家やマンションなどの外壁の塗装は時間経過によって劣化していくため、一定の周期で塗り替える必要があります。外壁塗装が劣化したまま放置すると、外壁の見た目が悪くなるだけではなく、建物自体を傷めてしまう可能性もあるためです。
そのため、本記事では「外壁塗装を行うタイミング」について詳しく解説していきます。外壁塗装を検討している方は参考にしてみてください。
外壁塗装は何年ごとにしなきゃいけないの?
一般的に外壁塗装を行うタイミングの目安は「10年」と言われています。
しかし、物件の種類によっても外壁塗装を行うタイミングは全く異なるため、自身が所有している物件に合ったタイミングを知っておくようにしましょう。ここでは、「一軒家・アパート・マンション」ごとの外壁塗装を行うタイミングについて解説します。
一軒家の場合
一軒家の外壁塗装を行うタイミングの目安は「10年」と言われています。これは、外壁塗料の耐用年数が「10年前後」のものが一軒家で良く使われているためです。とはいえ、実際の実施時期は外壁塗料の劣化状態によって異なります。
例えば、新築してから6年しか経過していなくても、外壁の塗料に「色あせ・剥がれ・ひび割れ」などの劣化症状が見られる場合は外壁塗装が必要です。外壁塗装を行う際は実際の劣化状況も加味したうえで実施するタイミングを検討しましょう。
【関連】外壁塗装の相場はいくら?一戸建ての塗り替え費用の目安
アパートの場合
アパートの外壁塗装を行うタイミングの目安は「10〜12年」と言われています。これは、よく使用されている外壁塗料の耐用年数は10年程度の商品が多く、その寿命と建物の大規模修繕工事を行う「12年」というタイミングが重なるためです。
同じ時期に行う必要のある工事なのであれば、大規模修繕工事と外壁塗装を同時に行うことで、足場の設置費用を抑えられるといったメリットがあります。そのため、大規模修繕工事と一緒のタイミングで外壁塗装を行うことが多いのです。
ただし、一軒家と同様に「色あせ」や「剥がれ」などの劣化症状が見られる場合は、大規模修繕工事よりも早く外壁塗装を行わなくてはならないケースもあります。(関連:外壁で色あせしない色とは|色あせの原因と劣化を防ぐには)
外壁の見た目が悪いと入居希望者からの印象が悪くなり、入居者が集まらずに賃貸経営に問題が生じる可能性があるため、大規模修繕の時期を待たずに施すようにしましょう。
マンションの場合
マンションの外壁塗装を行うタイミングの目安は「12年程度」と言われています。これは、アパートと同様に大規模修繕工事の時期の目安が「12年程度」であるためです。
マンションのように規模が大きい建物になると外壁塗装の費用も高額になるため、費用を少しでも抑えるために大規模修繕工事のタイミングで外壁塗装も行います。
実際、国土交通省が公表している「第3編 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」でも、「マンションの外壁塗装を行う大規模修繕工事の周期は12年程度」と記載されています。
このように、マンションの場合は大規模修繕工事と同じタイミングで外壁塗装を行う必要があることを覚えておいてください。
外壁材の種類ごとの耐用年数
外壁塗装を行う際は、外壁材の耐用年数を理解しておくことも重要になります。基本的に外壁材の耐用性は「30年以上」あり、1回目の外壁塗装のタイミングで修繕が必要なケースは稀ですが、長年物件を所有していると必ず修繕が必要になります。
外壁材の耐用年数とメンテナンス周期については、以下の一覧表から確認してみてください。
種類 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
---|---|---|
モルタル壁 | 30年程度 | 8〜10年 |
窯業系サイディング | 40年程度 | 7〜8年 |
金属系サイディング | 40年程度 | 10〜15年 |
ALC壁 | 40年程度 | 10〜15年 |
コンクリート壁 | 60〜100年程度 | 10〜15年 |
所有している物件がどの外壁材を使用しているのかを確認したうえで、メンテナンスや修繕の計画を立てるようにしてください。
外壁塗料の種類ごとの耐用年数
外壁に使用される塗料は種類によって耐用年数が異なります。したがって、外壁塗装のタイミングを掴むためには、塗料の種類ごとの耐用年数を理解しておくことが重要です。
外壁塗料の種類ごとの耐用年数は以下のとおりです。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 4〜8年 |
ウレタン塗料 | 7~10年 |
シリコン塗料 | 7~15年 |
ラジカル制御形塗料 | 12~16年 |
フッ塗料 | 15~20年 |
無機塗料 | 20~25年 |
光触媒塗料 | 15~20年 |
無機塗料 | 20~25年 |
外壁塗装を検討している建物にどの塗料が使用されているのかを確認し、外壁塗装のタイミングを見極めるようにしましょう。なお、外壁塗料に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
このハウスメーカーで家を建てたら外壁塗装は何年に一回?
ハウスメーカーごとに使っている外壁材や塗料が違うため、外壁塗装のタイミングも異なります。ここでは、代表的な大手ハウスメーカーで家を建てた際に、何年に1回外壁塗装を行えばいいのかについて解説します。
トヨタホーム
トヨタホームの家で外壁塗装を行うタイミングの目安は「30年」です。外壁にオリジナルの外壁材である「ニューセラミックウォール」を使用しており、最高グレードにあたる無機塗料で塗装しているケースが多いためです。
一般的に無機塗料の耐用年数は「15年前後」と言われていますが、トヨタホームが独自に行った耐久性試験では「30年」という結果が出ています。
ただし、実際の外壁塗装のタイミングは塗料や外壁の劣化状況によって異なるので、30年経っていなくても外壁や塗料の劣化が見られるなら外壁塗装を実施するようにしましょう。
ミサワホーム
ミサワホームの外壁塗装のタイミングは「10〜15年」が目安になります。具体的には、新築から10年目、15年目の無償定期点検のタイミングで、ミサワホームから外壁塗装の提案をされるケースが多いです。
ただし、ミサワホームは数多くのシリーズを販売しており、使用している外壁塗料の種類も豊富にあるため、塗料の種類や塗料の劣化状況によって外壁塗装のタイミングは異なります。
したがって、使用されている外壁塗料の種類や劣化状況を確認してから外壁塗装を行うタイミングを見極めるようにしてください。
【参考】ミサワリフォームの屋根・外壁リフォーム – ミサワホーム
ヘーベルハウス
ヘーベルハウス住宅には外壁塗料としてアクリルシリコン系の塗料が標準で使用されており、オプションで光触媒塗料の「デュラ光」を選ぶことができます。
アクリルシリコン系の塗料の塗り替え時期の目安は「20年」、デュラ光に関しては「30年程度」とペールハウスが公表しているため、外壁塗装のタイミングは「20〜30年」が目安です。
光触媒コーティング「デュラ光」の主な特徴は、(1)光触媒塗装では初となる30年という高耐久性、(2)光触媒と親水物質とのハイブリッド設計により実現した光や雨があたりにくい箇所での防汚効果、(3)1コート(1層塗装)化によって実現した施工品質の高い現場塗装、という3つです。
ただし、上記の年数はあくまでも一定の環境で試験した結果であるため、外部環境によっては劣化が早くなる可能性があります。20〜30年経過していなくても塗料が劣化している場合は、外壁塗装を行うようにしましょう。
積水ハウス
積水ハウスの外壁塗装のタイミングの目安は「10〜15年」です。10年を経過すると劣化が目立つケースが多く、積水ハウスからも外壁塗装を勧められるようになります。
ただし、立地や環境、使用している塗料の種類によっても劣化のスピードは異なるため、塗料の劣化状況は確認しなければいけません。確認して外壁塗料に色あせや吸水などの劣化症状が出ている場合は、10年未満でも外壁塗装を実施するようにしましょう。
【関連】積水ハウスリフォームに外壁塗装を依頼した方の口コミ評判
ウスイホームは1976年の創業以来、不動産の売買や賃貸、建築、リフォーム、管理など、「住まい」に関することを一つの窓口で対応できる「ワンストップサービス」を横浜・湘南・横須賀エリアにて提供しております。
まとめ
外壁塗装のタイミングは「10年程度」が目安です。ただし、上記の年数は建物や塗料の種類によって異なります。
そのため、建物や塗料の種類ごとの外壁塗装のタイミングを理解しておくことが重要です。本記事では建物や塗料、ハウスメーカーごとの外壁塗装を行うタイミングについて詳しく解説してきました。外壁塗装を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。
【関連】外壁塗装は何日かかる?工事期間の目安と各工程にかかる日数
外壁塗装の頻度でよくある質問
10年に1回は早い?
外壁塗装の適切な頻度は気になるところですが、これは使っている外壁材によって異なります。10年は早いかと言われれば、使っている外壁材の耐用年数が10年であれば早くないと言えますし、逆に耐用年数が30年以上であれば早いと言えます。
まずは家に使っている外壁材が何なのかを調べ、それぞれの耐用年数に合わせて外壁塗装を依頼してみると良いでしょう。
20年しないとどうなる?
もし外壁塗装を20年間しないままでいると、以下のような劣化症状が出てくる可能性があります。
- カビやコケが生える
- ひび割れができる
- 塗装がはがれる
素人目にも、上記のような症状が見えてきたら業者に塗装依頼をしましょう。カビやコケは高圧洗浄や手作業で取ってもらえますし、ひび割れはコーキング作業で埋めてもらえます。
【関連】外壁塗装が必要ない家とは|外壁塗装しないとどうなる?
外壁塗装の一括見積もりサイト「ヌリカエ」は、お住まいの地域から優良業者をあなたの代わりに探してくれます。助成金の有無も調べてくれますので、外壁塗装を検討している方はぜひご活用ください。