元介護従事者のフリーライター。介護業界に入職するも、心身のバランスを崩し退職。その後一般企業で販売員や事務員を経験。
介護職は常に多くの人材の募集をしているため、就職しやすい業種です。そのなかで介護職へ転職し、失敗したと感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護職への転職が失敗する原因と成功するためのポイントを解説しています。ぜひ参考にして、心から満足できる転職先を探してみてください。
介護職への転職失敗は認識不足が原因!
介護職からの転職が失敗する原因には、介護の仕事への認識不足が多くあります。ここでは、どのような認識不足があるのかを解説します。
仕事内容に対して給料が低い
介護職は、激しい肉体労働や利用者との密なコミュニケーションを求められるのに、支払われる給料が安いと言われています。
入職前は高い給料が支払われると期待して入職したものの、実際の仕事内容に対して給料が安すぎると感じることも多いです。
あんなに働いたのに、これだけしかもらえないなんて…と、思う人も多いでしょう。転職前に労働内容を自分でシミュレーションし、それに見合った金額が支払われるかどうか、確認しておきましょう。
人手不足で忙しい
日本は高齢化に悩まされており、介護を必要とする人が増えるのに比べて、介護提供する人の割合はあまり変わっていないため、介護業界は深刻な人手不足にあります。
自分が希望していたよりもシフトを多めに入れられたり、希望通りの休日が取れなかったりすることもあるでしょう。
少人数で施設を回さなければならないときは、休むことへの後ろめたさを感じてしまうようになります。せっかく転職しても、思うように時間が取れず苦しむ場合もあるでしょう。
満足いく教育がしてもらえない
介護業界はどこも人手不足で、満足いく教育をしてもらいにくい環境にあります。簡単な研修を受けただけで、1人で現場に放り出されることも少なくありません。
十分な教育を受けられず、自分の仕事に自信が持てないまま介助するのは、利用者も不安になります。
転職前には、未経験者でも手厚く教育してもらえるのか、研修制度はどうなっているのか、などを確認しておいた方が良いでしょう。
人間関係がうまく築けない
介護職は、施設の利用者だけでなく、利用者の家族や職員同士、医師やリハビリ技師等の他業種ともしっかりと交流をしなければなりません。
また、外部の目が入りにくいため、職員内でいじめが起こったり、ご家族にきつい言葉を浴びせられたりすることもあるでしょう。
そのような場合に、うまく解決できず、ストレスを溜めこんで退職してしまうこともあります。
体力的にきつい
介護の仕事は、外から想像する以上にハードな仕事です。熟練の介護士は、スムーズに利用者さんをサポートし、テキパキと仕事をこなしているので、介護は一見簡単なように見えます。
しかし、大きな体の利用者さんをベッドから起こしたり、車いすへの移動の介助をしたりと、利用者の体重を支える必要のある場面が多くあります。
介護職は膝や腰を痛める人が多く、体力的にもきついと感じる人が多い仕事です。
また、人の少ない夜勤勤務は、職員一人ひとりにかかる負担が大きく、生活のリズムが崩れてしまうことも。介護の仕事は好きでも、体に限界が来てしまうことも多いでしょう。
思っていた介護とは違う
求人情報や面談時に聞かされた業務内容が、実際とは異なっている場合があります。
たとえば、夜勤は月に3回までと聞いていたのに、週2回は夜勤のシフトが入っている。
見守りが主な仕事だと聞いていたのに、入浴の介助まで担当にさせられているなど、想像していたものと全く異なる仕事を頼まれる場合もあるようです。
そのような場合には、上司や人事担当者に相談してみることをおすすめします。
介護への転職に失敗しないためのポイント
誰でも転職には失敗したくないものです。ここでは、とくに介護業界での転職に失敗しないためのポイントを紹介します。
自分の希望を明確にする
転職を成功させるには、転職活動する前に自分の希望条件を明確にしておくとよいでしょう。
転職先に求める条件は、人それぞれ異なっており、明確にしておかなければ合わない職場に就職してしまう可能性があります。
たとえば、介護職の求人では、以下のような希望があります。
- 心のこもった介護ができる
- 夜勤がない
- 家から通いやすい
- 残業がない
- 給料が業界水準以上である
- 業務外での付き合いはしたくない
すべての希望条件を満たす転職先を見つけるのはなかなか難しいことでしょう。
しかし、希望のなかでも、自分が絶対に譲れない条件をしっかりと持っておくと、転職後とのギャップを小さくできます。
譲れない条件と、とくに重視したい条件の軸を明確にして、転職先を探すとよいでしょう。
施設の情報収集を入念に行う
介護職への転職では、施設の情報収集を入念に行うことが重要です。
施設の理念や業務内容、どのような利用者がいるのかなど、可能な限り調べておいた方が良いでしょう。
とくに調べておいた方が良い情報は以下のとおりです。
- 業務内容
- 施設形態
- 教育体制
- 職場の雰囲気
- 業務外での交流の頻度
- 募集の背景
とくに、利用者さんを大切にするあまり、職員の負担が大きくなっている施設もあります。
実際に見学に行ってみて、その施設が自分に合っているかどうかを慎重に吟味すると良いでしょう。
施設のブログやSNSの発信でも、施設の雰囲気をつかみやすくなります。
イベントの頻度や内容など、可能な限り調べておくと、就職後との認識の差異をなくせます。
給与や立地などといった条件だけではなく、自分が働くうえでうまくやっていけるかどうかも考えておかなければなりません。
介護職員として働いている自分をイメージする
希望条件に合った施設でも、自分にあった職場かどうかは別問題です。
たとえば、実際に現場で働いている人は、どのようなスケジュールで動いているのか。アットホームな職場だけど、自分でも馴染むことができるのか。
実際に働いている自分をイメージしてみると良いでしょう。もちろん、働いている自分をイメージできなくても、職員として勤務ができるでしょう。
しかし、先輩職員たちの働いている姿を見ただけで転職先を決めてしまうと、思ったより動けない自分とのギャップに苦しむことになります。
求められていることと、自分が貢献できることの差をしっかりと意識して、転職先を選ぶと良いでしょう。
ある程度の覚悟を決めて入職する
どこの仕事にも共通することですが、新しいことを始めるにはある程度の覚悟が必要です。
慣れない環境に身を置くときは、今までの常識を捨て、職場の決まりに合わせなければなりません。
思っていたよりもきつい仕事だったり、理想との違いに苦しんだりすることもあるでしょう。しかしそれはどの職場に行っても起こり得ることです。
入職してみて、思っていたよりもきついからとすぐに辞めてしまうというのは、自分の可能性を狭めることになります。
せめて3ヶ月は続けてみるなど、自分のなかで期限を決めて仕事に専念してみるのもよいのではないでしょうか。
働いているうちに、やりがいや楽しさが見つかるかもしれません。
介護職への転職を成功させるには転職エージェントを使うのもおすすめ
1人で転職しようと思っても、自分の適性がわからず、なかなか自分に合った転職先を探せないこともあるでしょう。
自分に合った転職先を探すには、転職エージェントを利用するのも1つの手です。
転職の専門家であるエージェントに相談すると、面談を通して自分にもわからなかった適性や、理想とする働き方を探り出してくれるのです。
履歴書の添削や面接の練習など、さまざまな分野でサポートしてもらえることでしょう。また、一般には公開されていない求人情報を持っているエージェントも多くいます。
転職したいけど、どうしたらいいのかわからないという人は、一度転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護職への転職は、入念なリサーチと自己分析によって成功する確率を高めることができます。
転職を検討した際には、自分の希望条件をはっきりさせ、譲れない条件を決めてから転職先を探すのがおすすめです。
転職エージェントなどを使うと、転職先のリサーチも楽に行うことができます。ぜひこの記事を参考に、介護職への転職を成功させましょう。