗料とは、主にシリコン系の合成樹脂を使用した塗料のことです。シリコン樹脂は、200℃以上の高温にも耐えられる性能を持っており、水を弾く撥水性にも優れています。
シリコン樹脂は200℃以上の温度に耐えられる耐熱性を持っています。
シリコン樹脂は表面張力(縮こまって丸くなろうとする性質)が低く、撥水性(水をはじく性質)や消泡性(泡を出さない性質)、離型性(表面の粘着や焼き付きを起こさない性質)に優れています。
そのため、シリコン塗料が主流になる前に多く使われていた「アクリル塗料」や「ウレタン塗料」よりも耐用年数が優れており、現在ではシリコン塗料を使用することが多くなっています。
シリコン塗料の費用相場
シリコン塗装の平米単価は「2,300〜3,000円」程度です。シリコン塗料は、様々なメーカーから販売されており、商品の種類によっても値段が異なります。
シリコン塗料で外壁塗装をする場合、仮に40坪の住宅だと塗料代だけで「394,680円〜514,800円」の費用がかかります。
外壁塗装に使用する塗料の中では標準的な価格であるため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。以下の表はよく使用されるシリコン塗料の価格の一覧です。
名称 | メーカー | 単価(平方メートル) |
---|---|---|
ハナコレクション | 日本ペイント | 2,000~2,600円 |
DANシリコンセラ | 日本ペイント | 2,820~3,960円 |
セラミクリーン | エスケー化研 | 2,150~2,950円 |
クリーンマイルドシリコン | エスケー化研 | 2,500~3,000円 |
セラMシリコン3 | 関西ペイント | 2,300~3,000円 |
ナノコンポジットW | 水谷ペイント | 3,000~4,000円 |
シリコンフレックス2 | アステックペイント | 2,500~3,000円 |
上記の表を参考にして自身の予算に合ったシリコン塗料を選ぶようにしてください。
シリコン塗料の耐用年数
シリコン塗料の耐用年数は「10年程度」が目安です。
外壁シリコン塗料は、耐用年数が10〜13年程度のコストパフォーマンスが良い優れる塗料です。
ただし、耐用年数に関しても商品ごとに異なり、長いものだと「耐用年数が15年程度」のシリコン塗料もあります。たとえば、日本ペイントの水性シリコンセラUVは耐用年数が「7年~8年程度」ですが、エスケー化研の水性セラミシリコンは、耐用年数が「12年~15年程度」あります。
シリコン塗料は、外壁塗装に使用する塗料の中では耐用年数も標準的なランクであるため、費用とのバランスが良い塗料と言えます。このため、外壁塗装業者がシリコン塗料を提案することは多く、塗料に悩んだ場合はシリコン塗料を無難と言えるでしょう。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 4〜8年 |
ウレタン塗料 | 7~10年 |
シリコン塗料 | 7~15年 |
ラジカル制御形塗料 | 12~16年 |
フッ塗料 | 15~20年 |
無機塗料 | 20~25年 |
光触媒塗料 | 15~20年 |
同じシリコン塗料でも、耐用年数や価格は商品によって大きく異なるため、ご自身の予算に合ったシリコン塗料を選びましょう。
外壁塗装でシリコン塗料を使うメリット
ここではシリコン塗料を使用するメリットについて解説しましょう。
コストパフォーマンスに優れている
シリコン塗料は何度も説明している通り、耐用年数に対する費用のバランスが良く、外壁塗装で使用される塗料の中でもコストパフォーマンスが最も良いと言われています。
実際、外壁塗装で使用される頻度も多く、シリコン塗料が普及したことで「ウレタン塗料・アクリル塗料」が使用されるケースが大幅に減りました。
塗料の種類 | 単価(1㎡あたり) | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,400~1,600円 | 4〜8年 |
ウレタン塗料 | 1,700~2,200円 | 7~10年 |
シリコン塗料 | 2,300~3,000円 | 7~15年 |
したがって、コストパフォーマンスが良い塗料を求めている方は、シリコン塗料を検討してみてください。
汚れにくい
シリコン塗料は、ウレタン塗料やアクリル塗料と比較すると塗膜に汚れが付着しません。塗膜が硬く撥水性があるうえに、低電圧性で汚れが付きにくい性質を持っているためです。
撥水性があると雨水や雪が弾かれるため、それらに含まれる汚れが付着しにくくなります。また、低電圧性であることで静電気が発生しにくいため、ホコリなどの汚れが付きにくいです。そのため、外壁を長期間綺麗な状態で保つことができます。
塗料の種類が豊富
シリコン塗料は、色のバリエーションも豊富で他の塗料より種類も多いため、自身の好みにあった塗料が見つかりやすいのが特徴です。
このため、ビジュアルにこだわりたい方はシリコン塗料を選択するといいでしょう。なお、シリコン塗料はおおまかには以下の3つの種類に分けられます。
- 水性1液型
- 溶剤液1液型(油性)
- 溶剤系2液型(油性)
水性と溶剤の違いは、塗料を希釈する際に使用する液体の違いです。
溶剤を使用した塗料と比較すると耐久性が劣りますが、臭いが少なく環境にも悪くないため、水性のシリコン塗料が使用されることが増えてきています。
また、1液型と2液型は塗料のグレードを表しており、1液型よりも2液型のほうがグレードが高く耐久性にも優れていることが特徴です。ただし、コストも高くなるので注意するようにしてください。
外壁塗装でシリコン塗料を使うデメリット
シリコン塗料は、コストパフォーマンスが良いなどのメリットがある一方でデメリットもあります。
ここでは、シリコン塗料のデメリットについて解説するので、外壁塗装でシリコン塗料を使用する決断をするときの参考にしてください。
重ね塗りが難しい
シリコン塗料は重ね塗りには向いていない塗料です。塗膜が硬く撥水性も高いため、付着力が低く塗り替えの際に密着が良くありません。
そのため、塗りかえる際には下塗りで使用するシーラーやフィラーなどの下塗り材を塗布して塗料が付着しやすくなるようにする必要があります。
したがって、前回の外壁塗装や建築時の外壁塗装にシリコン塗料を使用している場合は、外壁塗装業者がシーラーやフィラーの塗布を怠ると仕上がりが悪くなってしまうため、必ず確認するようにしましょう。
フッ素塗料と比較すると耐久性が劣る
シリコン塗料の耐用年数は「7~15年」ですが、フッ素塗料の耐用年数は「15~20年」なので、「フッ素塗料」と比較すると耐久性が劣ります。
つまり、シリコン塗料よりもフッ素塗料のほうが劣化しにくく、メンテナンス周期も長くなります。そのため、耐久性を重視する場合には、フッ素塗料などシリコン塗料よりもグレードの高い塗料がおすすめです。
ただし、フッ素塗料などのグレードの高い塗料はシリコン塗料よりも高価であるため、費用対効果をよく検討して選ぶようにしてください。
塗膜がひび割れしやすい
シリコン塗料は塗膜がひび割れしやすいというデメリットがあります。塗膜が硬いため建物が揺れてしまうと、ひび割れが入りやすいのです。
とはいえ、塗膜が硬いことで汚れにくい性質を持っているため、塗膜が硬いことは一長一短と言えます。
【メーカー別】外壁塗装でおすすめのシリコン塗料
シリコン塗料を提供しているメーカーは多数あります。そのため、どのメーカーの商品を選べば良いかわからないという方も多いです。そこで、ここではシリコン塗料の代表的なメーカーと商品を紹介します。
日本ペイント
日本ペイントは創業140年を超える国内シェアNO.1の塗料メーカーです。塗料メーカーの中でも実績が豊富で、外壁塗装業者の中でも使用されることが多いメーカーになります。
日本ペイントが販売している主なシリコン塗料は、以下の通りです。
商品名 | 特徴 |
---|---|
ファインシリコンフレッシュ | 優れた防カビ性と低汚染性を持っている |
ファインSi | さまざまな下地に使用できる |
日本ペイントのシリコン塗料で迷ったら上記の塗料を選択しておけば間違いありません。
関西ペイント
関西ペイントも、1918年創業の歴史ある大手塗料メーカーです。「建築用・自動車・船舶・工事用」など外壁塗装以外の塗料も多く取り扱っており、国内だけでなく海外でも支持されています。
そんな関西ペイントが提供しているシリコン塗料でおすすめしたい商品は以下の2つです。
商品名 | 特徴 |
---|---|
セラMシリコン3 | 中塗りと上塗りの色が違うため、塗料の塗り残しや塗り忘れを防げる |
コスモシリコン | 優れた耐候性・防カビ・防藻性を持っている |
関西ペイントのシリコン塗料の中でも特におすすめなので、商品を選ぶ際の参考にしてみてください。
エスケー化研
エスケー化研は、1955年創業の塗料メーカーです。主に建築用の仕上げ材や塗料を販売している会社で、建築仕上げ塗材の国内シェアNo.1になります。そんなエスケー化研が提供している主なシリコン塗料は以下のとおりです。
商品名 | 特徴 |
---|---|
クリーンマイルドシリコン | 優れた低汚染性、防藻・防カビ、透湿性を持っている |
水性セラミシリコン | 環境に優しく耐久性の高い |
エスケー化研は環境に配慮した塗料が多いため、環境に優しい塗料を使用したい方におすすめメーカーです。
まとめ
シリコン塗料はコストパフォーマンスが良く、外壁塗装で最も使用される頻度が高い塗料です。
しかし、塗膜が割れやすいなどのデメリットもあるため、シリコン塗料の利用を検討しているなら、本記事を参考に特徴をよく理解して自身に合っている塗料なのか判断するようにしてください。
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