外壁塗装の下塗り作業

外壁塗装の工程の一つである「下塗り」は、仕上がりに大きな影響を与える重要な作業です。この記事では外壁塗装の下塗りについて詳しく解説します。外壁塗装を検討している方は参考にしてみてください。

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外壁塗装の「下塗り」とは

下塗りとは、外壁塗装の工程で重要な作業の一つです。下塗りは外壁材と塗料の接着力を高めたり、塗料が外壁材に染み込むのを防ぐために行います。ここでは、下塗りの費用や作業について詳しく解説していきます。

下塗りの費用相場

下塗りの費用は塗料の種類や業者によって異なりますが、1平方メートルあたり600〜1,100円程度が相場となります。例として、30坪の住宅の場合、下塗りにかかる費用は「88,000円~143,000円」となります。※塗装面積は130㎡で計算

ただし、実際の塗装作業では下塗りだけではなく中塗りや上塗りが必要になり、基本的に下塗りだけで依頼することはないため、この費用相場は参考程度に覚えておけば十分です。

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下塗りと中塗りの作業間隔

中塗りをするためには、下塗りの塗料を乾かしてから行う必要があります。乾燥にかかる時間は塗料の種類や天候によっても異なりますが、3〜4時間程度かかるケースが多いです。

ただし、冬に外壁塗装を行う場合は気温が低く乾燥しにくいため、6時間程度の作業間隔が必要にあります。このため、気温が低い冬場など乾燥しにくい状況で下塗りを行う場合は、1日がかりの作業になることを覚えておきましょう。

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外壁塗装で下塗りをしないとどうなる?

外壁塗装で下塗りをしないと様々な不具合が発生する可能性があります。ここでは、下塗りをしないことで起こる不具合について解説します。

仕上がりにムラができる

下塗りをしないことで起きる不具合の一つが、仕上がりにムラができることです。ムラができる理由は以下の2つです。

  • 劣化した外壁材に塗料が吸い込まれてしまって色や艶のムラが発生する
  • 下地の色が透けてしまって色見本の色にならない

下塗りを行わないと想像と違った仕上がりになる可能性が高く、期待はずれの仕上がりになりかねません。このような事態を防ぐためにも、下塗りは必ず行ってもらいましょう。

塗装が定着しない

下塗りをしないと上塗りの塗料が定着せずにすぐに剥がれてしまいます。これは、上塗り塗料には接着力がないためです。

仮に塗料が剥がれてしまうと、見た目が悪くなるだけではなく、外壁の耐久性能も悪くなってしまいます。このため、外壁塗装において下塗りは必要不可欠な工程です。

外壁塗装の下塗り塗料の種類

外壁塗装の下塗り塗料は、主に3つの種類があります。塗料によって特徴や価格が異なるため、違いを理解しておくことが重要です。ここでは、下塗りで使用される代表的な塗料を3つ紹介します。

シーラー

シーラーとは、英語の「seal(密閉、接着などの意味)」が語源になっている下塗り塗料のことです。主な機能としては、仕上げ塗料を密着させる効果、外壁の塗装面が塗料を吸い込むのを防止する、劣化した下地を補強する、などの効果があります。

一言でいうと、シーラーには外壁の耐久性や綺麗な塗装状態を維持させる効果があります。また、シーラーには水性タイプと油性タイプのものがあり、それぞれ特徴が異なります。

種類 特徴
水性タイプ ・水性塗料の下塗りとして使用する
・臭いが少なく室内に向いている
油性タイプ ・臭いが強い
・水性より密着力が高い
・外壁やコンクリート床などに向いている

水性タイプのシーラーは、基本的に水性塗料の下塗りとして使用する必要があるので、油性塗料を使用する際は使用できません。このように、種類によって使い方が決まっているので、注意が必要です。

フィラー

フィラーは、素材の表面を滑らかにする役割を持っている下塗り材です。そのため、モルタルの外壁などひび割れが起きやすい外壁に使用されます。

ちなみに、他の下塗り材と異なり水性タイプのものしかありません。したがって、油性の上塗り塗料を使用する際は向いていないため、他の下塗り材を使用する必要があります。

プライマー

プライマーは一番初めに塗る塗料のことで、下塗り材の総称として使用されることもあります。持ち合わせている機能は主に以下です。

  • 接着剤と表面との密着性を高める
  • 表面を密にして接着剤が付きやすくする
  • 被着材同士のなじみをよくさせる

引用元:プライマーの役割と特徴|モノタロウ

上記のように、基本的な機能はシーラーと変わりがありません。ただし、プライマーにはさまざまな効果が加えられた商品があります。商品ごとの特徴を以下のとおりです。

種類 特徴
浸透性プライマー ・コンクリートやモルタルなどの無機質系素材に向いている
・プライマーが外壁内部に浸透しやすくなっており外壁を強化する効果がある
防錆プライマー ・鉄部塗装や金属系の外壁材などに使用される
・サビ止めの効果がある
・既に発生しているサビを黒錆に変えて保護層を作る効果がある
導電性プライマー ・工場など精密機械を使用する場所に向いている
・導電性が高くなり静電気が溜まりにくい

上記のように、プライマーにはさまざまな効果を持ったものがあるため、使用する外壁材によって適しているものを選ぶといいでしょう。

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外壁塗装の下塗りでよくある質問

ここまで外壁塗装の下塗りについて解説してきました。しかし、まだまだ下塗りに関する疑問は尽きないでしょう。そこで、ここでは外壁塗装の下塗りでよくある質問について解説するので、疑問がある方は参考にしてみてください。

下塗り塗料の色は?

下塗り塗料の色は商品によって異なり、主に以下の色があります。

  • 透明
  • グレー
  • ベージュ
  • ブラウン
  • ブラック

主に使用される下塗り塗料の色は「透明」「白」「グレー」になります。上塗り塗料と違って表から見えるものではないため、色のバリエーションは少なめです。ただし、下塗り塗料の色によって、仕上がりの色にも影響が出るため、慎重に選ぶ必要があります。

下塗りの色を選ぶ大事なポイントは、仕上がりの色と明度を合わせることです。ただし、素人では判断が付かないため、業者に確認しながら選ぶと良いでしょう(参考:下塗色の正しい選び方|ペイントワークス)。

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下塗り作業は雨の日でもできる?

下塗り作業は他の塗装作業と同様で、雨の日には作業できません。その理由は以下の通りです。

  • 雨によって塗料が薄まってしまう
  • 雨水によって仕上がりが悪くなってしまう
  • 乾燥に時間がかかる

雨が多い梅雨の時期などは、思ったように作業が進まず工期が伸びることも想定しておきましょう。

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下塗り塗料の匂いはキツい?

下塗り塗料の匂いはほとんど気になりません。ただし、上塗り塗料は匂いがキツイものが多いです。そのため、外壁塗装を実施する際は、いずれにしても近隣の方に説明しておくことをおすすめします。

事前に説明しておくことで、近隣の住民からクレームがくる可能性を下げることができるので、トラブルを防ぐためにも忘れないようにしましょう。

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下塗り塗料の乾燥時間は?

前述したように気温や天候によって塗料の乾燥時間は異なりますが、一般的に乾燥にかかる時間は3〜4時間程度です。気温が低く乾燥しにくい冬場であっても6時間あれば塗料は乾きます。

とは言っても乾燥には時間がかかるため、1日がかりの作業になる可能性があることを理解しておきましょう。

まとめ

外壁塗装において下塗りは、仕上がりに大きな影響を与える重要な作業です。そのため、外壁塗装を依頼するなら下塗り作業について理解しておかなくてはいけません。

ただし、どんな塗料や色を選べば良いのかは専門的な知識がないと判断できないため、依頼する業者に確認しながら適切な下塗り材を選んでもらいましょう。

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