ご自身の年収が平均より高いのか低いのか気になる方も多いでしょう。この記事では、20代の平均年収を統計データを用いて解説しています。
また、20代前半から後半、企業規模別、業界別の平均年収も掲載していますので、転職などで新しい業界へのチャレンジを考えている方はぜひ参考にしてください。
20代の平均年収
令和4年9月に公開した国税庁の「民間給与実態統計調査 年齢階層別の平均給与」のデータによると、20代の平均年収は288.5万円です(20代前半と20代後半の平均年収の割合から算出)。20代前半と20代後半では、それぞれの平均年収はどれくらいなのでしょうか。
20代前半の平均年収は269万円
同データによると、20代前半(20歳~24歳)の平均年収は269万円です。男性では287万円、女性では249万円と男女間で40万円ほどの差があります。
20代後半の平均年収は371万円
20代後半の平均年収は371万円です。男性で404万円、女性では328万円と約80万円もの差があり、収入に大きな違いがあることがわかります。
20代の平均年収の中央値
次に20代の平均年収の中央値について見ていきましょう。厚生労働省の令和元年のデータによると、20~24歳では209.9万円、25~29歳では242.9万円が中央値であることがわかりました。
20~24歳 | 209.9万円 |
25~29歳 | 242.9万円 |
参考:第7表 賃金階級、性、年齢階級別労働者割合|厚生労働省
ただし、都道府県などによっても平均年収は異なり、東京や大阪などの大都市では中央値の年収ももっと高くなるでしょう。
20代の平均年収の割合
次に、20代の平均年収の割合について見ていきましょう。20〜24歳で最も多い賃金割合は「200〜219.9万円」です。これは20代のおよそ3割が200〜220万円ほどの年収と言えます。
賃金階級 | 割合 |
---|---|
200~219.9万円 | 25.2% |
180~199.9万円 | 19.6% |
220~239.9万円 | 17.6% |
20代前半の約60%の方が平均年収「200~240万」程度となります。年収300万円以上稼いでいる割合も非常に低く、同データでは年収300万円以上の割合は約3%程度となっています。
賃金階級 | 割合 |
---|---|
220~239.9万円 | 18.3% |
240~259.9万円 | 17.5% |
200~219.9万円 | 13.6% |
25〜29歳の最も高い賃金階級は220〜239.9万円で、約2割の方がこの年収に該当します。また、20代後半になると、約15%程度の方が年収300万円以上となっています。
一方、年収が600万円以上ある20代後半の割合は「0.3%」となっており、20代での年収800万円以上のハイクラス転職は非常に難易度が高いと言えます。
【企業規模別】20代の平均年収
次に企業規模別で見る20代の平均年収について見ていきましょう。大企業、中企業、小企業の3種類についてご紹介します。
【参考資料】
令和3年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省
大企業
大企業で働く20代の平均年収は、20代前半で222万円、20代後半で262万円となっています。男性の年収を見ると、20代前半から後半にかけて約45万円年収が増加しています。
それに対し女性は、20代前半から後半にかけて約28万円の増加となっており、男性の方が給料が昇給するスピードが早い傾向があると考えられます。
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 222.2万円 | 262.8万円 |
男性 | 221.2万円 | 266万円 |
女性 | 218.4万円 | 246.3万円 |
※本資料において大企業とは、1000人以上の労働者を雇用している企業のことを言います。
中企業
中企業で働く20代の平均年収は、20代前半で210万円、20代後半で238万円となっています。大企業と比較すると、20代前半で約10万円、20代後半では24万円の開きがあります。
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 210.7万円 | 238.9万円 |
男性 | 212.2万円 | 244.1万円 |
女性 | 209.1万円 | 231.7万円 |
※中企業とは、労働者を100~999人雇用している企業のことを言います。
小企業
小企業で働く20代の平均年収は、20代前半で203万円、20代後半で231万円となっています。大企業や中企業よりも平均年収は低く、企業規模と年収は比例していくことがわかります。
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 203.8万円 | 231.6万円 |
男性 | 208.9万円 | 240.6万円 |
女性 | 198.6万円 | 219.6万円 |
※小企業とは、労働者を10~99人雇用している企業のことを言います。
【学歴別】20代の平均年収
次に学歴別で見た20代の平均年収についてご紹介します。大学院卒、大学卒、高専・短大卒、専門学校卒、高校卒で見ていきましょう。
【参考資料】
令和3年 学歴別にみた賃金|厚生労働省
大学院卒
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 245.0万円 | 278.8万円 |
男性 | 245.8万円 | 281万円 |
女性 | 243万円 | 270.9万円 |
大学卒
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 229.4万円 | 260.7万円 |
男性 | 231.1万円 | 267万円 |
女性 | 227.5万円 | 252.3万円 |
高専・短大卒
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 210.7万円 | 236.7万円 |
男性 | 212.1万円 | 249.7万円 |
女性 | 210.2万円 | 230.1万円 |
専門学校卒
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 214.1万円 | 239.0万円 |
男性 | 231.1万円 | 240.7万円 |
女性 | 215.7万円 | 237.4万円 |
高校卒
性別 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
男女計 | 199.0万円 | 224.1万円 |
男性 | 204.3万円 | 234.5万円 |
女性 | 190万円 | 202万円 |
【業界別】20代の平均年収
最後に業界別で見た20代の平均年収について見ていきましょう。
【参考資料】
主な産業別にみた賃金|厚生労働省
業種 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
建設業 | 265.3万円 | 331.6万円 |
製造業 | 243.7万円 | 286.1万円 |
情報通信業 | 274.4万円 | 323万円 |
運輸業・郵便業 | 257.3万円 | 300万円 |
卸売業・小売業 | 258.7万円 | 301.7万円 |
金融業・保険業 | 276万円 | 339.4万円 |
学術研究・専門技術サービス業 | 273.4万円 | 329.4万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 240.2万円 | 270.5万円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 251.3万円 | 287.3万円 |
教育・学習支援 | 266.6万円 | 330.5万円 |
医療福祉 | 266.3万円 | 311.3万円 |
サービス業(分類外) | 253.3万円 | 287.4万円 |
男性の場合、20代で最も高い年収の職業は金融業・保険業であることがわかります。金融や保険業で働く方などは、契約件数や成果などに応じてインセンティブが付与されるケースも多く、20代で年収1000万円以上稼ぐ方もいます。
一方、女性の場合20〜24歳で最も高い年収は医療福祉の266.3万円、25〜29歳で情報通信業です。情報通信業とは、テレビ放送局や出版社、インターネット関連などの会社のことを言います。
業種 | 20~24歳 | 25~29歳 |
---|---|---|
建設業 | 256.6万円 | 270.1万円 |
製造業 | 224.8万円 | 246.7万円 |
情報通信業 | 270.7万円 | 310.6万円 |
運輸業・郵便業 | 239.8万円 | 275.9万円 |
卸売業・小売業 | 246.4万円 | 274.2万円 |
金融業・保険業 | 253.4万円 | 283.2万円 |
学術研究・専門技術サービス業 | 263.5万円 | 307.6万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 229.6万円 | 249.5万円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 242.8万円 | 263万円 |
教育・学習支援 | 250.3万円 | 285.5万円 |
医療福祉 | 266.3万円 | 295.1万円 |
サービス業(分類外) | 242万円 | 268.4万円 |
まとめ
今回は20代の平均年収をはじめ、中央値、大中小企業別、職種別での平均年収についてご紹介しました。上記のように、学歴や企業規模などによっても平均年収は変わります。
ご自身の年収が平均よりも著しく低いのであれば、違う業界に転職をするだけで年収は大きく上がる可能性があります。市場価値に見合った年収を受け取りたいと考える方は、この機会に転職を考えてみてはいかがでしょうか。