介護士の仕事をしている女性
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元介護従事者のフリーライター。介護業界に入職するも、心身のバランスを崩し退職。その後一般企業で販売員や事務員を経験。

介護業界は好条件の求人も多く、やってみたいと思っても、自分が向いているかどうか不安になる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護職に向いている人・向いていない人には、それぞれどのような特徴があるのかを紹介しています。

介護職は大変って聞くけど、私にもできるのかな?」「介護職ってつらい、私には向いていないのかな?」このような疑問にも、詳しくお応えしています。ぜひ参考にして、介護職を転職先の候補に入れてみてください。

介護職に向いている人の特徴

介護職は誠実で気配りのできる人にピッタリの仕事です。ここでは、とくに介護職に向いている人の特徴を紹介します。

自分が当てはまらなくても、仕事をはじめてみれば意外と向いていた、という場合もあるので、参考程度にご覧ください。

感情のコントロールができる人

介護職は感情のコントロールがしっかりできる人におすすめの職業です。

介護施設を利用する人の状況はさまざまですが、人の世話になることを「恥ずかしい」「申し訳ない」と感じている利用者が多いです。

そのため介助している最中に、心ない言葉を浴びせられたり、介助の同意を得るのに時間がかかる利用者もいたりします。

そのようなときでも、自分の嫌な感情を表に出さず、笑顔で利用者に接しなければなりません。

介護職は自分の心をおさえて、利用者と交流することが求められる仕事です。嫌な感情がすぐに言葉や態度に出てしまう人は、介護職には就かないほうがよいでしょう。

人を喜ばせるのが好きな人

介護職は人に喜ばれ、多くの感謝を受け取れる仕事です。常に何をすれば利用者に喜んでもらえるかを考える必要があります。

利用者のなかには、言葉を発せられなかったり、意思の疎通がうまくできなかったりする人もいます。

さまざまな人の心の機微を読み取り、どうやったら喜んでもらえるか、何を望んでいるのかを常に考える必要があるのです。

普段から相手が何を考えているのか、どうしてほしいのかを考えている人は、介護職に向いています。

体力や健康に自信のある人

介護職は非常に体力の必要とされる仕事です。自分の倍近く体重がある利用者の移動を手伝ったり、倒れかかってきた利用者の体重を支えたりしなければなりません。

人手不足から、するべき仕事はなくなりませんし、施設によっては1日中走り回ることも多い仕事です。

シフトに夜勤もある人は生活リズムが崩れやすくなり、慣れないうちは休日に疲れを取ることができず、ヘトヘトになってしまうこともあるでしょう。

介護職は利用者を支えるために、常に万全の体調でなければならないのです。そのため、体力や健康に自信のある人は介護職に向いています

とくに感染症の流行する季節にはしっかりした健康管理が求められます。介護職は、健康に自信のある人にはおすすめの仕事です。

コミュニケーション能力が高い人

介護職には、コミュニケーション能力が必須とされています

利用者と接する際はもちろん、その家族や職員と密に連絡を取り合い、利用者が安心して過ごせる場所を作らなければなりません。

仕事ができても、うまく話のできない相手には、自分の体を任せたいとは思えませんよね。利用者に安心してもらうためにも、コミュニケーション能力は必須とされています。

介護技術も大切ですが、それ以上に利用者とコミュニケーションをしっかりと取るのが求められる仕事なのです。誰とでも仲良くなれる人は、介護職に向いています。

細かいところに気が付く人

介護サービスを利用する人のなかには、意思の疎通が十分にできない人もいます。そんななかで重宝されるのが、細かいところに気が付くスキルです。

たとえば、食事の進みが遅かったら、夏バテを疑う。背中に小さな傷を見つけたら、床ずれを疑うなど、利用者の細かな変化に気がつけると、その後に起こるかもしれないさまざまな事態に対応できます

なかには自分の症状をなかなか言い出せない利用者もいるでしょう。そのため、利用者の気持ちを察して、行動できる人は介護職に向いています。

介護職に向いてない人の特徴

ここからは介護職に向いていない人の特徴を紹介します。この章を読んで、自分には向いていないと思っても、努力次第で介護職として十分働けます。

向いていないからとあきらめずに挑戦してみると、意外と向いていたということもあるでしょう。

責任感のない人

介護職は責任感のない人には向いていません。医療・福祉業界に共通することですが、人の命を預かる仕事をする以上、自分勝手な考えでいい加減な仕事をすることは許されません。

自分の行動ひとつひとつに責任を持って行動する人が求められているのです。

潔癖症の人

介護職は排泄介助や入浴介助、食事介助などが主な仕事です。仕事と割り切れればよいのですが、極端に潔癖症な人は、仕事をするのがつらくなってしまうでしょう。

私生活では潔癖症でも、仕事となれば気持ちが切り替わるという人もいます。しかし、極端な潔癖症の自覚がある人は、介護職は避けたほうがよいでしょう

協調性のない人

介護職はチームワークが大切な仕事です。体の大きな利用者を2人がかりで介助したり、事態に合わせた作業分担をしたりなど、チームワークが求められる仕事が主になっています。

他の職種にも共通することですが、周りを無視して一人で仕事をしていても、よい仕事にはなりません。

介護職は職員一人でできる仕事ではないため、人に合わせるのが苦手な人は、介護職にはあまり向いていないと言えるでしょう

せっかちな人

せっかちな人も介護職には向いていません。介護職は主にお年寄りの生活の手伝いをします。

なかには、動きがゆっくりだったり、どうしても自分の手でやりたかったりする利用者もいるでしょう。

そのような場合は、利用者を優先してじっくりと待つ必要があります。自分の仕事が進まないからといってイライラしてしまう人は、介護職にはあまり向いていないのかもしれません。

気持ちの切り替えが遅い人

介護職は肉体的にも精神的にもストレスの溜まる仕事です。休日にはしっかり息抜きをしなければ、ストレスを溜めこみがちになってしまいます。

介護職はさまざまな人と向き合う仕事です。なかには、きついことを言う同僚や、心ないことを言う利用者もいるでしょう。

とくに認知症の人を介助するときには、突然利用者の態度が豹変することもあるのです。そのような場合でも、感情的にならず、冷静に対処できる人には介護職の適性があります

もちろん傷ついたり悔しい思いをしたりすることもあるでしょう。それを表に出さず、利用者の前では常に笑顔で仕事をしなければなりません。

仕事をしていくうちに、感情のコントロールもうまくできるようになっていきますが、はじめのうちはストレスが溜まることでしょう。

介護施設によって求められる特徴は違う

これまで向いている人、向いていない人の特徴を紹介してきました。しかし、就職する施設によって、求められている人の特徴は違います

たとえば、要介護度の低い人の多い施設では、リハビリやレクリエーションの充実に力を入れている場合が多いです。

そのような施設では、企画力や高いコミュニケーション能力が求められます。

反対に、要介護度の高い人が多い施設では、とにかく体力のある人材を求めている場合が多いのです。

介護職に向いている、向いていないを考えると同時に、自分の性格や性質に合った就業先を選ぶことが重要です。

職場見学もできる施設がほとんどですので、入職前に、職員同士のやりとりや利用者に対しての接し方を見て、自分にもできそうかどうか判断するとよいでしょう。

まとめ

介護職は、人に尽くすことが好きで、人のことを考えられる人には最適な職業だといえます。一方で、自己中心的な人は介護職に就かないほうがよいでしょう。

向いている・向いていないは利用者の状況や、就業形態によっても変わるものです。

自分に向いていないと思っても、いざ働いてみれば意外と向いていると感じるのかもしれません。ぜひこの記事を参考にして、介護業界への転職を考えてみてはいかがでしょうか。