裁判所のイメージ画像

不倫裁判とは、不倫による慰謝料請求の可否や金額などを決める裁判のことです。不倫が発覚した際に、不倫相手や配偶者に対して「訴えてやる!」と考える方も多いでしょうが、最終的な方法として取るものが不倫裁判です。

その一方で、浮気が分かったからと言って、いきなり裁判から始めるケースはほとんどなく、はじめに当事者同士で話し合って慰謝料を決めていくことが通常です。

話し合ってみても、相手が不倫を認めなかったり、請求に応じなかったりして、どうしても話がまとまらないような場合に、最終的に不倫裁判によって白黒ハッキリさせるものだとお考えください。

不倫裁判の前にも、当事者同士での話し合いや慰謝料請求調停など、できることがあります。こちらの記事では、これから不倫裁判を開始しようと考えている方のために、不倫裁判のやり方や注意点、不倫裁判を行う上での疑問点などを解説していきます。

浮気調査ってこんな安いの?

浮気調査はすごい高いイメージがありますが、街角相談所という探偵マッチングサービスを利用すれば、調査費用が最大40%割引になります。短期間の調査などであれば、想像以上に費用が安く済むことも。

診断フォームへの入力で費用を簡単に調べられるので、浮気に悩む方はぜひ無料診断を利用してみてください。

\ 月間利用者数1000人以上 /

簡単30秒 / 匿名OK最安値を無料診断してみる

もっと詳しく見る

不倫裁判とは

冒頭でもお伝えしたように、不倫裁判とは、不倫による慰謝料請求の可否や金額を決めるための裁判です。まずは、不倫裁判がどのようなものなのかを次の3つの項目に分けながらご説明していきます。

  1. 不倫裁判の費用
  2. 不倫裁判の流れ
  3. 解決までの期間

不倫裁判にかかる費用

不倫裁判にかかる費用は、弁護士に依頼しない場合、合計で3〜5万円くらいでしょう。特に大きな割合を占める費用が『印紙代』で、訴額(請求する慰謝料額)に応じて上がっていきます。訴額100万円→印紙代1万円、200万円→1.5万円、300万円→2万円といった形です。(参考:手数料額早見表|裁判所

他には、裁判期間中は何度か裁判所に足を運ぶことになりますので、ある程度の交通費も加味しておくと良いでしょう。弁護士に裁判の代理を依頼する場合、弁護士費用だけでも50万円前後はしてきます。

また、慰謝料が高額になれば、弁護士費用も高くなってくる傾向にあります。 弁護士に不倫裁判を依頼しなければ費用も大幅に抑えられますが、裁判そのものの手続きが煩雑でミスも発生しやすくなるため、裁判で弁護士に依頼しないことはかなり稀なケースだとお考えください。

不倫裁判にかかる費用一覧
費用の種類 内容 相場
印紙代 訴訟の定期をする際に裁判所に納める費用。訴額(請求額)に応じて印紙代も上がる 2万円前後
予納郵券代 裁判所から当事者に郵便物を送る際にかかる費用で、原告が費用を支払う必要がある 約6,000円
実費 印刷代、郵送費、交通費などの手続きにかかる費用/td> 計3万円前後
弁護士費用 弁護士に依頼した際にかかる費用。必須ではないが、裁判になれば弁護士の必要性が高くなる。/td> 50万円前後

不倫裁判の進み方の流れ

不倫裁判の大まかな流れと期間についてまとめると、以下のようになります。

  1. 訴訟の提起(1~2ヵ月)

  2. 口頭弁論(半年~1年)

  3. 証人尋問

  4. 判決

  5. 判決確定・控訴(判決から2週間)

訴訟の提起

原告(訴訟を起こす人)が裁判所に訴訟の提起をしてから手続き開始となり、そこから解決までは1年以上はかかるものだとお考えください(裁判所の混み具合による)。

訴訟の提起をする裁判所ですが、基本的に原告の住居地を管轄する裁判所で問題ありませんが、場合によっては相手住所や不倫が行われた地域を管轄する裁判所に申立てることも可能です。

【関連】浮気相手から慰謝料を取る方法と払わない時の対処法

口頭弁論

訴訟の提起から1〜2ヶ月で第1回口頭弁論の期日が決められます。口頭弁論では、事前に準備した書面内容に沿って訴訟の趣旨や目的、要求などが確認されます。相手からの主張も口頭弁論で行われ、それらを踏まえて裁判所から和解案が出されることもあります。

和解できればその内容で解決となり1年以内の解決もあり得ますが、和解に至らない場合、何度か口頭弁論が行われ、証人尋問も行われます。

証人尋問

証人尋問では、法廷に証人が呼ばれ、証人に対して原告と被告がそれぞれ尋問をしていきます。第三者である証人の発言も立派な証拠として扱われるのです。

判決

口頭弁論や証人尋問での内容を踏まえ、裁判官は慰謝料請求の可否や金額を決めた判決を出します。判決を法廷で直接聞くこともできますが、民事裁判では後日判決文が郵送されることが多いです。

判決確定・控訴

原告・被告のどちらとも判決内容に不服がある場合には、判決の内容が知らされてから2週間以内に控訴することができます。

控訴をすると、今度は高等裁判所で争うことになり、さらに時間と労力、弁護士費用などがかかってきますので、よっぽどのことがない限り控訴することもないでしょう。2週間以内に控訴がなければ、判決確定となります。

不倫裁判にかかる期間

上の図でも記載していますが、不倫裁判では、訴訟の提起から判決が出るまでは1年〜1年半の期間がかかります。途中で和解に至れば1年以内での解決になることもありますし、判決に不服が出て控訴することがあれば、解決まで数年単位の問題にもなり得ます。

不倫裁判で浮気相手を訴えるメリット

このように、手間も費用も期間もかかってしまう不倫裁判ですが、裁判で浮気相手を訴えるメリットもあります。

事実をハッキリさせられる

当事者同士の話し合いでは、相手が不倫を認めないこともありますし、感情的になっていて話が進まないようなこともよく起こります。不倫裁判になれば、裁判官が双方の主張を聞き、証拠等から不倫の事実や適した慰謝料額などを判断してくれますので、白黒ハッキリさせることができます。

ただし、後述しますが、不倫(不貞行為)があったと分かる証拠が準備できなければ、裁判官にも不倫の事実があったと判断してもらえなくなりますので、証拠の存在が非常に重要になります。

裁判によって慰謝料金額が決まる

不貞行為の有無や慰謝料の可否がハッキリ決まるだけではなく、慰謝料の金額も明確に決められます。慰謝料の金額は、不倫前の夫婦関係や婚姻期間、不倫の回数や不倫相手の収入など、さまざまな要素を加味して決められ、過去のケースに当てはめて簡単に出せるようなものでもありません。

当事者だけで金額を決めようとしても、「もっと低く」「もっと高く」と、お互い譲れずに話し合いが難航してしまいますが、裁判所が出した金額であればお互いに納得することも多いでしょう。

強制執行ができるようになる

たとえば話し合いによって慰謝料の支払いが決まった場合、途中で慰謝料が支払われなくなるような問題も起こり得ます。しかし、不倫裁判によって決まった内容では強制執行が可能になります。

強制執行では、相手の給料や銀行口座を差し押さえできるようになります。また、相手が支払いに応じなくなった場合でも強制的に慰謝料を回収できるようになります。

不倫裁判で浮気相手を訴えるデメリット

その一方で、不倫裁判にはデメリットもあります。 何度かお伝えしているように、不倫裁判は話し合いでも解決しない場合の最終手段のような立ち位置ですので、できる限り話し合いで解決させた方が時間も労力もかけずに解決させていくことができるでしょう。

時間と労力がかかる

ここまでにお伝えしたように、不倫裁判の訴訟の提起から判決まで1年〜1年半の期間を要します。その間、何度も裁判所に出向く必要があり、指定される日にちは原則的に平日日中のみです。

仕事や家事などをしながら何度も裁判所に行くことも負担でしょうし、不倫問題について1年以上も解決しないまま手続きを続けなくてはならないことは心身ともに負担になります。

当事者同士の話し合いでお互い納得して慰謝料額を決めることができれば、数ヶ月で問題解決に至ることも多いので、できる限り早期に弁護士に依頼して話し合いで解決させることが望ましいです。

弁護士費用がかかる

費用の項目で簡単に触れましたが、不倫裁判になったのであれば、弁護士への依頼は必須になってきます。不倫裁判を弁護士に依頼すれば50万円前後は弁護士費用がかかりますので、金銭的負担が増えます。

不倫裁判を弁護士なしで進めていくことも不可能ではありませんが、手続きが煩雑で裁判所にも出向く回数が多いため負担が非常に大きくなります。話し合いでの解決であれば、交渉代理や請求書の作成などポイントで弁護士に依頼することもでき、裁判のケースよりも弁護士費用が低くなることが多いです。

不倫裁判をする前に確認すべきこと

これから不倫裁判をしようと思ってこちらの記事をご覧になっていることでしょうが、不倫裁判をする前には、必ず次の2点を確認してみてください。

浮気相手を訴えたい気持ちもわかりますが、焦りや準備不足で裁判を起こしてしまっても、時間や労力をかけただけの徒労に終わってしまう可能性があります。

そもそも裁判をした方がいいのか

そもそも、不倫裁判とは相手との話し合いがどうしてもうまくいかない場合の最終手段のような立ち位置です。不倫されたからといっていきなり裁判をするようなことは滅多にないとお考えください。

例えば不倫の慰謝料請求をする場合、請求→話し合い→和解の主な順番で進めていきます。さらには、当事者同士での解決が難しいようであれば、第三者を交えた話し合いである『慰謝料請求調停』も裁判所を介した方法としてあります。

その中で「不貞行為などしていない!」「あなたにも責任がある!」などと話し合いにならないようなことになって、はじめて裁判を検討し始めます。

  • 相手が浮気を認めない
  • 慰謝料等の条件で折り合いがつかない
  • お互いに感情的になっている

以上のような状況でもない限り、裁判を考えるのは早計だと言えるでしょう。

【関連】不貞行為を認めない場合の対処法と立証が難しい理由

客観的な証拠があるか

不倫裁判での判決は、裁判官が原告・被告の双方の主張や証拠によって判断して下されます。いくらあなたが強く「不倫された」と思っていたり、不倫の現場を目撃したりしたとしても、証拠がなければ、主張を通すことが難しくなってしまいます。

不倫裁判を考えているのであれば、あらかじめ証拠を揃えておく必要があります。もし証拠がないのであれば、訴訟手続きに入る前に証拠を集めることから考えてください。

【関連】 浮気の証拠がない時の集め方と慰謝料請求で有効な証拠

不倫裁判でよくある質問

最後に、不倫裁判に関してよくある疑問に関して解説していきます。

裁判で負けた場合はどうなる?

原告側(不倫された人)の慰謝料が認められなかったり、大幅に減額されたりした場合、不服に思うようであれば判決から2週間以内に控訴することができます。

控訴しない場合、その判決に沿って慰謝料が支払われますし、慰謝料が認められなければ、もちろん慰謝料が支払われることはありません。

一方で、被告側(請求相手)が裁判に負けた場合、控訴しない限り、決められた期日までに決められた金額の慰謝料を支払わなくてはなりません。

もし支払いが滞るようなことがあれば、強制執行によって相手の財産を差し押さえることが可能です。

【関連】給料を差し押さえられたら会社はクビ?会社にバレる?回避方法は?|債務整理note

裁判で認められる慰謝料の相場は?

不倫裁判で認められる慰謝料の額は50〜300万円程度になることが多いです。ここまで金額に幅が出てしまう理由は、不倫の回数や被告の収入、原告の夫婦関係など、さまざまな要素によって金額が決められるからです。

具体的にどのような要素によって慰謝料額が決まっていくのかは、次の記事を参考にしてみてください。

【関連】 浮気の慰謝料相場は50~300万!請求条件や離婚の有無による金額の違い

まとめ

不倫裁判とは、不倫をした浮気相手や配偶者に対して慰謝料請求し、請求を認めてもらったり、慰謝料額を決めてもらったりする裁判です。まず、大前提として不倫裁判は最終手段のような方法だと覚えておいてください。

不倫の慰謝料請求は、当事者同士での話し合いや第三者を交えた話し合い(調停)といった方法をとった方が、時間も労力もかけずに解決させやすいです。裁判になってしまうと、解決まで1年以上は覚悟しておかなくてはならず、時間と労力がかかります。

また、ご自身の主張を通すためには、不貞行為の証拠を事前に準備しておくことも大事です。不倫裁判での弁護士依頼は必須ではありませんが、手続きの煩雑さや長期間の労力がかかることから、依頼するケースがほとんどです。

相談自体は無料でできることも多いので、実際に訴訟の提起をする前に、必ず一度は弁護士に相談して、状況に応じた適切な方法をアドバイスしてもらうことをおすすめします。