転職を何回か経験している方の中には「これ以上転職するとまずいかもしれない…」「転職回数が多いと人生終わりだと言われた」という方もいるかもしれません。たしかに転職回数が多いと、企業側からの印象が悪くことがあります。
では、転職を繰り返す人は転職先が見つからないのでしょうか?本記事では、転職回数が多いとどうなるのかについてご紹介し、転職を繰り返す人の特徴も解説します。
「転職回数が多いと人生終わり」ではありません
結論から言うと、「転職回数が多いと人生終わり」ではありません。たしかに転職回数が多いことで、すぐに辞める人という印象を企業側が持ち、転職活動が不利になる可能性はあります。
しかし、転職先が見つかりにくいことはあっても、選ばなければ転職先は無数にあります。また、慢性的な人材不足に陥っている業界もあり、転職回数を気にしないこと企業も多いのです。
転職サイト「リクナビ」が企業の採用担当者に行ったアンケートによると、「転職回数は気にならない」と回答した企業は15%となっています。つまり10社に1~2社程度は、求職者の転職回数は気にしないのです。
転職を繰り返す人の末路とは
ここでは、転職を繰り返す人の末路についてご紹介します。
- 周りからクズ扱いされることも
- すぐ辞める人だと判断される
- 実績がなにも残らない
- 年収や役職がずっと上がらない
順番に解説します。
周りからクズ扱いされることも
転職を何度も行うことで、周りからクズ扱いされるケースがあります。 一般的に、転職を繰り返すと周囲からは「嫌なことからすぐ逃げる人」と思われがちです。
例え理不尽な扱いを受けて退職したとしても、周りからの見方は「もう少し我慢した方がいい」と思われてしまい、なかなか理解されにくい傾向があります。これにより、周りから白い目で見られてしまうこともあるでしょう。
すぐ辞める人だと判断される
「転職回数が多い=すぐ辞める人」と判断されやすいのも、転職を繰り返すデメリットです。単純に転職回数が多ければ、その分会社の在籍期間が短く、仮に転職活動を行ったとしても採用担当者からは「すぐ辞められるのでは?」と思われてしまいます。
転職したくてもできないような状況に陥る可能性もあるため、すぐ辞める人だとみなされるのは大きなデメリットと言えるでしょう。
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実績がなにも残らない
何度も転職を繰り返す人は、会社にいる期間が短いため、スキルがなかなか習得できません。スキルが身に付かなければ会社の戦力にならずに、実績が何も残せないということにもなりかねません。実績が残らなければ、転職活動の際の自己PRなどが弱く、中々内定が取れない可能性もあります。
年齢が上がるほど、見合った実績や経験があるかという部分を見られることも多いです。今よりももっと良い会社に転職したいという方は、アピールできる実績があるかどうかも考えておきましょう。
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年収や役職がずっと上がらない
会社に在籍する期間が短いと役職を付きづらく、結果的に年収も上がりにくい傾向があります。新しい会社に転職する際は、基本的に前職の年収が考慮されて給料が決まることが多いです。
会社から評価される前に、転職を繰り返すとなかなか年収も上がりづらくなります。しかし、専門的なスキルを持っていて、相場的に見て自分の給料が低い場合は、転職をすることで年収が大きく上がる可能性もあります。
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転職を繰り返す人の性格の特徴
転職を繰り返す人の特徴として、以下4つの人が該当します。
- 我慢するのが苦手
- 何事にも飽きっぽい
- コミュニケーションが苦手
順番に解説します。
我慢するのが苦手
少しでも嫌なことがあると逃げてしまう癖がある人は、すぐに転職をしようとする傾向があります。仕事をしていると良い事ばかりではないですし、上手くいかないことも多いでしょう。
しかし、その度に逃げてしまっては、その仕事が自分に向いているかどうかも判断することができません。激務であったり、ハラスメントがあるような会社で我慢する必要はありませんが、仕事で嫌なことは絶対に起こります。
その度に転職していると、労働条件が厳しい会社にしか採用されなくなり、結果的に自分をさらに苦しめてしまう可能性もあります。
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何事にも飽きっぽい
何事にも飽きっぽい性格をしている人は、すぐに転職をしようとしがちです。一般的に仕事を始めたての頃は、業務に慣れようと必死になるため、転職を考える暇がありません。
しかし、ある程度仕事に慣れてくると、同じ仕事の繰り返しとなるため、仕事への熱が冷めてきやすくなります。結果的に仕事に飽きてしまい、転職先を探すようになるのです。
コミュニケーションが苦手
転職を繰り返す人の特徴として、コミュニケーションが苦手な人が挙げられます。 コミュニケーションが苦手な人は、会社での人間関係をうまく築くことが難しく、居心地が悪いと感じるでしょう。
居心地が悪いと、働いていても仕事に身が入らず、出勤することさえ嫌になります。結果的に、他の仕事を探すようになり転職を繰り返してしまうのです。
コミュニケーション能力は、社会人として最も大切なスキルと言っても過言ではないため、克服しなければ同じことを繰り返す恐れがあるでしょう。
転職を繰り返す人は病気なの?
転職を繰り返すのは性格や環境による影響が大きいです。しかし、「もしかしたら自分は病気かもしれない」と自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。特に、以下に該当する人は転職を繰り返す傾向があると言われることがあります。
- 人間関係リセット症候群
- うつ病
- ADHD
順番に解説します。
人間関係リセット症候群
人間関係リセット症候群とは、ふとした時に人間関係をリセットしてしまうことを言います。
人間関係リセット症候群は治療が必要な病気ではなく、人間が陥りがちな心理状態を表した造語のひとつです。そのため、人間関係リセット症候群の特徴のある人が病気であるわけではありません。
突然、周囲の人間関係を切り捨てようとする人は意外にも多いですが、だからと言って病気なわけではありません。多くの人と交わる人間関係に疲れてしまうことが原因で起こる症状です。
今の会社や友人などの人間関係に疲れている人は、自分にとってストレスになる人を遠ざけるために、転職を選択する方も多いでしょう。
うつ病
仕事で大きなストレスやプレッシャーを感じ、心身状態が優れずに体調を崩してしまう人もいます。 特に「真面目」「完璧主義」などの性質がある人は、うつ病になりやすいと言われています。
うつ病になりやすいタイプとして、「まじめで責任感が強く、人あたりもよく、周りから評価も高い人」が多いと言われています。
仕事がうまくいかなかったり上司に怒られたりして、メンタル面の不調を抱えている人は多く、それが原因で転職をするケースも多いです。結果的に、転職先でもうまくいかずに転職を繰り返すことにもなるのです。
「うつ病」になってしまったら、まずは自分の体調を回復させることを最優先し、転職する以外にも休職したりすることも視野に入れましょう。
ADHD
ADHDは「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」とも呼ばれており、不注意やじっとしていられないなどの症状があることです。
注意欠如・多動症(ADHD)とは、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴
ADHDの人が転職を繰り返す理由として、以下の2つが挙げられます。
- 自分に向いていない仕事をしている
- ADHDについて職場の理解を得られない
ADHDの性質上、苦手なことと得意なことの差が激しく、自分の苦手なことや興味のないことを任されるとミスをしてしまうことが多いと言われています。
ADHDは、周りからは分かりづらく、なかなか理解されがたい症状でもあります。ただし、自分の興味のあることには情熱を注ぐことができるため、向いている仕事に就けば才能を十分発揮できるでしょう。
【参考】ADHDの方が転職を繰り返す理由と成功するためのコツを紹介|UMBRE
転職を繰り返すメリット
転職を繰り返すことはデメリットと捉える方が多いですが、メリットも多くあります。代表的なメリットとしては、次の2つがあげられます。
- 向いている仕事が見つかる
- 様々な経験を積める
転職を繰り返すメリットとして、自分に合った仕事を探せる点が挙げられます。転職を繰り返すと、さまざまな職場環境を体験し、多くのノウハウを学ぶことが可能です。
前職で学んだノウハウは、転職活動でアピールできますし、企業から評価されることもあります。 結果的に、自分に最適な仕事を見つけられることにもつながるでしょう。
転職を繰り返す人のよくある質問
最後に、転職を繰り返す人に関するよくある質問をご紹介します。
20代で転職を繰り返すのは何回までセーフ?
結論からお伝えすると、転職回数は1〜2回までなら許容範囲内です。20代の平均的な転職回数は1~2回程度なので、それ以上回数が多いと企業側も気にすることは多いでしょう。
しかし、転職回数を気にしない企業も多いため、転職を繰り返しているからと言って必ずしも不利になるとは言えません。あまり神経質になりすぎなくても良いでしょう。
【関連】20代の転職回数の平均は1回!20代で転職しまくりはヤバい?
夫が転職を繰り返す。どうすればいい?
夫が転職を繰り返している場合、何が原因なのかを一緒に考える必要があります。転職をしてしまう理由は色々考えられますが、よくある理由としては「人間関係」「給与」「労働環境」の3つです。
人間関係などが理由であれば、あまり妻に話したがらないこともあるかと思います。しかし、仕事でストレスを抱えすぎると、夫婦関係にも影響が出てしまう可能性もあります。
夫の仕事自体をサポートすることはできませんが、家ではなるべく精神的なフォローをしたり、場合によっては転職先を一緒に探したりしても良いでしょう。
まとめ
本記事では、転職回数が多いとどうなるのかについてご紹介し、転職を繰り返す人の特徴も解説しました。 我慢するのが苦手だったり飽きっぽかったりする人は、転職回数が多くなる傾向があります。
仕事に慣れるまでに時間がかかりますが、その度に転職していては本当にやりたいことが見つからなくなります。 自分に向いてる仕事を見つけるためにも、すぐ転職を考えるのではなく、一度冷静になって考えてから決断を下しましょう。