中途採用の割合が低い大手企業では、アピールできる実績や経験が少なく、早期退職の可能性がある第二新卒での転職は難しいと言われています。
しかし、難しくはあるものの、第二新卒でも大手への転職は無理ではありません。転職を成功させるポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
第二新卒で大手企業への転職は無理じゃない
「第二新卒の転職で大手は難しい」とは言われるものの、大手企業の中には第二新卒の採用を積極的にしているところもあり、決して不可能ではありません。また、少子高齢化の影響もあって、近年は大手企業でも人材が不足しています。
通年採用できて、教育コストも抑えられる第二新卒は魅力的な存在なのです。ただし転職を成功させるにあたっては、入念な企業研究が必要になります。企業が求める人材にマッチするなら、大手への転職も可能性は十分あります。
第二新卒の転職で「大手は難しい」と言われる理由
まずは第二新卒の転職で「大手は難しい」と言われる理由を知る必要があります。代表的な理由は次の3つです。
- 大手ほど中途採用の割合が低い
- アピールできるほどの実績や経験がない
- 早期退職の懸念を抱いている
大手ほど中途採用の割合が低い
第二新卒の転職は、基本的に「中途採用」という扱いになります。そして、大手企業ほど中途採用の割合が低いというデータがあり、これが第二新卒で大手への転職が難しいと言われる理由のひとつです。
2019年、厚生労働省では「中途採用に係る現状等について」で中途採用の割合を明らかにしました。
企業規模 | 新卒採用比率 | 中途採用比率 |
---|---|---|
5~299人 | 23.3% | 76.7% |
300~999人 | 58.5% | 41.5% |
1,000~4,999人 | 59.6% | 40.4% |
5,000人以上 | 62.6% | 37.4% |
資料によると、従業員規模5~299人の企業での中途採用の割合は76.7%です。しかし、従業員規模5,000人以上になると、その割合は37.4%まで下がります。
とはいえ、少子化による人材不足で、一部の大手企業では中途採用にも積極的です。そういった会社に応募していくことで、大手に転職できる可能性はあるでしょう。
アピールできるほどの実績や経験がない
第二新卒では、アピールできるほどの実績やマネジメント経験がないのも「大手は難しい」と言われる理由です。大学卒業後の2~3年では、強みになるほどの実績や経験を積むのは難しいでしょう。
そこで企業が何を求めているのか、的確に把握する必要があります。第二新卒の転職で大きな武器となるのが、ビジネスマナー・若さ・仕事への熱意・柔軟性・素直さなどです。自分が持つ武器をうまくアピールして、転職の成功につなげましょう。
早期退職の懸念を抱いている
企業が第二新卒に対して早期退職の懸念を抱いているのも理由の1つです。勤続年数があまりにも短いと、応募先の企業にネガティブな印象を与えるかもしれません。
3年以上の実務経験を求める大手企業もあります。第二新卒であっても、複数回の転職をしているのなら、特に注意が必要です。職務経歴書の作成や自己PRをする際は、「すぐ辞めるのでは」と思われない工夫が求められます。
これまでの転職理由と今後のキャリアプランに一貫性を持たせ、あくまでもポジティブな理由で転職を選択したことをアピールするようにしましょう。
第二新卒が大手企業への転職を成功させるポイント
第二新卒で大手に転職するなら抑えておくべきポイントがあります。特に意識したいのが次の3つです。
- 求人が多くなる時期を狙う
- 2~3年の実務経験を積む
- 転職エージェントを活用する
ポイントを1つずつ解説しますので、ぜひ活用してください。
求人が多くなる時期を狙う
転職を成功させるのなら求人が多くなる時期を狙うのも大切なポイントです。大手企業では、第二新卒枠も4月入社となる求人が多い傾向にあります。
そこで12月から1月にかけて転職活動を始めるのがベストです。求人が増える時期を狙って転職活動を開始しましょう。
2~3年の実務経験を積む
企業側は第二新卒に対し、早期退職するのではないかとの懸念を抱いています。そこで、同じ職種で2~3年の実務経験を積むのも大切なポイントです。
2~3年の実務経験があれば、即戦力として企業側もある程度期待できます。同じ第二新卒でも就職後1年目と3年目では、受ける印象が大きく違うでしょう。
そのため現在よりも規模の大きい会社に転職したい場合は、2~3年の実務経験を経て、アピールできる実績を積んでからの転職活動を考えてみてください。
転職エージェントを活用する
第二新卒の転職では、転職エージェントを活用するのもおすすめです。第二新卒の方は初めての転職活動になる人も多いと思いますが、転職エージェントを利用することで履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートをしてくれます。
また、大手への転職が可能かどうか、入社できる可能性がある大手企業なども転職エージェントなら判断できるでしょう。 効率よく転職活動を進めるためにも、ぜひ活用を検討してみてください。
第二新卒を採用している大手企業の例
第二新卒を募集している大手企業の例をいくつか紹介します。ただし通年募集を行っているとは限りません。希望する業界・業種・職種があるのなら、チャンスを逃さないよう定期的に求人情報をチェックしましょう。メーカー IT、WEB 金融、商社 上記にわけて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
メーカー
大手メーカーでは経験者採用を多く行っています。次の3社では、2023年2月段階で第二新卒を含む募集を行っていました。
- トヨタ自動車株式会社(採用情報)
- ソニー株式会社(採用情報)
- ヤマハ株式会社(2024年度 新卒・第二新卒採用情報)
第二新卒とは一般的に職歴3年前後を意味しますが、ヤマハ株式会社の場合は「職歴5年未満」が対象です。何年まで対象かは各企業によって違うため、必ずチェックしましょう。
IT、WEB
IT・WEB系は第二新卒を歓迎している企業が多い傾向です。通年ポテンシャル採用を行っている会社もあります。
IT系に限りませんが、大手企業は勤務地が日本以外の可能性もあります。求人を探す場合は、希望の条件に合致するか、しっかりチェックしてください。
金融、商社
金融・商社系でも第二新卒を募集しています。待遇は経験や実績を考慮する企業も多いため、ホームページからは確認できません。
野村信託銀行での第二新卒の基準は「社会人経験1年以上6年以下」です。金融関係で第二新卒を募集している大手を探しているのなら、ぜひチェックしてみてください。
第二新卒が大手企業の求人を探す時のおすすめサイト
求人を探すにあたって、企業の公式サイトを1つずつ見るのは大変です。そこで転職サイトや転職エージェントの活用を考えましょう。第二新卒が大手企業の求人を探す時のおすすめサイトを3つ紹介します。いずれも無料で使えますので、効率よく転職活動を進めるために、ぜひ活用してください。
doda
dodaは「パーソルキャリア株式会社」が運営する、大手転職サービスです。転職サイトとしてだけでなくエージェントサービスも利用できます。
100,000件以上の公開求人があり、大手企業・優良企業も数多く登録されている転職サイトです。「第二新卒」というキーワードで求人を検索すると、10,889件の求人がヒットします(2023年2月時点)。
リクナビNEXT
リクナビNEXTは「株式会社リクルート」が運営する中途採用者向け転職サイトです。スカウト機能があり、登録後は企業からのオファーが受けられます。
公開求人数は約95,000件で大手企業の求人も多いです。時期によっては第二新卒特集ページも設けられています。 自分でじっくり選びたいなら、リクナビNEXTをチェックしてみましょう。
マイナビ転職
マイナビ転職は「株式会社マイナビ」が運営する転職サイトです。第二新卒歓迎の求人が、2023年2月の段階で15,000件以上掲載されています。
全国各地で転職フェアを開催しているのも、マイナビ転職の特徴です。スマートフォンアプリなら空き時間を活用できます。マイナビ限定の求人も多数ありますので、ぜひ利用してみましょう。
まとめ
第二新卒だとしても大手企業に転職できます。ただし「難しい」と言われているのも事実です。そこで本記事で紹介した3つのポイントを参考にしてください。
ポイントを抑えて活動すれば、成功率が高まります。 第二新卒の強みをうまく生かして、ぜひ大手企業への転職活動を無事に成功させましょう。