不倫が原因で慰謝料請求や離婚をする場合には、よく「証拠の存在が重要」と言われています。その中でも代表的なものが不倫現場の写真です。
こちらの記事では、不倫の証拠写真が必要な理由や、どのような写真が証拠として使えるのかなどをご説明します。
不倫の証拠写真とは
まず、不倫の証拠写真とはどのようなものかご説明します。よく「不倫」「浮気」などと呼ばれていますが、不倫とは法律用語で「不貞行為」のことを指します。
不貞行為(ふていこうい)とは、配偶者としての貞操義務違反行為(自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)を意味する、民法770条に離婚事由として規定されている法律用語である。引用:不貞行為-Wikipedia
そして、この不貞行為に該当する行為が、配偶者以外との性的関係があったことを言います。よって、不倫の証拠写真とは、性的関係があったと推測できる写真である必要があります。
具体的な不倫の証拠写真の例は後述しますが、単なるツーショット写真だけでは性的関係があるとまで言い切れませんので、不倫の証拠としては不十分です。
不倫の証拠写真はなぜ必要?
それでは、不倫の証拠写真がなぜ必要なのかをこちらでご説明します。これから浮気を問い詰めたり、慰謝料請求したりしようとしている方は、特に証拠写真を撮っておく必要があります。
証拠がないと言い逃れされる
不倫を理由に慰謝料請求や離婚などの法的措置を取らない方でも、配偶者や不倫相手に問い詰める場面では証拠の存在が重要になります。
証拠が全くないことで、不倫を否定されるだけでなく、「証拠もなく疑いやがって」と、批判を受ける可能性も出てきます。
また、証拠不十分の状態で不倫を問い詰めることで相手は警戒体制に入ります。そうすると、不倫の証拠を獲得する難易度が上がってしまうため、明確な証拠を確保するまでは下手に問い詰めない方が良い場合もあります。
離婚や慰謝料請求の時に必要
不倫を理由に離婚や慰謝料請求をする際には、なおさら証拠が必要になります。上記と同じく、証拠がないことで不倫を否定されてしまいますし、調停や裁判になった場合には、証拠がないことであなたの主張が認められない原因にもなってしまうでしょう。
個人の力だけで不倫の証拠写真を撮ることは非常に難しく、探偵に浮気調査を依頼しなくてはならない場面も出てきます。離婚や慰謝料請求を成功させるためには、探偵費用をかけてでも、不倫の証拠写真を撮ってきてもらう必要があるのです。
不倫の証拠写真を撮る際の注意点
こちらの項目では、不倫の証拠写真を撮る際の注意点をご説明します。いくら写真が撮れたとしても、写りが悪かったり、情報が不足していることで証拠として不十分になってしまう可能性もあります。
何度かお伝えしますが、尾行や張り込みの経験がない方が、不倫の証拠写真を自力で撮ってくることは非常に難しいです。注意点を把握しつつも、必要な調査はプロである探偵に依頼することが一番です。
不倫の証拠として有効な写真とは
まず、不倫の証拠写真として有効になる写真のポイントを押さえておきましょう。
ターゲットの顔がハッキリ写っていること
重要なことが、次の写真のようにターゲットの顔がきちんと写っている必要があります。
相手に気付かれずに正面の顔写真を撮ることは、想像以上に難しいです。探偵以外の人が撮影しようとしても、うまく撮れなかったり、気付かれたりする可能性が高いでしょう。
また、不倫は夜間に行われることも多いですが、暗くなると顔がハッキリ写らずに証拠として不十分になることもあります。そのため、探偵は夜間でもはっきり撮影できる高性能のカメラを使用しています。
性行為があったと分かる写真であること
上でも触れましたが、不貞行為と認められるには、性関係があったと分かる写真である必要があります。単に一緒にいる写真だけでは不倫の証拠としては不十分です。
証拠写真の代表的なものがラブホテルに入るシーンですが、「入るだけ」「出てくるだけ」の場面だけだと証拠としてまだ足りないと言えます。
たとえば、入る場面だけだと「ちょっと立ち寄っただけだった」などと言い逃れをされる可能性も残してしまいます。次のように、「○時に入店して△時に退店した。□時間滞在している」とまで分かる内容であれば、性行為があったと判断できやすい証拠写真になります。
※写真は「MJリサーチ」のサンプルを使用しています。
自分で尾行して撮影するのは難しい
個人の力だけで、上でご説明した内容の写真を撮影することは非常に困難です。そもそも、尾行経験のない方が、ターゲットを見失わず、バレずに尾行することから難しいでしょう。
その上、顔が分かるような写真を撮ってきて、ホテルに入るシーンと出てくるシーンをそれぞれ張り込んで撮影することは不可能に近いと言えます。不倫の証拠写真を自分だけで用意することは、ほぼ不可能と言えますので、探偵に浮気調査を依頼することが一般的です。
スマホの写真を勝手に見る行為はNG
自分で証拠写真を撮ってくることが難しくても、「スマホに入っている写真を入手することならできるかも」と考える人もいるでしょう。
確かに配偶者のスマホの中には、不倫相手との親密なやり取りや、性関係があったとわかるような映像などが残されているかもしれません。しかし、スマホの覗き見は次の違法性が問われる可能性が出てきます。
- ロックがかかっている人のスマホを勝手にみる行為
→プライバシー権侵害で損害賠償を請求される可能性 - SNS等の人のアカウントに勝手にアクセスする
→不正アクセス禁止法違反で刑事罰を受ける可能性
無理に不倫の証拠を集めようとしても、新たな問題を生じさせてしまう可能性があります。いくら証拠のためとはいっても、人のスマホの写真を勝手に入手することは避けるようにしましょう。
不倫の証拠写真の例
こちらでは、不倫の証拠として有効になる写真の例をご紹介します。
ラブホテルに出入りする写真
自宅や不倫相手の家で性行為をしていないのであれば、ラブホテル等の宿泊施設を利用している可能性が高いです。不倫相手と一緒にラブホテルに出入りする写真があれば、性的関係があったと言える強い証拠にできます。
ただ、出入りするどちらかのシーンだけでは、証拠としては不十分になる可能性があります。「ちょっと立ち寄っただけで性行為はなかった」などと言い逃れされる可能性がわずかながら残るからです。
出入りする両方の写真があることで、「△時から□時までの○時間、ラブホテルに滞在していた。性行為があった可能性が高い」と主張できます。また、一度だけでなく、別日に何度か同じ人物とラブホテルに出入りしている写真があるとより強力な証拠になります。
性行為があったと推測できる写真
見知らぬ人物との性行為中の写真が出てくれば問答無用に証拠にできますが、なかなかそこまで入手できませんし、浮気調査によって撮影することもできません。
そこで、性行為があったと推測できる写真だけでも証拠にすることができます。代表的なものが、何度か例に挙げているラブホテルに出入りする写真です。
一般的にラブホテルは性行為をする場所との認識がありますので、そこに男女2人で入ったのであれば、性行為があったと推測できる証拠になります。
一方で、ビジネスホテルへ出入りの写真だけだと、性行為があったとまで断言できない状況とも言えます。同じ人物と何度も泊まっていたり、直前にコンビニでコンドームを購入しているなどの別の情報と合わせることで証拠にすることができます。
浮気相手と旅行に出かけた時の写真
ラブホテルの出入りでなくても、不倫相手と宿泊したことが分かる写真があれば、証拠として使える場合があります。不倫相手と旅行して、旅館等の宿泊施設に泊まった時の写真などが挙げられるでしょう。
旅行先での写真であれば配偶者のスマホに保存されていることも多いため、証拠として確保できる場合があります。ただ、上記でお伝えしたように、人のスマホを勝手に見る行為は避けておくべきなので、入手方法はかなり限られてきます。
性的関係を匂わせるやり取りのスクショ
ホテルの出入りなど、直接ターゲットが写っていない内容でも不倫の証拠にできる場合があります。代表的なものが、LINE等のメッセージやり取りです。
「また泊まりに来てね」「コンドーム買ってきて」など、性行為があったと判断できるようなやり取りであれば証拠にできます。
メッセージアプリ内だけで証拠を残しておくと、削除されるおそれもあるため、スクショに撮って画像として残しておくようにしましょう。
こちらの証拠も、ロックをかけてスマホ内に残されている可能性が高いため、入手方法が難しくなっています。
探偵による証拠写真の撮り方
個人の浮気調査だけでは、ここまでご説明した不倫の証拠写真を用意することは非常に難しいです。しかし、探偵に依頼すれば、ラブホテルに出入りする写真などを証拠として撮ってきてくれます。
最後に、探偵が浮気調査でどのようにして証拠写真を撮ってくるのかを簡単にご説明します。※写真は「MJリサーチ」のサンプルを使用しています。
探偵の浮気調査は、ターゲットが行動開始するところから始まっています。通常2〜3名でチームを組み、ターゲットの移動手段に合わせて、徒歩や車で尾行をします。
いつ・どのタイミングでホテルに向かったり、性行為があると匂わせる行動を取るかが分からないため、その日の行動を細かく撮影して記録していきます。
途中で、不倫の証拠となる行動を取れば、しっかり写真に残しておきます。
狭い空間などの撮影がしにくい場面でも、探偵であれば、特殊な機材を用いて極力必要な写真を撮影します。他にも、夜間で暗い場面でも対象がはっきり写りやすい機材なども使われます。
ホテルに何時間滞在したか分かるように、出入りの写真を撮影し、ターゲットが不倫相手と別れるまで調査が続けられます。
まとめ
不倫を理由に慰謝料や離婚請求を考えている場合には、証拠の存在が重要です。不倫の証拠写真を用意する際には、「性的関係にあったかどうか」が分かるものを用意する必要があります。
単なる親密なツーショット写真だけでは不十分ですので、ラブホテルに出入りする写真や、性行為があったとわかるやり取りなどが必要です。
個人の調査だけでこれらの証拠写真を入手することは非常に難しいです。不倫の証拠が全くないという方は、探偵に依頼して証拠写真を獲得してもらうことも検討しましょう。