30代で未経験の業界・職種に転職を考えている方は、転職がうまくいくかどうか心配になりますよね。
一般的に年齢が上がれば上がるほど、転職も成功しにくくなると言われていますが、30代から未経験で転職することは厳しいものでしょうか？
結論を先にお伝えすると、人手不足の企業も増えてきていることもあり、30代で未経験の職種への転職は十分に可能性があると言えます。
ただし、やはり年齢が上がるにつれ転職も難しくなりがちですし、さらには未経験となれば、難易度はさらに上がることは覚悟しておかなくてはなりません。
こちらの記事では、30代の方が未経験の業界・職種に転職する際に知っておくべきこと、アピール方法、転職しやすい職種などをご紹介します。
繰り返しますが、30代未経験でも、しっかり準備して転職活動に挑めば十分にチャンスがあります。今より良い職場で有意義に働いていくためにも、本記事をぜひ参考にしてみてください。
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30代の転職で未経験への職種は厳しい?
こちらでは、他の30代の方の転職の動向を見ながら実際に30代からの転職が難しいかどうかのご説明をしていきます。
30代未経験の転職は遅すぎることもない
【参考】令和2年雇用動向調査結果の概況｜厚生労働省（pdf）
上記は厚生労働省の調査による、年代別の離職率のグラフです。赤文字が30代の離職率ですが、30代だからといって突出して離職率が低くなるとは限らないようです。
言い換えると30代で転職をする方は決して珍しくはないということです。注目すべきは、男性の30前半と30後半の違いです。
ここで少し大きめの離職率の変化が起きています。同じ30代でも自分が30代前半か後半かどうかで転職の難易度が変わってくると考えておいた方が良いですね。
30代前半の方であれば、まだチャンスがある(むしろラストチャンスとも)と思って、しっかり準備をしながら前向きに転職活動を行っていきましょう。
30代後半の方は、確かに未経験分野への転職は厳しくなってしまいます…。とはいえ、業界や転職先を絞ったり、ご自身のこれまでの経験を生かせる仕事を見つけたりすれば、チャンスは十分にあり得ます。
30代の退職理由
これから未経験分野に転職しようと考えている方は、「業界そのものに限界を感じている」「給料や労働時間などの労働環境が良くならないと悟った」「体力がもたない」などの、今の仕事をこのまま続けることは厳しいと感じている方が多いのではないでしょうか？
実際に30代で自主退職した方で、退職理由として多かったものが以下の理由になります。
【参考】| 順位 | 男性の退職理由 | 女性の退職理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 会社の将来が不安：10.4％ | 人間関係の不満：12.3％ |
| 2位 | 人間関係の不満：10.0％ | 給料が少ない：9.9％ |
| 3位 | 給料が少ない：9.6％ | 労働条件が悪い：9.9％ |
特に30代男性に一番多かった理由の「会社の将来が不安」と感じている方は、会社だけではなく業界や仕事そのものに限界を感じている方も多いです。
そのような方は、30代からでも未経験分野への転職を考えている方が多いかと思います。
反対に、人間関係で不満がある転職であれば、わざわざ転職難易度も上がってキャリアアップの遠回りにもなり得る未経験への転職をする必要性は低いと考えられます。
会社を変えるだけでも職場環境がガラッと変わって、仕事に対するモチベーションが大きく変わることも十分にあり得ます。
30代からでも転職は遅くはありませんが、そもそも未経験分野に転職する必要があるかどうかをご自身の退職理由と照らし合わせながら考えてみましょう。
「転職は35歳で限界」は本当？
「転職は35歳で限界」とどこかで見聞きした方がいるかもしれません。ここまでお伝えした内容をまとめると、35歳からの転職でも遅くはなく、十分な可能性があると考えられます。
35歳転職限界説を否定する理由としては、少子高齢化により働き手が不足していたり、団塊ジュニア世代が50代になり始めて世代交代を控えていたり、35歳以上も対象とした採用活動も活発に行われているからです。
ただし、年齢が上がれば転職が難しくなってくることは変わりませんので、今の30代が転職を成功させるラストチャンスだと思って、真剣に準備を整えて転職活動に進んでいきましょう。
転職がうまくいかない30代の特徴
30代未経験でも転職は十分可能だとお伝えしましたが、それでも人によっては転職活動で苦戦してしまう人がいます。 転職がうまくいかない人の特徴と、それに対する対策をご紹介します。
スキルがない
未経験分野への転職であっても、働く上で応用できるスキルはいくつもあります。
今の職場で培ったスキルを上手にアピールして、転職先の仕事でも活かせることができれば、30代未経験でも採用される可能性が高くなります。スキルというものは、別に専門的なスキルである必要はありません。
例えば、顧客の悩みや要望を聞き出すコミュニケーション能力や、部下をまとめ上げて目標を達成するリーダーシップ、細かい作業を正確に期限内に終わらせる確実性など、アピールできる部分はどんどん書き出しておきましょう。
数値や具体的なエピソードがあると面接官にも伝わりやすいです。反対に、今の仕事をいい加減に惰性でこなしてしまっている方は、30代未経験での転職は難しくなってしまいます。
場合によっては、今の職場で気持ちを入れ替えて仕事に取り組んだ方が良い結果になることもあるでしょう。
キャリアがない
スキルと同様に、アピールできるキャリア・実績がないと30代未経験での転職も厳しさが増します。
こちらもできる限り、「〇〇の担当に就き売上を○％上げた」「人事担当として離職率を○％下げた」「新商品を企画していくら売れた」など、より具体的に伝えられるように準備しておくと良いでしょう。
転職を繰り返しすぎている
30代で既に何度か転職をしている方もおられるでしょう。あまりに短期間での転職が多ければ、転職希望先の会社から悪い印象を持たれてしまいます。
30代で未経験というだけで、転職が少し難しい状態からスタートしますので、それに併せて転職を繰り返していると未経験での転職は難しいでしょう。
何度か転職をしているということは、複数の業界や職種での経験がある方もおられるでしょうから、経験がある仕事も選択肢に入れることをおすすめします。
年収が下がることを許容できない
30代の方は、10年ほど働いていて、出世して給料が高い方も多いでしょう。30代で未経験の職種に転職をすれば、今より給料が下がってしまうことも十分に考えられます。
給料アップで転職を望むのであれば、今の仕事に関連する分野やで、今の職場で役職に就くなどを目指した方が確実であると言えます。
30代未経験の転職を成功させるには
30代未経験であっても、しっかり準備や戦略を立てて転職に挑めば、転職を成功させることも十分可能です。こちらでは、30代未経験の転職を成功させるためのヒントをご紹介しますので、参考にして少しでも取り入れてみてください。
今までの仕事の経験を生かせる仕事を探す
未経験の転職といっても、業界や職種を一気に変える方も少ないでしょう。
例えば、業界はそのままで別職種への転職であれば業界知識を活かした転職ができますし、営業職で業界を変えての転職であれば営業での経験は十分なアピールポイントです。
また、接客業から営業へ、事務職からより専門的な財務職へなど、職種は違ってもこれまでの経験の延長線上にあるような仕事であれば、転職も成功させやすいでしょう。
資格を取得した上で転職する
未経験で転職するにしても、その仕事に関連する資格を取得しておくことをおすすめします。
30代で未経験への転職となると、どうしても難易度が上がってしまいますので、少しでも可能性を高めるためにもできる部分は準備しておくのです。
上でもお伝えしたように、転職を繰り返したりさらに年齢が上がるにつれて、転職の難易度は上がっていきます。 次の転職先を一生の仕事にするつもりで真剣に選んで、前もって出来る準備をしておきましょう。
未経験でも転職しやすい業界を選ぶ
30代で未経験の職種や業界への転職は難易度も少し上がりますので、転職がしやすい業界に狙いを絞って会社を探してみると、転職も成功しやすいかもしれません。
30代でも転職しやすい、業界・職種としては次のような仕事があります。
- 営業職
- 介護・福祉職
- サービス・飲食業
- 現場作業員
- 運送業・ドライバー
ただし「転職しやすい＝待遇や労働環境が悪い業界」の可能性も高いと考えられます。
転職して「やっぱり前の職場が良かった」と後悔してしまわないためにも、事前に企業研究はしっかり行っておくようにしましょう。
高い条件を求めすぎない
どの部分は妥協できて、どこは妥協できないかをはっきりさせておくと、納得できる転職にすることができます。
例えば、「今より給料は下がってもいいけど、月に20時間以上残業しない会社」などあらかじめ自分の中で決めておきます。
今より給料も労働条件も良くなることがベストですが、全て良くなるように考えていると、なかなか転職先の会社が見つからないまま時間だけが過ぎてしまう結果にもなってしまいます。
30代未経験でも転職しやすいおすすめの業界や職種
こちらでは、30代未経験でも比較的に転職がうまくいきやすい業界や職種をご紹介します。
ただし、注意すべき点として、未経験でも採用されやすい理由として、人手不足や労働条件が悪いなどの原因があることも考えられます。
転職後に後悔してしまわないように、業界や転職先の調査・研究をしっかりしておくようにしましょう。（参考：30代から目指せる職業14選を男女別に紹介）
30代未経験で転職しやすい業界
それでは、まずは30代未経験でも転職しやすい業界からご紹介します。
飲食・サービス業
飲食・サービス業界は、そこまで高い専門技術を求めていない採用も多く、未経験でも採用されやすいです。
差し障りのない接客ができるコミュニケーション能力や繁忙期の忙しさや立ち作業に耐えられる体力があれば、30代未経験でも採用されることもあるでしょう。
ただし、飲食・サービス業界では、薄給・長時間労働・休みが少ないなどの不満点を感じて転職を考える方も多いです。
また、給料が低いまま店長職にさせられる名ばかり店長になってしまうようなこともありますので、会社の評判にも注目しておきましょう。
運送業・ドライバー
運送業やバス・タクシー等の運転手は、人材が不足している会社も多く、該当する免許さえ取得していれば、30代未経験でも採用されるチャンスがあります。
ただし、運送業やドライバーも労働時間が長く、拘束時間の割には給料が低い会社も多いことが事実です。事前に実労働時間や会社の評判をきちんと調べておきましょう。
良い面としては、基本的に一人でいる時間が多く、煩わしい人間関係のストレスが少ないことが挙げられます。
介護・福祉
介護・福祉業界は、今後も需要が高まる一方で、働き手が増えない現状にあります。30代未経験の方であっても、採用されるチャンスは非常に高いです。
ただ、こちらも人材不足に陥っているだけの理由が多くあります。長時間労働や激務、それに加えて利用者や利用者家族、社内の人間との人間関係での問題が生じることも多い職場があります。
人間関係でストレスを感じやすい方には、少し難易度が高いお仕事かもしれません。
反対に、人のお世話をすることにやりがいを感じる方や職場環境が良い会社に採用されれば、利用者からも感謝されて天職にできるかもしれません。
いずれにしても介護・福祉の現場での仕事内容やリアルな声などを事前チェックしておくようにしましょう。
30代未経験で転職しやすい職種
30代からでもその職種でのスキルを上げていけば、一生ものの仕事にしていけますので、心機一転新しい仕事に挑戦してみましょう。こちらでは、30代未経験でも比較的に挑戦しやすい職種をご紹介します。
営業職
営業職はどのような会社にもあり、非常に幅広い業界で働くことができる職種です。
高いコミュニケーション能力や目標達成能力は必要とされますが、逆を言えば結果さえ出せれば給料にも直結しやすく、やりがいを感じられる仕事です。
コミュニケーション能力や人柄は、これまでの職歴に関係なくアピールできる部分でもありますので、ご自身の強みをアピールしていきましょう。
事務職
営業とは違い、会社の裏方である事務職の仕事も30代からでも挑戦がしやすいです。
また、日商簿記検定やMOS (Word、Excel、PowerPointなどの利用スキルを証明する国際資格)など、事務職に就く際にアピールしやすい資格も多くあります。
未経験であっても資格を先に取っておけば採用のチャンスを高めることができます。
販売職・接客業
販売員や接客業もそこまで高い技術を求めておらず、未経験でも採用可能にしている会社が多くあります。
販売の仕事でコミュニケーション能力や提案力を高めれば、営業職などにも転職がしやすいです。
反対に営業職での厳しいノルマに限界を感じた方でも、人と接することが好きであれば販売・接客の仕事で活躍できたりする場合もあるでしょう。
現場作業員
土木や建設現場での作業員は、人手不足の会社もあり、30代未経験でも募集がされていることも多いです。
肉体労働になるので、体力勝負になる部分もありますが、普段からスポーツをやっているような体を動かすことが好きな方には、そこまで苦にすることなく働ける転職先になるかもしれません。
監視・管理
警備員やビル管理人は、年齢層が高く、30代未経験でも若手として採用されるチャンスが高いです。
ただし、業務内容によっては夜間に働くこともあるので、特に家族がおられる方などは、自分が考えている理想の働き方と相違がないかをきちんと調べておきましょう。
まとめ
30代未経験でも転職を成功させられるチャンスは十分にあります。未経験であっても、これまでの経験でアピールできる部分もありますので、自分のアピールポイントや実績を書き出してみましょう。
ただし、給料や労働時間、仕事内容など全てを今より良くできるとは限りません。自分の中で、どこまで妥協できてこれだけはクリアしておいて欲しい条件などを事前に決めておくことで、満足できる会社も見つけやすくなってきます。
全部自分で調べたり自己診断したりすることもできますが、転職サイトの情報や転職エージェントのアドバイスなども有効活用しながら、満足できる転職をしていってください。
