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これからベンチャー企業に応募しようと考えている方は、やはり年収が気になるところですよね。まず、ベンチャー企業という言葉に明確な定義はありません

創業わずかのスタートアップ企業とイメージしている方も多いでしょうが、リクルートなどの有名企業もベンチャー企業に含まれることがあり『メガベンチャー』とも呼ばれています。

ベンチャーとは、冒険を意味する『アドベンチャー』からきており、大企業が手を出したがらないような革新的な事業を次々始めたり展開したりすることを意味します。ベンチャー企業では、年収の決まり方も会社によって大きく違います。

こちらの記事では、ベンチャー企業の平均年収や年収の傾向、代表的なベンチャー企業の年収をご紹介します。参考にしていただき、どの程度の年収を目指すのか?どういう形で給料を貰っていけば一番稼げるかなどを考えてみてください。

ベンチャー企業の平均年収と特徴

冒頭で触れたように、ベンチャー企業に明確な定義がありません。ただ、実際には少人数で事業をしている会社に対してベンチャー企業のイメージを持っている人が多いことでしょう。生命保険文化センターによると、企業規模ごとの月収の違いが次の通りです。

企業規模 所定内給与(月収) 想定年収(×14ヶ月分)
大企業(1,000人以上) 37.5万円 約525万円
中企業(100〜999人) 32.8万円 約460万円
小企業(10〜99人) 30.3万円 約425万円

参考:企業規模別に見た平均的な賃金は?|生命保険文化センター

従業員100人に満たない小企業は、大企業に比べると平均で7万円も月収が違います。ボーナスを含めた年収では、100万円程度の差が出てくることも考えられます。

ただ、この内容はあくまでも目安で、実際のベンチャー企業は出世がしやすかったり、ボーナスが多くもらえたりして、会社によって年収が変わってきます。

ベンチャー企業の給料の支払われ方には、次のような特徴があることも覚えておきましょう。

結果を出せば年収も上がりやすい

ベンチャー企業では、冒険的・革新的な考え方を持って事業展開をしていきますが、人事に対しても革新的な部分が多いです。昔ながらの大企業によくあるような、年功序列で給料が決まるような評価基準を設けていないベンチャー企業も多いです。

結果を出す人材であれば、年齢や入社年数が若くても立派なポストを与えてくれて、年収が平均より高くなることも多くあります。

また、社員の目標達成やモチベーションアップのためにボーナスや手当などで還元する方法を取っているベンチャー企業も多く、結果を出せば比例して年収が上がることもあります。

企業によって差が出てくる

ベンチャー企業の中には、10名未満で起業したての企業もあれば、創業から数十年経っていて従業員が1万人を超えるメガベンチャーもあります。

反対に小さいベンチャー企業だから年収が低いとは限らず、少数精鋭できちんと結果が出ている企業であれば、周囲の同業他社よりも年収が高いようなこともあります。ベンチャー企業は、良くも悪くも会社の業績によって年収も変動しやすいです。

業績が良ければボーナスや歩合、ストックオプションなどで還元してくれることもあります。反対に、業績が伸びないようであれば、そもそも会社が存続できなかったり、手当やボーナスのカットなどで経費削減をされたりして、社員にしわ寄せがくるようなことも起こりえます。

有名なベンチャー企業とは

従業員が1,000人を超えて、多くの人が知っているベンチャー企業もすでにたくさんあります。このようなベンチャー企業はメガベンチャーと呼ばれています。代表的なベンチャー企業を挙げると次の会社があります。

  • Zホールディングス株式会社
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 株式会社リクルート
  • 株式会社サイバーエージェント
  • GMOインターネット株式会社
  • 株式会社ビズリーチ
  • 株式会社メルカリ
  • 株式会社マネーフォワード
  • freee株式会社
  • 株式会社ユーザベース

このように、すでに知名度も高く規模が大きいベンチャー企業は、ITに関連する会社が多いです。ただ、これはここ数年でインターネットが著しく発展した背景があるからで、今後はAIやロボット産業などの別の産業での有名ベンチャー企業が出てくることも予想されます。

メガベンチャー企業の年収ランキングTOP10

こちらでは、有名で規模が大きいメガベンチャー企業の平均年収を多い順からご紹介していきます。

リクルート|平均年収962万円

大企業といっても過言ではない規模に成長しているリクルートグループですが、現在でも新事業やサービスを展開しており、メガベンチャーに分類されます。

リクルートの平均年収は962万円と、他のベンチャー企業と比べても大きな差をつけての堂々1位となっています。

エムスリー|平均年収791万円

エムスリー株式会社は、医療従事者を対象としたポータルサイトを運営するベンチャー企業で従業員数も500名を超えます。創業は2000年と、他のベンチャー企業に比べると昔から事業をスタートしていますが、医療分野で着実に業績を伸ばしています。

現在では全国の医師の約80%が会員のポータルサイトとなっています。医療分野という他社が参入しにくい分野でもあるため、今後も堅実な地位を確立し続けることが予想されます。

LINE|平均年収771万円

国内の多くの方が使っているメッセージアプリLINEの開発・提供を行なっているLINE株式会社は、2000年に設立したベンチャー企業です。

近年では若者が他のメッセージツールにも移行しつつあり、国内での以前ほどの勢いは無くなりましたが、海外展開にも積極的で東南アジアを中心に新たなユーザーを獲得しています。

DeNA|平均年収767万円

2011年にプロ野球球団を買収したこともあり、大手企業としての印象が強いDeNAですが、現在もベンチャー企業として積極的に新規事業や新技術への参入・投資を行い続けています。

DeNAの主な事業として、ゲーム事業・EC事業・スポーツ事業などが挙げられ、幅広い事業展開を行なっています。

Zホールディングス|平均年収765万円

Zホールディングスという社名に聞き覚えがない方も多いかもしれませんが、元ヤフーと言えば多くの方がピンとくるでしょう。

ポータルサイト「Yahoo!JAPAN」やキャッシュレス決済「paypay」、動画配信サービスの「GYAO!」など、多くの方の生活に関わるサービスを提供しています。従業員も1万人を超える堂々のメガベンチャー企業です。

GREE(グリー)|平均年収759万円

世界初のモバイルソーシャルゲームを開発したGREE(グリー)は、現在でもSNS「GREE」の運営・開発を行います。GREEは根強い人気を持つSNSで、現在でも全世界で1.5億人以上のユーザーがいます。

これまではゲーム開発とSNS、広告・メディアが主な事業内容でしたが、現在はVTuberを軸にしたエンタメ事業にも力を入れています。

楽天|平均年収755万円

楽天グループは楽天市場で知られるEC事業が有名ですが、それ以外にも金融「楽天銀行」、スポーツ「東北楽天ゴールデンイーグルス」「ヴィッセル神戸」、旅行予約「楽天トラベル」、モバイル「楽天モバイル」など、様々な分野に事業展開をしています。

従業員が2万人を超えても新たな事業や分野に挑戦しにいく姿勢は、まさにメガベンチャーを代表する企業の1つでしょう。

サイバーエージェント|平均年収681万円

サイバーエージェントは、ABEMAで知られるメディア事業以外にも、インターネット広告やゲーム開発を手がけており、さらに社員を子会社の社長にして支援をするなど、新規事業や若手育成にも力を入れている企業です。

ミクシィ|平均年収661万円

株式会社MIXIは、10年ほど前、国内SNSとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった「mixi」の運営をしているベンチャー企業です。

現在では他のSNSの台頭もあり、勢いは失われましたが、有名スマホゲームである「モンスト」も実はミクシィが運営です。社名のMIXIだけではなく、SNSやゲームを中心にした事業・サービスを複数展開しています。

GMOインターネット|平均年収597万円

GMOインターネットグループ株式会社は、インターネットインフラを中心に、広告や株式取引所、暗号資産取引所など、あまり一般の人には目に付かないサービスを展開しています。

一般的に見れば目立っていないかもしれませんが、その反面、独自の地位を確立しており、堅実な経営・事業ができていると考えられます。

ベンチャー企業社長の平均年収

ベンチャー企業への入社を希望する方は、野心家で将来的に自分でも会社を立ち上げたいと考えている方も少なくないでしょう。

そこで、こちらでは上場しているベンチャー企業の社長の平均年収(役員報酬)を多い順にまとめました。なお、会社内に複数いる役員の平均役員報酬を出しておりますので、ご了承ください。

順位 会社 報酬
1位 株式会社リクルートホールディングス 6,366万円
2位 LINE株式会社 5,923万円
3位 株式会社ベガコーポレーション 5,600万円
4位 株式会社インベスターズクラウド 4,404万円
5位 株式会社アイモバイル 3,862万円
6位 シリコンスタジオ株式会社 3,192万円
7位 株式会社オークネット 2,955万円
8位 フリュー株式会社 2,602万円
9位 株式会社MS-Japan 2,582万円
10位 株式会社セラク 2,383万円

参考:ベンチャー上場時の役員報酬はいくらなのか ※内容は2017年6月公開のものです。

FASTGROW上で注意書きしていますが、上記の年収情報が2017年のものです。ベンチャー企業は株価や業績の変動も大きいため、具体的な会社と金額は気にし過ぎずに、あくまでも上場しているベンチャー企業の役員報酬はこれくらいの相場であると捉える程度でお考えください。

ベンチャー企業で年収1000万円は目指せる?

ここまでご紹介した内容をまとめて、ベンチャー企業で年収1,000万円を目指せるかどうかをお伝えすると、ズバリ可能です。実際、メガベンチャー企業のリクルートの平均年収は962万円です。役職などがある人であれば、年収1,000万円以上の人も多数いることでしょう。

ただし、ベンチャー企業といっても様々な種類や企業規模、将来性などがあります。そのため、年収1,000万円を狙える可能性がある会社を見極める必要があります。年収が上がりやすいベンチャー企業の特徴として次の内容が挙げられます。

  • すでに有名なメガベンチャー企業
  • 業績が安定していて定期的に新規事業に取り組んでいる
  • 有名なベンチャーキャピタルから投資を受けている
  • 成果に対するボーナスや手当が大きい
  • 自分自身が事業内容や企業理念に共感できる

繰り返しますが、ベンチャー企業は実力主義である会社も多いです。いくら良い会社に入社できたとしても、あなたが結果を出せなければ、年収を上げることが難しくなります。

年収も大事ですが、意欲的に働けて、あなたの能力を十分に発揮できる環境かどうかを判断することも重要です。

まとめ

今回はベンチャー企業の年収について解説いたしました。誰もが知っているメガベンチャークラスになれば、平均年収も600万円を超えてきます。同年代と比べて良い給料をもらえることもあるでしょう。

しかし、まだまだ会社が育ちきっていないベンチャー企業であれば、会社の業績や社長の手腕、会社の制度などによって年収も大きく増減してきます。求人票に書かれている額面だけでなく、次の点にも注意しながら会社を選んでみてください。

  • 会社の業績がしっかりと伸びているか
  • 社長や会社の考え方に共感できるか
  • インセンティブなどで年収を上げられるか
  • 自分の能力を発揮できるか

また、小さいベンチャー企業であるほど、あなたが結果を出した時のインセンティブは大きなるでしょい。役員になったり、ストックオプションなどを貰えたりする可能性もあります。

ぜひ、働き方や社会への貢献、事業内容などに共感できて意欲的に働ける良いベンチャー企業に巡り会えるように色々な会社を調べてみましょう。

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