デートをする男女

「配偶者が誰かと頻繁に食事に出かけている」「ドライブや映画に出かけている痕跡がある」配偶者のこのような行為に気が付いた場合、心がざわついて当然です。

では、肉体関係がなく、デートだけの関係の場合には慰謝料の請求はできるのでしょうか。また、同性同士の恋愛関係を見つけてしまった場合には慰謝料の請求はどうなるのでしょうか。

この記事では「肉体関係がない不倫と慰謝料請求」をテーマに、肉体関係とはいったいどこから指すのか、慰謝料請求をする場合の方法や注意点などを中心に詳しく解説します。

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肉体関係なしの不倫で慰謝料は原則発生しない

配偶者が誰かとデートをしていると知ったら、ショックを受ける方は多いのではないでしょうか。既婚者とデートをするような相手には慰謝料請求をしたい、と考える人もいるでしょう。しかし、不倫や浮気のすべてが慰謝料請求できるわけではありません。

不貞行為とは「配偶者が第三者と肉体関係を持つこと、性交渉をしていること」を意味します。

不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味する、民法770条に離婚事由として規定されている法律用語である。

引用元:不貞行為 - Wikipedia

つまり、デートだけしか証拠が無い、ただの友人関係である等のケースでは慰謝料請求は原則できません。プレゼントを贈っていた、親しく頻繁に会っていたことがわかっても慰謝料請求は難しいのです。

肉体関係とはどこからか

肉体関係がない場合に慰謝料請求はできない、と解説しました。では、肉体関係とはどこからの行為を意味するものでしょうか。一般的に肉体関係は「男女間の性器の挿入」を意味しています。

しかし、性交渉とは単純な性器の挿入だけとは考えにくく、オーラルセックスなどの行為も含むと考えられています。つまり、キスやボディタッチ程度の行為は肉体関係とは認められない可能性があります。

不法行為に該当すれば慰謝料を請求できる可能性がある

では、肉体関係が無ければ慰謝料請求について諦めなければいけないのでしょうか。実は肉体関係が無くても、「不法行為」に該当していると認められれば慰謝料請求ができる可能性はあります。不法行為とは幸せな結婚生活を侵害する、脅かす行為をした場合も該当します。

つまり、肉体関係の証拠自体は無くても可能性を強くうかがわせる証拠がある場合や、離婚をほのめかすようなメールや電話は結婚生活を脅かすものとして不法行為に該当する可能性が高いのです。例えば、以下の4つのようなケースでは実際に慰謝料請求が認められることがあります。

不法行為に該当する可能性がある事例
  • 肉体関係をうかがわせるようなメールや電話などがある
  • 離婚をほのめかす内容のメールや電話などがある
  • 宿泊をともなうデートが多い
  • キスやそれ以上を連想させる写真がある

肉体関係がはっきりとわかる写真や過去に行為があったことがわかるメールはなくても、肉体関係をうかがわせる内容がある、宿泊をともなうデートの頻度があまりに多い場合等は、その他の状況などを照らし合わせながら慰謝料請求が行われることがあります。また、離婚に至った場合には子どもの有無や婚姻期間なども踏まえて慰謝料金額が決められています。

【関連】メールやLINEだけの関係で浮気の慰謝料は請求できる?

同性間の不倫の場合

では、もしも配偶者が同性間と親しい関係にあった場合にはどうするべきでしょうか。以前は同性間の不倫について、肉体関係があったとしても不貞行為には該当しないと考えられていました。

これは同性間における肉体関係なら性器の挿入をともなわないためです。 しかし、近年はたとえ同性間であってもオーラルセックスのような肉体関係があったなら結婚生活を脅かす不法行為であると認めるケースもあります。

肉体関係なしで慰謝料が認められた判例

不貞行為が無ければ慰謝料請求は原則できないと解説しましたが、肉体関係がない場合でも慰謝料請求が認められた判例もあります。

プラトニックな関係だったとしても慰謝料請求が認められたケースがあるのです。以下主な判例をご参照ください。

平成26年3月 大阪地裁の判例

大阪府内の女性が、夫の同僚女性に220万円の損害賠償を求めた訴訟。判決では肉体関係はないと認めたものの44万円の支払いを命じた。

夫からのアプローチを明確に拒まず、デートを重ねた行為は結婚生活を脅かすものであると認定。

平成15年3月 東京簡裁の判例

夫が元妻に慰謝料請求を行った裁判で、不貞は立証できなかったものの親密な関係を第三者の男性と築いた行為は不法行為であると認定。

二人だけで旅行に行った、プレゼントの交換があったことなどを踏まえて不法行為の成立を認めている。

平成24年11月 東京地裁の判例

妻から不倫相手への慰謝料請求の訴訟。肉体関係は認めないものの、メールで親密な関係をうかがわせる内容があったことを元に「婚姻生活が脅かされた」ことを認め、不法行為として慰謝料請求を認めた。

肉体関係がない不倫の慰謝料相場

肉体関係がない場合でも慰謝料請求が認められたケースを紹介しました。では、肉体関係が無い不倫の場合、慰謝料の相場はどの程度なのでしょうか。肉体関係が無かった場合の慰謝料相場は50万前後とされています。

この金額は肉体関係があったケースの相場と比べると低い金額です。肉体関係があった不貞行為への慰謝料請求は数十万~300万程度とされています。そもそも慰謝料が認められない可能性も踏まえると、訴訟をすべきかどうかは慎重に判断をする必要があるでしょう。

【関連】浮気の慰謝料相場は50~300万!請求条件や離婚の有無による金額の違い

不貞行為なしで慰謝料請求をされたら

ただの友人関係だったにも関わらず、もしも不貞行為を疑われて慰謝料請求をされてしまったらどうすればいいでしょうか。以下の4つのポイントを紹介します。

慰謝料の請求は無視をしない

不貞行為をしていないのに慰謝料請求を受けてしまった場合は、あらぬ誤解を受けたことに対して「無視をしてしまう」ケースが見られます。無視をしてしまうと請求を行った方はさらに激高し、訴訟を起こす可能性もあります。

また、事実無根であっても訴状を無視しては認めたことになってしまいます。2人で出かけている写真やメールのやり取りなど、疑念を持つような証拠を所有している可能性も高いので、まずは話し合いの機会を持つことがおすすめです。肉体関係がない、誤解を持たれるような関係ではない、と主張しましょう。

慰謝料を支払わない方針で対抗するケース

慰謝料請求を受けても、不貞行為を行っていない場合には支払いに応じる必要はありません。無視をするのではなく、「不貞行為はない、慰謝料は支払わない」という意思表示をしましょう。

たとえ相手が脅すような発言を繰り返しても、していない行為に対して慰謝料を支払う必要はありません。

少額の慰謝料を支払い解決するケース

不貞行為がない場合でも、本記事の文中で解説のとおり親しく旅行に出かけていたり、プレゼントを何度も受け取っていたりと親しい関係を継続していた場合は慰謝料請求が認められる可能性があります。

長期的なトラブルに発展してしまうことを避けたい場合には、謝罪の意味を込めて少額の慰謝料を支払って示談することも考えられます。

自分で対応するのが難しい場合は弁護士に相談

ある日突然慰謝料請求を求める内容証明郵便や訴状が届いてしまったら、一人で「肉体関係はない」と主張し慰謝料請求を拒むことは心身共に大きな負担です。相手からの連絡を無視してしまうと執拗に請求され、脅される可能性もあります。

慰謝料請求を行ってきた方には、すでに弁護士が代理人としてついている場合もあります。法律のプロである弁護士へ自分の主張を行う必要があるのです。しかし相手はプロであり、自分で対応をすることが不利となる可能性もあるのです。

もしも不貞行為は無いにも関わらず、慰謝料請求を受けた場合にはすぐに弁護士に相談しましょう。弁護士が介入すると一人で対処する必要はなくなります。また、ご自身に代わって交渉や訴訟も法律のプロとして対応してくれます。

まとめ

この記事では肉体関係のない不倫について、慰謝料請求はできるかどうか、という視点から詳しく解説を行いました。肉体関係が分かる直接的な証拠はなくても、状況証拠を積み重ねていくことで慰謝料請求が認められる可能性があります。

請求をしたい、と考えている方はまずは弁護士に相談をされることがおすすめです。 また、肉体関係がないにもかかわらず不貞行為を疑われてしまったら、しっかりと主張をして解決へ向けて話し合いを重ねることがおすすめです。当事者間の話し合いが難しい、すでに訴状が届いている場合などは事態が悪化する前に弁護士にご相談ください。