毎日のように働いていると、仕事が辛いと思うことは何度もあるものです。それでも周りの黙々と働いている人たちを見ていると、「仕事が辛いと思っている自分が甘えているだけなのかも?」と考えてしまいますよね。
状況にもよりますが、仕事が辛いと思うことは自然なことで、慣れや経験、成功体験、周りからのフォローなどによって乗り越えられることも多くあります。
反対に、いつまでも辛い気持ちで仕事をしている人がいることも事実で、そのような状況の方は、今の仕事や職場に合っていないのかもしれません。
こちらの記事では、仕事が辛いと思う理由や対処法、今の仕事を辞めるかどうかの判断基準などをご説明します。仕事が辛いという後ろ向きな気持ちから、少しでも現状を打破できるヒントにしていただければ嬉しく思います。
仕事が辛いと思うのは甘えではない
特に新しく社会人生活をスタートさせた新卒の方などは、仕事が辛いと思うことも多いでしょう。冒頭でもお伝えしたように、仕事を辛いと思うことは自然なことで、決して甘えではありません。
大事なことは、今の辛い状況を乗り越えられるのかどうかを判断することです。今の仕事が辛くても、仕事や職場を変えるだけで、かなり前向きに働ける方も多いのです。
仕事が辛いと感じている人の割合
少し古いデータですが、厚生労働省の調査によると、「仕事で強いストレスを感じることがある」と答えた労働者の割合が58%前後ありました。
あくまでも、パワハラやセクハラ、顧客からのクレーム、仕事の失敗や責任問題などの『強い』ストレスですので、ちょっと上司に注意されたり、仕事が大変だったりして辛いと感じている方は、これ以上にいるだろうと考えられます。
むしろ、働く上で辛いと感じることが全くない人はいないと著者は思っています。いくら仕事を楽しそうにやっている人でも、時にはうまくいかずに悩んだり、体力・肉体的に辛いと思ったりすることはあるはずです。
仕事を楽しそうにしている人は、多少辛いことがあっても、それを改善して乗り越えたり、その先に見える達成感や自身の成長、成功などを考えたりしています。
仕事が辛いと考えている人は、辛いことばかりに目が向いてしまい、会社や仕事の嫌な部分ばかりが気になってしまいます。少し考え方を変えてみるだけでも、辛い気持ちは緩和されて、前向きに仕事に取り組めることもあります。
ただし、どうしようもできない状況に置かれている人も少なからずいます。今の仕事を辞めるか、もう少し頑張ってみるかは、下の項目で判断してみてください。
日本人の仕事満足度は世界最低の水準
そもそも、日本という国民柄、仕事に対して辛い・大変だとデフォルトで思い込んでいる方が多いようです。
ランスタッド社が行った国際調査を参考に、「仕事に満足している」と答えた人の割合を国ごとにまとめたものが次の結果です。
国 | 満足度 |
---|---|
インド | 89% |
アメリカ | 78% |
中国 | 74% |
イギリス | 74% |
ドイツ | 71% |
日本 | 42% |
参考:日本人が「世界一、仕事が苦痛」と感じる根本理由|東洋経済
日本が頭1つ抜けて仕事に満足している人が少なく、辛さを感じながら仕事をしている人が多いです。むしろ、楽しそうにイキイキと働いている人を見ると、「社畜だ」などと悪いように捉える人もいるくらいです。それほど「仕事=大変なこと」だという考えが根付いてしまっているのでしょう。
仕事が辛いと感じる5つの理由
仕事が辛いと思う理由は、どのような仕事でもだいたいいくつかの理由に収束されます。まず、退職理由を男女別でまとめると次のようになります。
順位 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
1 | 人間関係が好ましくない | 収入が低い |
2 | 労働時間や休日の条件が悪い | 人間関係が好ましくない |
3 | 収入が低い | 労働時間や休日の条件が悪い |
4 | 会社都合(解雇・契約終了) | 会社の将来が不安 |
5 | 仕事内容に興味が持てない | 会社都合(解雇・契約終了) |
これらを元に、具体的にどのような時に仕事が辛いと感じるのかをご説明します。
上司が怖い、パワハラがある
男女ともに退職理由の上位にあった「人間関係」。人間関係の悩みの多くが、上司が怖かったり、ひどいとパワハラを受けていたりするケースです。
特に新入社員の場合は、その会社の仕事に慣れていないので、失敗して注意をされてしまうことも多く、上司に対して悪い印象からスタートすることも多いです。
「いつ怒られるか分からない」と、ビクビクしながら仕事をしていると、仕事に集中することもできずに辛い日々が続いてしまいますし、注意散漫になり仕事の失敗も増えてしまって悪循環にもなります。
給与が低いまま上がらない
特に何年か働いてきた方は、給料が上がらない状況が続くことで、今の仕事に対して辛いと感じるようになります。収入が低すぎる場合には、「働いても働いても生活は楽にならない」と、人生トータルで考えて辛いと考えることも出てくるでしょう。
また、「こんなに働いているのに給料が低い」と、対価が見合っておらず辛いと感じることも出てきます。
成果に厳しい、ノルマがある
会社や職種によっては、成果を厳しく見られたり、ノルマがあったりして、成果を達成するために頑張り続けないといけないことが辛いと感じる方も多いでしょう。
また、ノルマを達成できなければ、厳しい上司から叱責を受けて更に辛くなるコンボも待っています。著者も何度か未経験分野の仕事を転職してきましたが、新しい仕事では特に失敗やノルマ未達成も起きやすく、その度に上司に怒られて・・・と、何度も辛い思いをしました。
クライアントからのクレーム
人間関係の悩みは社内の人だけとは限りません。接客業やサービス業、営業職などの社外の人とも多く接する機会がある仕事では、顧客からのクレームが辛いと感じることも多いです。
こちら側に非があってのクレームであれば、まだ改善できる余地はあるのですが、中には言いがかりを付けられて延々と説教のようなことを受け続ける理不尽なクレームが起きることもあります。
理不尽な要求にどう対応すれば良いかも分からず、自分が矢面に立たされていることにストレスを感じながら働く方も少なくありません。
労働時間が長い、サービス残業がある
働く時間が長いと体力的・精神的にも辛いと思うことは増えてくるでしょう。さらに、残業代が出ないサービス残業の状態になっていると、何のために働いているのかも分からなくなります。
特に残業代が払われていない会社は、ブラック企業の可能性も十分に考えられます。早急に転職を考え、退職後には未払いになっている残業代を請求をすることも検討してください。
労働時間が長いかどうかの目安は、厚生労働省の「時間外労働の上限規制」を参考にしてみてください。「45時間以上の残業が半年以上ある」「100時間以上の残業がある」場合には、上限規制を超えて働いていると考えられます。
仕事が辛い時の対処法
仕事が辛い状態から抜け出せない方は、自ら動き出して状況を変えなければいけない時かもしれません。こちらでは、どうしても仕事が辛い状況から抜け出せない時の対処法についてご説明します。
心身に不調が出たら休職も考える
仕事が辛い状態で無理に働き続けると、心身に不調が出てくる可能性があります。それは体からの「休め」というサインで、それでも無理して働き続けることにより、うつ病や怪我などを発症させてしまうことにもなります。
会社によっては、福利厚生として給料の一部をもらいながら一定期間休むことができる休職制度を設けている会社もあります。また、休職するためには医師からの診断書が必要になることが多いです。
今の体の状態をはっきりさせるためにも、まずは医師の診断をなるべく早くに受けることをおすすめします。
部署異動や配置転換をさせてもらう
今働いている部署に問題がある場合、人事部などに相談して部署異動をさせてもらうことも選択肢のひとつです。会社としても従業員に退職されて、また1から人員を補充するよりも、部署異動で状況が良くなるのであれば、応じてくれる可能性は高いです。
要望が通らなければ転職を考えても良いですから、まずは言うだけ言ってみることに大きな損はないでしょう。部署異動を認めてもらうためには、具体的にどのような理由で部署を変えたいかを明確に伝える必要があります。
「〇〇さんに毎日暴言を受けるなどの被害を受けている」「〇〇の作業で腰に負担がかかり腰痛の診断を受けた」など、状況をまとめておくと良いでしょう。メモやメールの内容、診断書などの形として分かる証拠があるとなお良いです。
別の会社に転職をする
小さい会社で部署異動ができない会社や、労働条件が悪い場合、転職することも前向きに考えていきましょう。今いる会社は、世の中にたくさんある会社のひとつにしか過ぎず、転職することで仕事に対して前向きになれることも珍しくありません。
私はもともと
— とっとこランサー (@Tottokolancer) March 1, 2019
「仕事できないやつ」
というレッテルを貼られた新入社員でした。
悩んだ末転職したら
「超仕事できるエース」
という扱いになった。
環境だけで評価が180度変わると学んだ。人の評価なんてそんなもん。
今は法人の代表取締役。
あの時転職していなければ、今の自分は絶対ないです。
今の仕事が辛いのであれば、転職することで状況が改善する可能性も高いですので、ぜひ転職に対しても前向きになってみてください。
転職を前向きに検討すべき状況としては、次の内容が挙げられます。
転職した方が良い人の特徴
- 残業が多い
- 休日出勤が複数回ある
- いじめやハラスメントがある
- 同業他社に比べて給料が著しく低い
うつ病などを患うリスクがあるため我慢しすぎない
我慢し続ければ今の状況を打破できると考えている方もいるのではないでしょうか?たしかに今の仕事に就いたばかりの方であれば、経験を積むことで今の辛い状況を克服できることもあるでしょう。
しかし、改善の兆しがないのにも関わらず、無理に働き続けるのはとてもリスクがあります。うつ病などを患ってしまったり、自身の成長にも繋がらないこともあるでしょう。
仕事がどうしても辛い方は、我慢し続けるのではなく、上記で紹介した状況を改善するためのアクションを起こしてみてください。
まとめ
今の仕事が辛い方は、まず今後の状況が改善されるかどうか考えてみてください。まだ入社したての方や、職場全体で改善の意思が見られる会社であれば、時間が経つにつれて問題が解消される可能性もあります。
その一方で、悪い状態が一向に改善されないような会社で働いている方は、休職や部署異動、転職などの次のアクションを自ら取っていくことも考えてみてください。
今の仕事が辛くても、環境が変わるだけで大きく状況が改善されることもたくさんあります。今の辛い状況は、むしろ状況を変えるべきサインだと前向きに捉えて、なにかしらの行動を起こしてみることをおすすめします。