外壁塗装の見積もりを確認すると、コーキング工事という項目があります。
しかし、コーキング工事がどのような工事なのか知らない方も多く、「コーキングは施工しないといけないの?」などの疑問を持っている方も少なくありません。
そこで、この記事では外壁塗装のコーキング工事の概要や必要性、費用相場などについて解説していきます。
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外壁塗装のコーキング(シーリング)工事とは
外壁塗装のコーキング工事とは、外壁の隙間やひび割れを補修する工事のことです。コーキング材と呼ばれる樹脂を原料とした材料を外壁に詰めることで、建物の気密性や防水性を高めるなどの効果がある重要な工事になります。
また、コーキング材は弾力性があるため、地震などの横揺れの衝撃を和らげる効果もあります。コーキング工事は外壁の寿命を延ばす大切な工事になります。
コーキングとシーリングって違うの?
外壁塗装において「シーリング工事」と「コーキング工事」は同じ工事のことです。
そのため、業者に依頼する際はどちらの言葉でも伝わります。
ちなみに、シーリングの意味は「隙間や穴に詰め物をする」という意味で、コーキングは「密閉する」という意味です。
コーキングをしないとどうなるの?
外壁をコーキングしないで放置をすると、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。
- サイディングパネルの裏側に雨水が入る
- シロアリが発生する原因になる
- 構造体が腐食する原因になる
家自体に深刻な悪影響を及ぼす可能性が高いため、コーキングは必要不可欠です。
このような事態を防ぐためにも、外壁塗装を行う際にあわせてコーキング工事を行うようにしましょう。
【関連】外壁塗装が必要ない家とは|外壁塗装しないとどうなる?
コーキング(シーリング)材の劣化症状
コーキング材に以下のような劣化症状がある場合は、修繕工事が必要になります。
- 「ひび割れ・破断」がある
- 細くなっている(肉痩せ)
- 剥離している
上記のような症状が見られる場合はコーキング材の劣化が進んでおり、放置すると建物に不具合が生じる可能性があります。
コーキング(シーリング)の補修方法
コーキングの補修方法には2種類の方法があります。それぞれ特徴が異なるため、違いを理解しておくようにしましょう。
打ち替え
打ち替えとは、劣化したコーキング材をすべて取り除いて、新しいコーキング材に入れ替える方法です。
コーキング材を取り除いてから新しいものに入れ替えるため、増し打ちよりも工事費はかかりますが、より効果の高い補修工事が期待できます。
実際、耐用年数も増し打ちよりも長く7〜15年程度です。このため、費用はかかりますが、補修工事をする際は「打ち替え」をおすすめします。
増し打ち
増し打ちとは、劣化したコーキングの上から新しいコーキングを詰める方法です。
打ち替えよりも使うコーキング材の量が少ないため、費用は安くなるというメリットがあります。
ただし、増し打ちは劣化したコーキング材を取り除かないため、そのままにした古いコーキング材が剥がれる可能性が高く、耐用年数も2〜5年程度と短くなってしまいます。
さらに、古いコーキング材の裏側にひび割れや隙間があっても気付けない可能性もあるため、あまりおすすめはできません。
コーキングの補修工事は増し打ちではなく、基本的には打ち替えがおすすめです。
【参考】3分でわかる!外壁コーキングの打ち替え・増し打ちの正しい使い分け|ユーコーナビ
外壁塗装でコーキング(シーリング)を行う主な箇所
コーキング材は外壁のさまざまな箇所で使われています。
ところが、外壁のどの部分にコーキング材が使われているのかを正確に理解している方はそう多くありません。
コーキング材が使われている場所を理解しておかないと自分で劣化状態を確認できないため、できれば知っておいた方が良いでしょう。
そのため、ここでは外壁塗装でコーキング工事を行う主要な箇所について解説します。
外壁材同士の隙間
コーキング工事を行う主な箇所の一つが「外壁同士の隙間」です。
外壁材である「ALCパネルやサイディングボード」を使用した建物には、外壁同士の隙間である「目地」ができてしまいます。
外壁目地とはサイディングボードや、ALCパネルなどの板を外壁に使用した時の板と板との境目にある継ぎ目のことを言います。
この目地を埋めるためにコーキング材が使用されているので、定期的にコーキング材の劣化を確認するようにしましょう。
窓枠
窓枠は外壁に穴を開けられている状態のため枠の縁に隙間ができます。その隙間をコーキング材で充填して埋めています。
そのため、コーキング工事で主に補修する箇所の一つです。
ちなみに、窓やドアのサッシ周りを修繕する際は、増し打ちをおすすめします。劣化したコーキングをカッターで外す際に、奥にある防水紙を切ってしまう可能性があるためです。
仮に防水紙を切ってしまうと雨漏りが発生する事態になりかねません。このため、窓やドアなどのサッシ周りには増し打ちが適していることを覚えておきましょう。
配管やパイプ周り
配管やパイプは屋外から室内に通っている設備です。
外壁に穴を開けて、その穴からパイプや配管を室内に通すため、パイプや配管と穴のまわりに隙間ができ、その隙間をコーキングを使って埋めています。
そのため、コーキング工事で主に補修する箇所の一つです。
外壁の状況を確認する際は、パイプ周りを入念に見るようにしてください。
コーキング材の種類と寿命
コーキング材にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
外壁に使われているコーキング材ごとの特徴を以下の表にまとめたので、まずは確認してください。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
シリコン系 | ・耐水性、耐熱性、耐候性に優れている ・安価である ・ガラスにも使用できる |
周辺が汚れやすく上から塗装ができない ・外壁に向いていない |
ウレタン系 | ・弾力性が高く耐久力に優れている ・密着性が高い |
・紫外線に弱く劣化しやすい ・劣化すると埃が付着する |
アクリル系 | ・安価である ・作業性が良い ・湿った場所でも使用できる |
・耐久性が低い ・縮やすい |
変成シリコン系 | ・カラーが豊富 ・さまざまな場所に使用できる ・耐久性が高い |
・価格が高い ・施工に手間がかかる ・相性が悪い塗料がある |
ちなみに、コーキングの寿命は「5〜10年」程度と言われています。
コーキング材によって多少寿命に差はありますが、それ以上に置かれている環境が重要です。
紫外線によって劣化が進んでいくため日当たりが良い南面は劣化が早いなど、条件によって寿命が大きく変動します。
コーキング(シーリング)工事にかかる費用
コーキングの費用相場は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
打ち替え費用 | 1平方メートルあたり約900〜1,200円 |
増し打ち費用 | 1平方メートルあたり約500〜900円 |
既存コーキング撤去費 | 約1~3万円 |
足場設置費用 | 約15~20万円 |
参照:料金について(シーリング工事の価格・費用相場) – 竜飛塗装
ただし、上記の費用はあくまでも相場です。
依頼する業者や建物の種類などによって費用は変わってきますので、詳細な費用を知りたい場合は業者に依頼するようにしてください。
なお、見積もりを取った際に、相場価格よりも安価な価格を提示してくる業者にも気を付けなければなりません。
「追加工事が必要になった」などと言って追加費用を取ろうとするケースがあるためです。
また、このような業者に依頼してしまうと、手抜き工事を行なったりする可能性もあるため、少しでも違和感を感じたら他の業者に依頼するようにしましょう。
【関連】
・外壁塗装の見積もり時の注意点や見積書で確認すべき項目
・外壁塗装の相場はいくら?一戸建ての塗り替え費用の目安
まとめ
外壁塗装のコーキング工事は、建物の劣化を防ぐために必要な工事です。
しかし、適切な施工をしてくれない業者も存在します。
そういった業者に騙されないためにも、外壁塗装のコーキング工事について理解しておくことが重要です(参考:評判の悪い塗装会社の見分け方と優良業者を探すコツ)。
そこで、この記事では外壁塗装のコーキング工事の概要や必要性、費用相場などについて解説してきました。
コーキング工事を検討しているならこの記事を参考にしてみてください。
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